第2章 とある場所の些細な出来事
前回の話で興味を持って下さった方の半数以上はこの話で消えていくと思います。それでは、どうぞ!!
[いやぁ、あの世界は凄かったよね。最後があんな展開になるなんて!!世界は神である僕でさえ予想のできない方向に進んでいくから見るのも面白いんだよね。じゃあ、次はこんな世界なんでどうかな?]
やはり……死んでいるのか……
そう。俺は今、目の前で友人が死んでいる光景を見ている。
ただ、俺は別に慌てていたり、パニックになったりはしていなかった。
きっと俺は仕事を通して死体を見ても傷つかない心のない人間になってしまったのかもしれない。
今の状況整理の為に少し前から振り返ってみようか。
俺の名前はサンドラ・アレク。
殺人事件をメインに担当する探偵だ。
現に、数多くの事件を解決してきた。
この職業柄は後悔も数多くあったが、被害者遺族のためにも誰かがやらないといけない仕事である。
「師匠、連絡がきましたよ。」
今、俺のことを呼んだのは我が弟子である、宝田 後継。
年齢17歳、黒い髪に大きな瞳、刈り上げヘアで緑色のパーカーがトレードマークの身長170cmくらいの青年である。
俺が日本にきて最初に解決した事件の被害者家族の次男であり、10年後にわざわざ俺のところに来て、お礼と弟子にしてください!と突然頼み込んできたのである。
最初は断っていたのだが、頼み込みも半月続き、彼自身も中卒で弟子になろうとしてきたということで行く場所もなく仕方なく弟子にしてやるのを許可した。
時間も経っているので、彼自身もそれなりに推理力は向上しているが、あまり、自信がないらしく確信につきそうなところはもし、外れた時用の保険としてあえてぼかしてあるように思える。
もう少し自信さえあれば彼もいずれ優秀な人材になるであろう。
「事件の連絡か?」
「いえ、明智 銭助さんから、野外温泉ホテルのお誘いです。」
明智 銭助。
その男は、俺の幼馴染みであり、古くからの友人。
現在の職業は裁判官をしている。
周りからはとても誠実な人物と言われているがそれは表向きの顔である。
本当は彼は、金の話になるとものすごく目が眩む。
彼は幼い頃から親の財布から金をくすねたり、わざわざ自販機の下で小銭を探したりしていた。それは中学までは同じ学校だったので少なくともその時期まではかかさずしていたのであろう。今は流石にしていないと思うが………
彼は、実際裁判官になったのも、安定して高収入が手に入るからというふざけた動機である。
誠実のかけらも感じない。
俺も一度、彼と裁判所であったことがあるが、その時は俺が担当した被害者で珍しく無罪と判決が出てしまった。
今でも、あの事は忘れない。
彼に唯一共感することがあるとすれば大の風呂好きというところくらいか。
彼は1日に3回風呂に入っているという。
流石に、そこまで俺は風呂には入らないが。
「師匠、どうしましょうか?なんと、明智さんの貸し切りですって!!しかし、仕事があるかもしれませんので断りしますか?」
口ではそのようなことを言っていても弟子の目は星のように輝いている。
最近は、あまり休暇もなかったし、たまには羽を伸ばさせるのも良いかもしれない。
「日時を聞いておけ。その日の業務は休みにする。」
「はい!!もしもし……」
弟子が嬉しそうで何よりだ。
しかし、この程度で浮かれるとはまだまだ幼さが残っているな。
「明後日の日曜日だそうです。」
えっ!?想像以上に早い、急いで予定表を確認し、予定が入っていないところを確認する。
「あぁ、その日は空けておこう。」
ものすごく内心では焦っていたことを隠し。落ち着いた口調で返す。
あれほど喜んでいた弟子の期待を裏切る事はそう簡単には出来ない。
「後、明智さんが僕たち以外にも人を呼んでいますので、彼らに迷惑をかけないようにとおっしゃっていましたよ。」
「了解したとでも伝えておいてくれ。」
「わかりました!!」
「後、数日か、準備をしておかないとな。」
そう言ってから私は買い物に向かった。
日曜日になり、俺と弟子は指定された11時に15分早い10時45分に現地に到着した。
そこには、明智や、俺、弟子を含めた6人の男女がそこにいた。
もし、この人数を一昨日に集めたのであれば、明智は誠実と言われているからには、それなりに人望もあるのだろう。
そんな事はさておいて、集まった男女のほとんどはしらないひとだったが、知っている顔ぶれがいた。
もちろん、そいつは敬礼をしながら話しかけてきたのだが。
「これは、サンドラさんと後継くんじゃないですか。お久しぶりですっ!」
こちらも、されたからには敬礼を返すのは警察の中では礼儀なのだろうか?
