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第八週:色香と巨乳とエッチな太もも(土曜日)

《木曜日。16時01分》


『如何ですか?デュさん。船内スキャンでは丁度コントロールルームの天井真上付近にあるようなのですが――』


「ちょっと待ってな……、天井って言っても結構広いし……、このポッドって上の方の重力ちょっとおかしいんだな――」


『はい。“見た目よりも中が広い”機能の影響で居住域から離れるほど人工重力場の乱れが強くなります』


「やっぱり?ほら、俺って光だろ?重力の影響をもろに受け……おっ、あったあった……ってかデカくね?」


『こちらの計測ですと、全長約3.1m、全周は、一番太い部分で、約7.1mあります』


「それってクラディオンだとどの位?」


『全長約0.78クラディオン、全周約1.78クラディオンですね』


「デケえな!なに?その“オオツタハコバツバメバチ”ってのは皆んなこんなデカい巣作るの?」


『いえ、標準サイズだと全長0.1~0.2クラディオンほどのようです』


「だったら――」


『ただしこれは通常時の標準サイズで、タイムトラベルに入る際の巣の大きさは全長0.3~0.5クラディオンほどになるそうです』


「――は?」


『もちろん。オオツタハコバツバメバチのタイムトラベルは公的には認められておらず――と云うか、ほとんど全ての銀河の知的生命体はそんな昆虫が存在することも知りませんので――こちらはあくまで 《時主》族の、その中でも少々特殊な方々の、個人的研究観察記録によるものでして――』


「ちょ、ちょっと待って」


『はい?』


「タイムトラベル?」


『はい?』


「“タイムトラベル”って言った?いま」


『はい』


「いやいやいやいや、タイムトラベルってアレだよ?このポッドでもやったけどさ、時間や空間を飛び越えちゃうアレだよ?」


『はい』


「いやいやいやいやいやいやいや、オレは光だからさ、そーゆー小難しい科学とか?物理とか?の話しはよく分からねえよ、分からねえけどさ、そーゆータイムトラベルって、このポッドみたいなさ、“科学の結晶!”的な機械?とかを使って?エラい科学者とか?それこそバアさんみたいな?無茶苦茶頭の良い種族とかがやるもんじゃないの?」


『はい。確かに、一般的なイメージはそうなのかも知れませんが、しかし、オオツタハコバツバメバチのメスがタイムトラベルを行なうことは紛れもない事実のようでして、このポッドの航行記録にも――』


「航行記録?」


『はい。Mr.Blu‐Oの言葉として残されています』


「それは……生身って云うか、何の機械とかも使わずにハチそのものが……ってこと?」


『正確には、いまデュさんが見られているような大型の巣を使って“飛んだ”そうですが』


「はあ」


『ですので、今回の彼女たちの巣作りも、多分に、そのタイムトラベル或いは空間移動の前準備ではないかと想われます』


「確かに。ナツ君に気付かれずにこのポッドに入るぐらいだもんな――」


『無理な侵入の場合、先ほどの“お若いレディを名乗る女性”の時のようにフォースフィールドの乱れで私も気付くのですが、多分、量子の揺らぎを見極めながら、一匹ずつ、侵入して来たものと考えられます』


「はあ……じゃあなに?この子たちはどっかタイムトラベルしようとしてるってこと?」


『はい。よろしければ話を聴いてみますか?』



(続く)

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