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弱小ショタなのでビキニアーマーを嫁にした  作者: ろーくん
第七章:獣者と毛物

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第91話 これはいいモノなのです



 ルクートヴァーリング地方から数多くの品が王城に届いた――――――エイミーの生家を解体している最中、出てきた遺品の数々を品ごとにその道の職人さん達に修復・修繕してもらったモノだ。




「すごいです! このお人形さんはきっと燃えてしまったのだとばかり……ああっ、こちらの蝋燭立てはお父様が愛用していたものですっ」

 状態を見るかぎり、とても長年風雨に晒され続けた廃墟にあったなんて思えない。とても綺麗になってる思い出の品々を前に、エイミーは興奮気味だった。



 試しに僕も、手近にあった小さなペン立てを手に取ってよく見てみる。


「……本当に素晴らしいですね、ここまで綺麗に直せるなんて驚きです」

 確かに建物を取り壊すとき、新たに何か出てきたら確保して直せそうなものは職人に……と、手配はしてた。

 (※「第57話 明日への思い出を持ち出します」参照)


 けど正直、ここまで状態よく出来るなんて思ってなかったから、素直にビックリしてる。

 この世界の職人さん達の腕を見くびってたかもしれない。


「(あ、やっぱり修理した跡なんかはよーく見るとわかる部分もある)」

 むしろちょっと安心。

 あまりに仕上がりが綺麗なので、もしかしたら修理せずにかわりの新品とか用意して “ 直しましたー ” って言ってないか、ちょっぴり疑いかけてた。

 


「見てください殿下っ。コレ、私が赤ちゃんの時に着せてもらったドレスですっ」

 そう言ってエイミーが差し出してきたのは、確かに1~2歳児くらいまでしか着れなさそうな小さなドレス――――――ところがその出来栄えや意匠は、乳幼児用の域を越える、驚きの出来栄えだった。


「これは……また見事なものですね。下手なドレスよりも立派なのでは??」

 お世辞じゃない。本当にすごかった。

 少なくとも上級貴族の令嬢たちがパーティで勝負をかけようと、最高に気合いを入れておめかししてきた時なんかに着てるようなドレスにさえ、肩を並べると思う。


「本当にちょっぴりしか覚えてませんが、確かお父様やお母様が何かこう……お家のしきたりみたいな話をしてて、これは特別なご衣裳(ドレス)のような事を言っていたような気がします」

 前世でいう、七五三や五月人形、ひな祭りみたいな、子供向けの祭事的なものだろうか? そう考えると納得がいく。

 普段使いのドレスじゃなく、生れた我が子の健やかな成長を祈る催し用なら、この素晴らしい出来栄えも当然だろう。


「それはまた謂れ(いわれ)など調べてみたくなりますね。……とりあえずそのドレスは大事にしまっておいて、エイミーの子供が生まれたら着せてあげましょうね」

 僕の言葉でエイミーの顔が真っ赤に染まった。直後、はにゃふにゃと言葉にならない言葉を呟きながら目を回し出す―――きっと僕の赤ちゃんを作るところから産んでこのドレスを着せてあげるところまで、生々しく想像してるんだろうな。


「(うん、エイミーは今日も可愛い、っと)」



  ・


  ・


  ・


 さて、エイミーが喜ぶ品物がたくさん届いたのは良かったんだけど、だからこそ困った事にもなった。


「(うーん、保管場所が……)」

 とりあえず僕とエイミーの部屋に分けて運び入れてもらったものの、きちんとした保管用の場所が欲しい。


 言っても王侯貴族の私物は少ないので、二人の部屋で問題なく全てを格納することができた。

 貴族の部屋は、モノをたくさん置くよりも質を重視して、調度品なんかもなるべく空間を広くとるような配され方がされてる。

 もちろん品格とかを高く保つため、なんだけど……


「(考えてみると僕も私物っていえば社交界の関係で服とかは多いけど、それ以外ってほとんどないなぁ)」

 兄上様たちみたいに政治的な定職に就いてるわけじゃないから時間に余裕はあるけど、それでも王弟として何かとやらなくちゃいけない事はある。


 忙しくしてる分、モノを入手して部屋に置くってことがほとんどないのが、今回は助かったわけだけど、さすがに王弟やその妃の部屋が荷物置き場状態なのはマズイ。



「……んー、これはすぐにでも考えないといけないなぁ」

「なにをー?」

「!? ……またですかヘカチェリーナ、驚かさないでください」

 振り返るといつの間にか入室してきていた僕の専属メイドがそこにいた。ニシシと意地悪そうな笑みを浮かべてるけど、正直ちょっと危ない。


「ヘカチェリーナも貴族の家の出なんですから分かってるでしょう? むやみに後ろをとるのは危険だって」

「うん、知ってる。でも殿下ならいきなり斬りつけるとかしないし、危険じゃないっしょー?」

 王侯貴族は貴人だ。他人との関係で一番重視されるのが身の安全の確保。


 なのでこの世界の貴族社会だと、むやみに相手の視界の通らない後ろ側へと回らないのが暗黙のルールになってる。

 もし気配を消して後ろに回り込むような真似をしたら、たとえ冗談だったとしても、剣で斬られるような事にもなりかねない。……実際、かなり昔にはそういうアクシデントもあったらしい。


「それで、何を考えないといけないんです、ごっ主人様~ぁ?」

 わざとらしいご主人様呼ばわりがちょっとだけ腹立つけど、このコには怒るだけ時間の無駄だ。

 僕は軽くため息をついて脱力した。



「エイミーの実家……両親の遺品などが多数届いたのですが、想定よりも数がありまして、保管場所について悩んでいたんです」

 素直に話す。半端に隠したりごまかしたりしても、ヘカチェリーナ相手だと面倒なやりとりの時間が長引くだけだし、何か良案があるなら正直聞かせて欲しいくらいだった。


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