『ざまぁ展開を動物や非生物で再現するという神発想は秀逸に感じましたが、その一方でタイトルと残酷描写については問題ありと言わざるを得ません』
※お食事前、お食事中の方には、一部注意が必要な描写がございますのでお気を付けください。
【良い点】
大変秀逸な発想に舌を巻きました。
おにぎりと柿の種の交換を持ちかけた猿による、詐欺師顔負けの交渉術は見事でしたね。私もきっとおにぎりを差し出してしまうだろうなと敵役ながら感心してしまいました。
蟹が種を植えながら「早く芽をだせ柿の種、出さなきゃ鋏でちょん切るぞ」と歌うシーンはなんだかほのぼのとして可愛らしかったです。映像化したらぜひ観てみたい場面ですね。
小蟹達が復讐のために、栗、臼、蜂、そしてまさかの牛糞(!)と共闘する異色で斬新かつ王道的展開には自然と胸が熱くなりました。
【気になる点】
読んでいて所々に、大人の私でも思わず目を塞ぎたくなるような場面があったので、【残酷な描写あり】と【R-15】タグをお願いします。童話ジャンルで投稿なさっているのですから、小さな子供が目にする可能性も考慮していただきたいです。
特に親蟹が猿に熟してない柿の実を投げつけられてしまう描写は、出来ればもう少しソフトに書いていただきたかったです。あの場面に至る頃には親蟹に対してすっかり愛着が湧いていたので、胸が締め付けられるようでした。物語を読んだ子供達が真似をして事故に繋がらないとも限りません。
必ずしも親蟹が死んだ設定にしなくても問題ないはずです。例えば直撃は免れたものの、驚きのあまり泡を吹いて倒れたなどで良かったのではないでしょうか。蟹だけに。すみません。
栗、臼、牛糞など非生物でありながら意思を持っている理由が転生なのだとしたら、【異世界転生】タグも必須なので忘れないようにして下さい。
感想欄に『栗はどう考えても焼け死ぬだろ』、『蜂溺死不可避』、『屋根の上にいる臼に気付かない無能ぶりは、猿の頭が良い設定と矛盾してない?』、『土間の牛糞の臭いだけは誤魔化せない気がする……』などの批判が散見されたので、むしろ四人とも転生者という設定にするのはどうでしょうか?
それぞれ『炎熱無効』、『水中呼吸』、『気配遮断』、『聖なる糞』など、転生特典による強力なスキルを持っていることにすると、大体の矛盾点は解決できるはずです。
牛糞が仲間として登場するのは個人的にツボでお腹がよじれるくらい笑ったのですが、前書きに「お食事前、お食事中の方への注意書き」があると良いかもしれません。割とお昼休みに閲覧している読者も多いそうですから。
ラストのざまぁ展開は、少しやりすぎではないでしょうか。猿が臼に潰され死んでしまっては、復讐とはいえ結局親蟹を傷つけた猿と同じ次元になってしまう気がします。懲らしめる程度で終わっておいた方が読後感も良いと思います。
私が一番気になったのは、題名の『猿蟹合戦』です。
合戦と言っておきながら、肝心の蟹が全く戦っていませんよね? タイトル詐欺は良くないと思います。親蟹はやられただけですし、小蟹は復讐を持ちかけただけで実行したのは全て栗、臼、蜂、牛糞ですから。それに猿も戦闘シーンは親蟹に渋柿を投げつけるところだけですよね。
猿が臼に潰されて死なない設定にするのであれば、重傷を負った猿が反省したと見せかけて、近くの山から仲間の大群を引き連れて仕返しにやってくるという展開などはいかがでしょうか。
栗、蜂、臼、牛糞達が満身創痍になりながらも自分達のために戦う姿を目の当たりにして、昂る激情によりスキルが覚醒した子蟹達。解放された能力で無双して一気に戦況を塗り替え、大勝利を収めるようなラストならばタイトル通りになります。
短く簡潔な題名もよいですが、今流行している長文ブームに乗っかってみることも検討してみませんか?
『鬼畜猿に親を傷つけられた俺達子蟹は、強力スキル持ちの転生者である栗、蜂、臼、牛糞達の力を借りて復讐を決意する! 顔を真っ赤にして許してくれと泣き叫んでももう遅い! 覚醒スキルを得た俺達のざまぁ無双は誰にも止められない!』
このようなタイトルもありだと思います。
これは余計なお世話かもしれませんが、現状この投稿サイトでは異世界恋愛以外のジャンルだと評価がなかなか伸びにくくなっています。勿論ランキングや評価が全てではありませんが、せっかく素敵な作品なので、一人のファンとしてはもっと沢山の方に読んでいただきたいのです。
ですから、子蟹のメスと援軍に呼ばれた猿のオスの間に芽生える禁断の愛などという要素を付け加えてジャンルを変えてみるのも手ではないでしょうか?
あるいは、生物と非生物の垣根を超えた『蜂×栗』のカップリングもいいですね。共闘している中で徐々に育まれていく二人の恋愛模様はぜひ読んでみたいです。
『栗×蜂』だけは解釈違い甚だしいので止めていただきたいです。
【一言】
気になる点も長々と書いてしまいましたが、何より発想が素晴らしい名作なので、より沢山の読者の目に留まってほしいという思い故のファンからの拙い激励の言葉だと受け取っていただければ幸いです。これからも作者様の素敵な作品を楽しみにしています!
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投稿者:たなか
『ざまぁを動物達で再現するという神発想は秀逸に感じましたが、いっぽうタイトルと残酷描写については問題があると言わざるを得ません』




