《銀河漂流ウラシマン(ディレクターズカット版)》第参話:男の、戰い。
承前。
「“ブババババ! ブババババ! カキン、カキン、カキン!!”」
「えっ?なになに?急に?」
「いまこれ、戦闘に特化したタイ型宇宙人のレーザー銃を太郎が釣り竿型ライトセーバーで撃ち返したところね」
「戦士になったの?!」
「“ブババババ! ブババババババ! カキン! カキン!! カキン!!!”――で、ここで太郎が大きくジャンプして軍団の背後に廻り込むわけね」
「軍団?」
「そうそう。で、ツリザオ・セーバーがビュヒョンッてトアミ・セーバーに変わって、タイ型宇宙人を一気に捕えるワケ」
「投網だからね」
「『これが!絵にも描けない美しさだーー!!』って――」
「いや、その決めゼリフはどうよ」
「『太郎さま!』」
「誰か出て来た」
「『大丈夫だったか?カンムリ』」
「……カンムリって誰だっけ?」
「『ともに地球を出て早や幾星霜。お前には心配ばかり掛けさせているな』」
「ああ、あの亀女ね」
「『私は大丈夫です。ですが、もしも太郎さまの身になにかあったら、このカンムリは、このカンムリは――』」
「いい娘じゃん」
「“ドシンッ! ドシンッ! ドシンッ!”」
「え?え?今度は何?」
「大地を揺るがす黒い影が地響きと共に現れたのであった!!」
「お前、楽しそうだなあ」
「『な、なんだ?この地響きは?』
『た、太郎さま、あ、アレを!!』
“ダカダンッ!!”
『銀河漂流!ウラシマン!!』」
「キャッチまで入った」
「で、CM明けは巨大ロボットが姿を現す所から始まるんだ」
「スポンサーいるんだ」
「『あ、あれは……』
『知っているのか?カンムリ』
『古の大昔、その凶暴さ故この星の地下深く封印されたと云う汎用ヒラメ型血戦兵器!“シン・ヒラメゲリオン:||”!!』」
「その名前は大丈夫なの?」
「“ドシンッ! ドシンッ! ボボボボボボボ!!”
『きゃあっ』
『カンムリ!くそっ!!トアミ・セーバー』
“ババッ、ババッ”
これは、ヒラメゲリオンのAなんとかTなんとかフィールドがセーバーを弾く音ね」
「“ATフィールド”ね」
「『ダメだ!このままでは皆やられてしまう』
『いいえ!手はあります!!』
で、ここでカンムリがなんかまっ黒な箱を取り出すワケよ。
『この箱は?カンムリ?』
『ステーションを出る際、オーガナ姫から頂いた多聞天 (たもんてん)ボックスです』」
「出たーー!!」
「『多聞天 (たもんてん)ボックス?そうか!これさえ開けば!!』
で、ここで太郎がボックスを開けようとするんだけど、その手をカンムリが止めるワケよ」
「なんで?」
「『地球人の体にこの多聞天 (たもんてん)ボックスは危険過ぎます』」
「おじいさんになっちゃうからね」
「『しかし……』
って太郎が躊躇してると、突然カンムリが太郎にキスしてくるワケだ」
「なんで?!」
(続く)