とりあえず敬礼をしておこう。
「あぁ、久しぶりですね。ダルクさん。」
弟子が後ろでお久しぶりですと言っているのが聞こえた。
彼女は旗揚 ダルク(はたあげ だるく)さん。
彼女とは、仕事の都合上、数回同じ事件を担当したことがある。
その時は、犯人が急に襲ってきたことがあり、その一件の後、スイッチで遠隔から作動するスタンガンを護身用にといただいたこともある。
なぜ遠隔なのかは、今の進んだ技術に聞かないとわからないと思う。
現に今も、保険としてバッグの中入っている。
彼女は、日本人とフランス人のハーフの方で、最近、最年少で女性警察署長になった人物としても有名である。
年齢は25歳で青い目と茶髪というのが特徴的である。
普段は、仕事でしか見かけなかった為、私服姿は初めて見るが、灰色のワンピースに緑色の手提げ鞄、青色のニット帽がよく似合っている。
「サンドラさんや後継くんも、明智さんにお誘いいただいたのですね。」
「はい!本日は、師匠がお休みということにさせていただいてますので。」
「まぁ、偶には息抜きも必要かと思いまして。」
弟子の言葉が多少あやふやだが、それは年齢を重ねるごとに上手になってほしいと思う。
弟子がダルクさんと話しているので周りでも見ておこうかと見渡していると、1人、筋肉が発達していて、高身長の俺の見知った男。
正確にはテレビで見たことがある人物がいた。
「おや、何かこちらを見ているようですが、何かございましたか?」
「いえ、すいません。あなたが森松 吾郎さんに似ていましたので。」
「ハッハッハッ!!それを街中ではよく言われますよ。己等は本物の森松 吾郎ですよ。」
森松 吾郎。
それは、一昨年、引退した日本代表の体操選手である。
過去にオリンピックでは優秀な成績で銀メダルまで取ったことはあるが、一昨年に、癌が発見されてそれを原因に引退した有名な選手なのだ。
ここまで人望が広いと明智が改めて底知れない奴だと認識できる。
「これは、森松さん、失礼しました。俺はサンドラ・アレクと申します。」
そういって、俺は名刺を差し出した。
「いえいえ、気にせずに。いつものことですので。」
そう言って森松さんも優しく名刺を渡してくれた。
その後、彼の活躍や、お仕事のことをお話ししていると時間は過ぎてくるもので。
「みなさん、そろそろ時間ですので、集合写真を取り次第、チェックインをいたします。そろそろ中に入りましょう。」
明智が一声をかけて、皆がぞろぞろと動き出した。
俺も移動しながら集合写真として、その場の全員で写真を撮り、チェックインを行った。
「こちらは部屋の鍵です。それと、当旅館は24時になりましたら、6時まで風呂とお部屋の鍵は施錠させていただきますので、それまでにはお上がりください。過去にその時間帯に殺人事件がありましたので……」
チェックインをする時に館長は一人一人にそんな言葉をかけている。
過去にここで殺人事件が起きていたので明智は貸し切ることができるだろうと思い
事前に鍵が閉まることはリサーチ済みだったので特に気にかけるようなことはないのだが。
この旅館は全部で3Fに分かれていて、1Fがエントランス、2Fが部屋、3Fに娯楽室と調理場があるらしく、屋上は露天風呂室内温泉である。
そんなことを考えて部屋に着くと突然、後ろから肩を叩かれた。
「よぉ、サンドラ。早速だが、ふろに行かねぇか?」
そんな、調子でよく聞いたことのある声をかけてきたのは明智だ。その後ろには弟子も一緒にいる。
「まだ早くないか?」
流石にまだ11時15分。まだ流石に早すぎると思うが、こいつが風呂好きなのを忘れていた。
「何言ってんだよ。今入って、また23時ぐらいに入りにいくんだよ。流石に、ここまできて一回入って終わりなんてもったいないだろ。」
「しょうがないな。」
いつも、こいつの言動には振り回されてばかりだ。
「しかも、屋上には塩化ナトリウムっていうもんが入ってる風呂があるんだってよ。そんな風呂に俺は入ったことねぇんだから速く行きてぇよ。」
こいつ、一応裁判官になるほどの学力はあるんだよな?
