ケチャップの哀しみ 【WEB】
ケチャップの哀しみ
そこにケチャップがあった
ただそこに……ケチャップがあった
真新しいパリパリのシースルーのドレスを纏いて
華々しくデビューを飾ったあの日……
見初められるでもなく 無惨に引き剥がされる
パリパリのシースルーのドレル
ペッチン防臭をくるくる外されて……
わたしの銀のベールは剥がさた……
もう……あの頃には戻れない
嗚呼……わたしはやっぱりケチャップなのだと
思い知らされた……あの日の出来事……
食卓に並べられても お醤油 ソース
あの忌々しい マヨネーズ
嗚呼……またマヨネーズがご指名だなんて……
わたしはここに……いるのに
誰も手を差し伸べてはくれない……
切ないな……切ないな……あっ……お醤油……
月日は流れて……
行く世代のあの娘たちを見送ったかしら……
ブシュッ……ブシュッ……ブシュッ……
わたしが最後に手にされた時の音……
あ〜……捨てないで……まだわたしの内は残ってるわよ……
パリパリのシースルーのドレスを纏った
何も知らないあの娘が迎えられた……
世代交代か……
わたしはケチャップ
挫け無いで 頑張りなさいよ
まだわたしだって 逆立ちすれば……
もう壱花咲かせられるのにな……
ばいばいばい
挫けないで 頑張りなさいよ
ばいぱいぱい
わたしはケチャップ
今は ぺちゃんこケチャップ
閉じられた袋の中……ガサゴソガサゴソ揺られてる
ばいばいばい ばいばいばい




