第六週:安堵と恐怖(水曜日)
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天地開闢のわずかに昔。
タブレの空に成れる神。
名は、ドミニ=タブ=デゼス。
次に成れる神、タブ=スムス。
次に成れる神、カブ=スムス。
これら三つ柱、みな独り身の神。
これら三つ柱、みな虚真空の神。
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次に。
宙稚く虚空の正空に代わるが如くして、
海月なすひろがりひろがり得るときに、
量子の芽のごと萌え騰がりし物に因り、
チシュ=ポンシヤの拡がりに成れる神、
名は、ア=リアド=イクレメト。
次に、カ=エラム=ラヂエクス。
これら二つ柱、みな独り身の神。
これら二つ柱、みな正真空の神。
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これら五つ柱、異なる宙神なり。
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次に成れる神、レク=スタル。
次に成れる神、ラム=エサル。
これら二つ柱、みな独り身の神。
しかし二つ柱、己が子を産む神。
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レク=スタルの産みし神、
名は、ルゥ=ウトム。
次に、ルゥ=ウレナ。ウトムが妹。
次に、プル=ラント。
次に、プル=ラテト。ラントが妹。
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ラム=エサルの産みし神、
名は、シル=ウテラ。
次に、シル=ウベラ。ウテラが弟。
次に、クゥ=ルクラ。
次に、クァ=フアジ。ルクラが妹。
次に、ケン=イェン。
次に、ケン=エソン。イェンが弟。
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これら十二柱、ジュ=リェン七代。
スタルエサル、各々を一代に数え、
次に並ぶ十柱、二神を一代に数う。
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ケン=イェンは、ラム=エサルの産みし神。
生得神霊、善く話し、善く走り、慈愛あり。
成年となり聡明、父命にてハイヘブへ向う。
炎の時が来たり、諸王は攻合い民は困窮す。
ケン=イェンが弟エソン、兄に申して曰く、
火主の勢、我らが雲の惑星にも至らんとす。
我が兄イェン、修気、修徳、奴らを迎えん。
然る後、火主の勢、更なる北より北に入る。
火主の子ら星を奪い、人民いよいよ困窮す。
人民いよいよイェンを頼り、彼の地に集う。
故にケン=イェン、徳を修めて、兵を整え、
地水火風金五気を修めて、地を佳く耕作す。
民を撫み、四時を安んじ、山空獣を従える。
是に至りてイェン、己が星にて火主を迎う。
三度戦い、三度目勝ち、丘に玄柱を建てる。
民多く死に臣多く死す。故に是は塚柱なり。
故に是が、彼らが冥府ハドルツの始めなり。
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ケン=エソン卒し、兄イェンも隠身となる。
子フ=チュツ立つ。チュツの末年、政乱る。
陽隠れ、地荒れ、官去り、チュツも追わる。
逃げ逃げて、更なる北より火主の間に入る。
フ=チュツ卒し、長子イニエ=クタス立つ。
クタス卒し、チュツが末子リク=ルウ立つ。
ルウ、火主の血を引き、火主の間に生活す。
またルウ、祖父の業を修め究理耕種に努む。
然して民富み、資財貯蓄、みな積徳に努む。
他の星、他の宙、他の刻よりの移住者多し。
これよりハイヘブいよいよ興り、徳も盛る。
詩人らルウが徳を想い賛美し楽しみ称揚す。
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リク=ルウが卒し、子のガセ=イツが立ち、
ルウが孫サツ=フツ、玄柱が傍ら城を建つ。
是の城いまも続き、ハイヘブ本宮と呼ばる。
ガセ=イツより数えて八代がベタス=コウ。
コウの末子に男子あり、イン=ビトなりき。
(続く)