それがただの塩水だと知っているのか?
そこは事前に調べていた時に一番疑問に思った風呂だったので塩水風呂は頭に残っていた。
まぁ、いまは明智が楽しそうなので良いとしておくが。
「じゃあ、さっさと準備してこいよ。」
「では、師匠、失礼します。」
ペコリと一礼してから向かう弟子と走って屋上に向かう明智……一体どっちが大人なのかわからないと、内心思いつつ、とりあえず、持っているバッグの中から、着替え、ドライヤーなどをタオルに包んで持って屋上に向かった。
更衣室に暖簾がかかっていないから混浴ということなのだろうか?と思いつつ着替えを始めた。
更衣室には、もう弟子と明智の服が置いてあった。もう着替えて入っているのか。
そう思い、持ってきたものを置いて風呂に向かっていく。
屋内風呂には洗浄場や、屋内用の大浴場、水風呂、電気風呂など、さまざまな風呂があった。
軽く体を洗い屋外へと向かっていく。
屋外には左から弟子と明智、それと見知らぬ人が1人いた。
明智は毎回風呂の中央に入りたがる癖があるらしく、今回も中央で風呂に浸かっている。
彼らが浸かっている自称塩化ナトリウム風呂や、なぜかこの風呂には外にサウナ室がある。
サウナ室が外にあること以外それといって特徴はないが、外を見ると沢山のビルが並んであるだけの味気ない風景だった。
「よぉ、サンドラもきたか。早く入れよ。」
「お、あの人が後継くんのいってた師匠さんかい?」
「はい!!師匠さんは、周りからは愛想がないと言われていますが、結構優しいところもあるんですよ。」
裏でそんなことを言われているのかとショックを受けつつ俺も風呂に浸かることにした。
「えぇ、探偵の仕事をさせてもらっています。サンドラ・アレクというものです。」
相手が手を差し出してきたので、名刺がないことを踏まえ仕方なく握手でもしておこう。
「小生は、迷 無枠と言います。」
なんだ、この男、俺より確実に立場が同等以上なのか?という疑問を抑えつつ、カッコ良いから使っているだけだろうと心の中で思っておこう。
「ところで、俺の話をしていたみたいだが、何の話をしていたんだ?」
「後継くんに、師匠さんの活躍を聞いていたのでして……」
それから、しばらくの時間が経って弟子が、
「そろそろお昼ご飯の時間では?」と呟いたことがきっかけで風呂は一旦上がりとなった。
俺は、着替えて着替え、ドライヤーを持って昼食を個室で食べに向かった。
しかし、随分と長く話していたようだ。
お昼を食べ終わったのは15時ごろになってしまった。
この後の空き時間はどうしようかと悩んでいたところ、外からコンコンッとノックがした。
「卓球をやりませんか?」
こちらがドアを開ける前から部屋にいるのがわかっているかのように声をかけてきた。
ドアを開けたらそこには、ラケットを片手に先程より、かなりラフな格好で多少汗が出ていた。
「後継くんが私達が卓球をやっているのを見て子犬みたいにこちらを見てきたんです。」
「つまり、俺は数合わせのダブルスでもやれと言うのか?」
「えぇ、そんなところです。どうでしょうか?」
生憎、俺は運動はあまり得意ではない。しかし、ここでやらなかったら彼らは3人で卓球という面倒なことになってしまわないかと思い。
「すまないが、俺は無理だ。そのかわり、別の人を向わせよう。」
「そうですか。ありがとうございます。」
そう言って出ていった後に俺はすぐに明智に連絡を取った。
しかし、明智は電話には出なかった。
どうしたものかと思っていたら、今日もらった名刺を思い出した。
来てくれるかどうかわからないが、一応かけてみることにしよう。
「もしもし、こちらは、サンドラというものですが。」
「おや。急に連絡とは、サンドラさん。どうかしましたか?」
そう言って連絡に出てくれたのは、森松さんだ。近くではぁ、はぁと息がある以上誰かと一緒にいたのだろう。
「いえ、すいませんがお願いがあるのですが、今、どこにいらっしゃいますでしょうか?」
「今ですか?今は、ランニングを近くで行っていますが?」
「今から、卓球って出来ますかね?」
