7章 大人になる。
[また来てくれたのかい?君たちは本当に飽きないよね。それとも、其方の世界にもう飽き飽きしてしまったのかな。まぁ、そんなことはさておき今回は非常に一瞬の出来事を読み取った世界と呼べるかどうかすら不安な場所だよ。ふふっ………]
これはむかしにおきた
ふしぎなふしぎなおはなしです。
かみさまはいいました。
「きみたちは、いつかおおきくなって、きみたちがいちばんきれいだとおもう<おほしさま>をひとつ、つかまえてもらう。それがきみたちのみらいになる。」
あるところにたくさんのこどもたちがいました。
こどもたちは、あしをのばし、てをのばして<おほしさま>をつかもうとします。
「とれたよ!!」
「つかめたよ!!」
「ぼくのほうがはやくとったもん!」
おそらにたくさんある<おほしさま>はひとつ、ふたつとつぎつぎにこどもたちがつかまえていきました。
「ぼくも、いつか、とどくのかな?」
たくさんのこどもたちのなかに、すごくちいさなおとこのこがいます。
おんなのこよりも、ちいさなおとこのこ。
ほかのこよりも、りんごさんこぶんくらいおおきさがちがうおとこのこ。
「あなたも、いつかおそらにとどくよ!!」
おとこのこは、となりをみるとおなじくらいのおおきさのおんなのこがいました。
「そうだと、うれしいな。きみもいつか、つかめるとよいね。」
おとこのこは、となりのおんなのこにえがおでこたえました。
「うん!!それで、よいことをかんがえたの。あなた、わたしをもちあげてくれないかな?」
「もちあげるの?」
おとこのこは、おんなのこからさくせんをききました。
「わたしたちは、ほかのこよりもせがちいさいから、<おほしさま>にてがとどかないけど、あなたがわたしをもちあげてくれれば、ふたりのおおきさで<おほしさま>がつかめるとおもうの。」
「そうなんだね。うん!!やってみようよ。」
そういって、おとこのこはおんなのこに、かたぐるまをしてあげました。
「とれそうかな?」
「うん、とれそうだよ。<おほしさま>はきれいだね。」
そう言って、おんなのこはおそらに手をのばし一つ、二つと<おほしさま>をつかみました。
<おほしさま>は、一人一つまでなのに……
その時、男の子はある言葉を思い出しました。
おかあさんは、知らない人は危ないからいうことをきいてはいけないよ。きっと、ひどいめに遭わされるから………
もしかしたら、この子は、きれいな<おほしさま>をぼくのぶんも、みんなのぶんも独り占めをしてしまうのではないか……
そう思った男の子は、女の子をかたぐるましていたのをやめて、地面に叩き落としました。
女の子が持っていた<おほしさま>は手から転がり落ちるとすぐにお空に上っていきました。
「うぅ……いたい、いたいよ!!せっかくあなたのぶんまでとってあげようとしたのに……」
「嘘だよ!!お母さんは知らない人の言うことは信じちゃいけないと言ったよ!!」
女の子が泣いていると、大人たちがきて、怪物たちが潜んでいる洞窟に連れて行かれました。
そして、神様が
「お前みたいな危険なヤツはお空に届かなくて十分だ!!」
と、男の子の成長を止めてしまいました。
これでは、もうお空の<おほしさま>にはとどきません。
後日、男の子はお母さんに怒られてしまいました。
お母さんから聞いた話では、女の子は足が壊れてしまっており、もう二度とお空にある<おほしさま>に届かない体になってしまったようです。
すっごく、男の子のことを恨んでいるとも聞きました。
男の子は
「言いつけを守っただけなのに、どうしてこんなことになってしまったんだろう……」
そう考え始めました。
進路が決まっていない受験生or就活生です。これはまずい。僕の考えはこんな感じ。ヤバい決まらない!!
こんななんとも言えない絵本の一つや二つ。あっても良いと思いませんか?




