この島の
「学校やだな...」
「なんで?みんなと会えるじゃん。」
「いいなあ人気者は。ボクなんてさ、チビって言われてるんだよ?」
実際ボクはチビだ。認めたくないけど。
「胸も無いし」
そのうえつるペタである。
「いいじゃん可愛くて」
そう言って桜は抱きしめてくる。でも、
「持ってる人が言っても嫌味だよ、もう...」
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始業のチャイムが鳴っている。
「もう始まんのかよ〜〜」
「課題終わった?」
「それがさあ、終わってないんだな!」
「ヤバくね?それ」
「なくしたって言って誤魔化す!」
クラスメイトは41人。みんな喋っている。ボクはというと...
「今日のお昼どうする〜?」
「ボクは作ってきたよ」
「お〜家庭的〜」
友達とおはなししています。前の席替えから仲良くなったしまちゃんです。
「しまちゃんはどうするの?」
「わたしは購買でなにか買うつもり〜。夏美は〜?」
「私は昼練するからあっちで食べる」
夏美、陸上部の期待の新人だ。
「そういえば、大会どうだった?」
夏美とは中学からの付き合いで―――みんなそうなんだけど、結構仲がいい。
「や、惜しかったんだよ!惜しかったんだけどさぁ...はあ、4位だったよ」
「え、すご」
「おまえの方が走るの速いだろ...」
「帰宅部ですか...」
ガラガラと教室のドアが開いた。
「うおーい、席に着けー」
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今日の夜ご飯どうしよ。魚にしようか、いやでも餃子に...
「はあ、はあ、っはあ!待って、待ってってば!」
あ、大根が余ってたから和風ハンバーグにしよう。
「もう!待って!」
「あ」
振り向くと、後ろには桜がいた。おかしい、さっきまで横に居たのに。
「ごめん、考え事してたよ」
「はあ、置いてかないでよぉ...」
今は3限目。体育だ。持久走って冬にやるイメージだけど。
「はあ、はあ、さすがは島の"最終兵器"、だね、んっうぅ」
「色っぽい...あと一キロあるよ?大丈夫?」
女子高生に2キロは酷だ。普通ならば。
ボクは怪異と戦うこの島の、"最終兵器"だ。
沙条めぐるは、"普通"の女子高生ではなく、"最終兵器"なのだ。