ほとんど無茶振りなことというのはわかっているが、明智が無理な以上頼れそうな人はほとんどいない。
「えぇ、わかりました。今から向かいますね。娯楽室でよろしいでしょうか?」
「えぇ、大丈夫です。ありがとうございます」
そう言って連絡を切ると一安心できた。
場所は聞いていなかったが娯楽室で大丈夫だろう。
時間を潰さないといけないし、娯楽室で卓球でも見に行くか。と思い。部屋を後にした。
その後の時間はあっという間に過ぎていった。プレイヤーは皆、集中しており、見ていただけだった俺も時間を忘れて熱中してしまい。時刻は21時になろうとしていた。
「汗をかきましたし、風呂にでも向かいましょうか?どうです?後継少年。」
「えぇ、僕も向わせてもらいましょうか。」
「なら、私も行こうかな?」
「いや、ダルクさんまずいですよ。混浴ですので。」
「別にタオル巻けば良いし、気にしない!!」
「そう……ですか?師匠はどうします?」
俺には、まだ部屋には食事でしか入ってないし、布団や、持ち物の準備などさまざまなことをしていない。
「すまないが、俺は夕食を食べるのでパスさせてもらう。」
「そうですか……」
若干悲しんでる弟子も可愛いと思ったが多少可哀想と思い。
「23時ぐらいから多少娯楽室で遊ぶか。」
と、弟子に言いつつ部屋に戻り、食事を取る。22時に食事が終わったところで、俺はあることを思い出し浴場へと向かった。
弟子と途中すれ違ったが「タオルとかを更衣室に忘れた」といい、更衣室に向かった。
更衣室で着替え、そこで、迷さんと、森松さんと着替えているのに会って軽く挨拶をしてから忘れていったタオルなどを持ったが、ここまで来て浴場に入らないのはどうかと思ったので俺は浴場に向かっていった。
そこで、俺は周囲を見て誰もいなく、貸し切りか。と多少喜んだところで、塩化ナトリウム風呂に向かい、そこで、汗を軽く流した、明智はなんで、中央にいつも入るのかと疑問に思い、俺もそこに浸かっていると理由がなんとなく分かった気がする。
この湯船を独占しているといった気分にでもなるのだろう。
風呂には、タオルと一緒に漬かり、軽く洗浄場で塩を落としてからタオルを持ってサウナに向かった。
このサウナはかなりの安っぽさで、サウナというより、部屋の中央にストーブが置いてあり、それで温度を上げてサウナがわりにしていると、昼に入った時に驚いた。
そこで、スイッチを入れて、しばらくサウナに滞在した後、軽く水風呂で汗を流して風呂を後にした。
更衣室で着替えを行い、時間がないので、素早く着替え、タオルを片手に持って速走りで娯楽室に戻っていった。
娯楽室で弟子と遊んでいると、風呂に予告通り入ろうとした明智をみて、早くいってこいよ。と言って別れた。
すると、時間はそろそろ23時半になる。
そこで、施錠されると困るということで弟子と俺は急いで部屋に戻っていった。
部屋に戻ってから、改めて部屋を確認したが、小さなテレビや、布団があるくらいの殺風景な部屋だ。
しばらく、テレビで深夜ニュースを見つつスイッチを切ったら、間も無く24時を過ぎようとしていた。
そろそろ寝る時間か?と思い、部屋の電気を消し、就寝に入ろうとしていた。
しかし、何か音がしてうまく眠れなかったらしく、すぐに起きてしまった。
テレビを見ると1時頃だった。
そう思い、明日の出発時刻を聞くのを忘れた
と思い、明智に電話をかけたが出る気配がない。
まぁ、そんなことは明日の朝に聞けば良いか。と思いテレビの電源を切り、改めて寝ることにした。
翌朝、6時半に俺は、エントランスに召集をかけられた。
召集をかけたのは管理人さんで、そこには、明智を除いた5人の招待されたものと、スタッフが二人集められていた。
「すいません、朝早くに集まってもらい。実は、今朝6時から明智さんに料金に対してのお話があるので、会いに行くということだったのですが、エントランスに訪れなく、部屋に向かってもノックをしたりしても返事もなかったのです。しかし、彼も7時に出ていくということでしたので、お金を頂かないといけなく、しばらく経ってからお部屋の鍵を開けたのですが、そこに明智さんがいなかったのです。」
そんなすぐに出ることを俺に知らせてなかったのか?と若干苛つきつつ、何故か嫌な予感がし、弟子の顔を見て目があった。
弟子も考えていることは同じらしい。
「管理人さんは、もう屋上の鍵は開けましたか?」
「いえ、まだ、ここに鍵はありますが?」
昨夜、明智と会ったのは風呂に行く前だ。
もしかしたらということがあるかもしれない。
「すいませんが、鍵をお借りしてもよろしいでしょうか?もしかしたらということがありますので。」
「いや、昨夜はちゃんと人がいないことを確認しましたが?」
「師匠は探偵です。もしかしたら何か分かったのかもしれません。もし、よろしければ鍵をお貸しください。」
弟子が軽くフォローしてくれている。アイコンタクトでありがとうと言っておこう。
「何故だか分かりませんが、わかりました。こちらが風呂場の鍵です。」
そこで青色の鍵をもらい、俺は急いで屋上に向かった。
もしかしたら、ということもあるかもしれない。
何より、そんな予感がしている。
俺は誰より速く、全力で屋上に向かった。
風呂場を開けて、周りを見たが、ひとまず、誰も見当たらないことに安心した。
その後、さまざまな風呂を回ろうとしていると、塩化ナトリウム風呂に、明智の体が力なく浮かんでいた……
軽く、体を触ってみるが、普通の人間ほどではないが、だいぶ温かく、ふやけていて柔らかい。
しかし、明智に息はなかった。
やはり……死んでいるのか……
俺は今、目の前で友人が死んでいる光景を見ている。
ただ、俺は別に慌てていたり、パニックになったりはしていなかった。
きっと俺は仕事を通して死体を見ても傷つかない心のない人間になってしまったのかもしれない。
ふと、考え事をしていると、すぐに、弟子や他の人が来てその光景を目の当たりにした。
中には、すぐに立ち去ろうとするもの、吐き気を催すものもいた。
「すぐに、警察に連絡しますね。」
そう言ってダルクさんはすぐに部屋に戻ろうとしたが、それは得策には思えなかった。
「いえ、ここは、かなり市街から離れています。その間にここから犯人に逃げられては追いつけません。すぐに呼んで犯人が暴挙に出られても敵いません。ここは、探偵である、俺に任せてください。」
「えっ!?あ、わかりました!!」
ダルクさんは、俺の今までの、事件からそこそこ信頼してくれているのか、すぐに納得したようだった。
「それと、皆さんはこのホテルから出ないでください。皆さんの誰かが犯人という可能性が高いです。一旦、エントランスに向かいましょう。
皆がざわついている中、俺はそっと弟子と、連絡が終わったダルクさんに事件の調査の協力を頼んだ。
弟子には、俺についてくるように、ダルクさんには皆のアリバイを聞いてもらうようにしてもらった。
「今回の直接的な原因は水死でしょうか?」
「あぁ、その可能性が高いな。」
明智の体を、見ても。これといった損傷はない。
「師匠、ここに何かありますよ?」
すると、片手に弟子はスタンガンを取り出した。
「ここにあるってことは明智さんが持ってきたのでしょうか?犯人がわざわざ証拠を残してくれるとも思いませんし。」
「まぁ、スタンガンも一応メモしておけ。」そんな指示を出して捜査したが、死亡場所には、他にこれといったものはなかった。
「推定死亡時刻は、わからないな。風呂の温度で体温が大分変わっている。」
そう、風呂の温度と同じということは死んでから体温が下がったか分からなく、外傷もないので、推定死亡時刻の断定は難しいのだ。
その後、サウナを見たが、ストーブが切れていて、サウナと思えなかったぐらいの印象しかなかった。
風呂場を見てもこれといっためぼしいものもなかった。
次に、別の部屋、娯楽室を見てみると風がよく通っていて、気持ちいいと感じる程の暖かい風が吹いている。
しかし、娯楽室にも。あまり、ヒントになりうるものはなさそうだ。
他にも周ったがこれといって手掛かりになりそうなものはない。
最後に明智の部屋に向かった。
部屋はおそらく管理人さんが開けてそのままなのだろう。
そこには、まだ、電気がついていてテレビも付けていた。
しかも、家から持ってきたのだろう。ポットとコップに入れた冷めたお茶があった。
このようなことのメモは弟子に任せてある。
このような、些細なことも、手掛かりになるかもしれないと、さりげなく記憶させるためのさりげない優しさである。
「師匠、これといった手掛かりも最後ですし、そろそろエントランスに向かいますか?」
「あぁ、そうするか。」
そうやって、俺と弟子はエントランスに向かった。
今回のような俺の知り合いが亡くなった事件は初めてなので、普段と違いえらく緊張している。
弟子の休日を使ってしまい悪いということを考えながら、エントランスへと向かった。
エントランスには今回の関係者が揃っていた。誰も話すことのできない空気の中、最初に声を発するしかないのは俺だった。
「早速だか、俺はもう、おおよその犯人は分かっている。」
おぉ!!と期待の声を上げたり、疑り深い目を向けてくるものがいたりと様々な人の顔に感情が分かりやすく思っている中で、彼らの顔は一変する。
「しかし、このまま犯人を言っても味気はない、ここは弟子に推理してもらう。」
周りからは批判の声が聞こえるが、後ろから弟子が
「ぼ、僕で大丈夫でしょうか?」
と不安げに聞いてくる。
「危なくなったら、俺がフォローしてやるから安心しろ」と声をかけておく。
ここからは、僕、宝田 後継が、考えなければ……
今思えば師匠から、こんなことを言われた機会はなかった。僕を試しているのだろうか?
そんなことを思いつつこの怒りや疑いに満ちた空気の中僕は語り出した。
「では、皆さん。状況を整理しますので、静粛にしてください。今回は明智さんが、亡くなってしまいました。僕も大変悲しく思っています。しかし、彼のためにも僕たちはこの殺人犯を見つけなくてはなりません。」
そんな中、一人の特徴のない男性。迷さんが、こんなことを言ってきた。
「風呂に沈んでいたんだろ。それは、勝手に溺れての水死。自殺という線はないのか?」
僕は確かに、彼に傷がなかったことを思い、それについて言おうとしたら、
「弟子、明智の部屋のことを覚えているか?」
僕は、突出的に口に出そうとしたことを抑えて、改めて考え直す。
「迷さん。事故死という可能性は捨て切れませんが、自殺という線は限りなく捨て切れると思います。」
「何故だ?言ってみろ。」
迷さんは、事件のことでなぜか苛々しているのか口調が荒くなってきている。
これを分かりやすく説明しようと、僕は口に出す。
「明智さんの部屋には、電気がついていて、テレビもついていました。それに、冷めていましたが、お茶もちゃんとコップに注いでありました。この光景は、師匠や、部屋に入った管理人さんなら分かりますよね。」
僕はチラッと管理人さんを見て軽く頭を下げた。
「えぇ、わたしもお茶までは見ていませんが、テレビや、電気がついていたのを見ました。だから、私は部屋にいるのだろうと思い鍵を開けたのです。」
やはり、あれは管理人さんが付けたものではなく、もともとついていたものだった。
電気だけなら管理人さんが付けたと思ったのだが、お茶やテレビがつけてあったのは明らかにおかしいだろう。
「そんなこと、理由にはならないだろう!!」
「いえ、彼はその後部屋に戻ってお茶を飲み、テレビを見ようとしていたに違いありません」
そう、断定できたのは、師匠が前に明智さんはお金を無駄遣いはしなく、コップ一杯すら、出し惜しみすると事前に聞いていたからである。
「その理由について、説明しろ」と迷さんは一々言ってくるが、それについては、話が進まないと、ダルクさんが止めてくれた。
「次に、皆さんが、最後に明智さんを見たのはいつだったかを教えていただきたいのですが。」
その言葉に皆は各々の目撃時刻を言ったが、一番遅いのは、私と師匠が娯楽室の前で風呂に向かう明智さんに会った23時頃だった。
「それでは、皆さんにその時間のアリバイについて聞きたいのですが。」
そういうと、皆が話してくれた内容をまとめると、
まず、スタッフの二人は、22時ごろ〜24時までは、清掃をしていたと言う。
次に、私と師匠は22時45分〜23時半頃まで娯楽室で卓球をしていた。その後は、私が師匠を部屋まで見送っていた(師匠は気付いていなかったが)その時に不審な動作も見えませんでしたし、その後の時間で殺害が行えるとは思えません。
この四名はお互いにアリバイがあるので、候補から外せるだろう。
これで、一瞬浮かび上がった最悪な考えを机上の空論として、消すことができる。
他の人は、管理人さんは、エントランスにいて、ダルクさん、森松さん、迷さんは個室にいたのだと言う。
犯人はこの四人の中に本当にいるのだろうか?と思ってきている、優しげな思いを持った自分を押し殺さないといけない。
「では、個人で活動をしていた四人が怪しいということでひとまず、よろしいでしょうか?」
と聞き、ひとまずは皆が頷いてくれた。
では、ここから事件の可能性について話してみますね。
「後継少年。一つ、お聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」
「はい。どうぞ」
いつになく、改まった口調で聞く森松さん。
何か、糸口でも知っているのかと思い、一旦意見を聞いてみよう。
「23時ごろにお二人が明智さんと会ったとききましたが、私たち三人はその時は皆、個室にいたのですよね?でしたら、必然的に鍵を閉めにいった管理人さんが怪しいということにはならないのでしょうか?」
その意見に対して、正確に納得させるには何と言えば良いのだろう?そんなことを考え、てから言葉を発した。
「皆さん、個室にいたと言っていますが、誰もお互いに個室にいたと証明できる人はいませんよね。ですので。断定するのはまだ、できません。」
横で、何故か師匠が小さくガッツポーズをしているのが見えて、若干引きたくなったが、これでも、尊敬している師匠だ。
そうですか……と森松さんは食い下がっていった。
「じゃあ、殺人はサンドラさんと後継くんが明智さんとあった23時以降〜24時以内に。正確には、管理人さん以外が犯人ならば、管理人さんに見つからないように23時45分には終わらして風呂から出ないといけませんよね。」
「そうですね。」
ダルクさんは、最もとした意見を述べたが、実際にその言葉で考えると、あの短時間で損傷を一切付けずに殺したと考えるにはかなり計画性のある殺人だろう。
この事から、事前に明智さんと知り合って何かしらのトラブルがあったと思われる。
他の三人の明智さんとの関係性は知らないが、管理人さんが犯人という可能性はかなり低くなったでしょう。
しかも、いざ明智さんを襲おうとしても、明智さんも抵抗をするだろうし多少は傷がついていてもおかしくはないだろう。
それを考えると、皆さんの体に抵抗された時に付けられたであろう傷跡は見えないし、明智さんにも傷がないのも不自然だ。
「皆さん、最初に死体を見たときに、明智さんの体に傷を見た人はいましたか?」
そう問いかけたが、周りからは予想通り傷について語れるものはいなかった。
少しの間が空いた後、迷さんが突然、こんなことを言い出した。
「ふと、気づいたんだが、娯楽室の窓が空いていたよな。娯楽室の上って浴場だよな。浴場の壁を登って無理やり壁をつたっていけば窓から娯楽室につけるんじゃねぇか?」
「それは、物理的に俺たち人間には、不可能じゃないのか?」
「いや、普通の人間には、確かに無理だ。だが、普通じゃなくて、それが可能な人間がここには一人いるよな。」
そういって、迷さんは森松さんの方に視線を向けた。
森松さん。体操選手である彼の活躍は僕もテレビで見たことがある。
確かに彼ならばそのような荒技でさえやってのけるかもしれない。
森松さんを見てみると、少し焦っているようだ。
「でも、森松さんは、癌が原因で現役を引退しました。なので彼にそのようなことができるのでしょうか?」
そう言葉にしたのはスタッフの一人、名を岡部さんと言う。
しかし、ちゃんと、彼女は知らない事実はある。
「でも、森松さんは、卓球をしていましたし、娯楽室に来た時にも、汗だくで何やら運動をしていたようですよ。」
そう。ダルクさんの言う通り、彼は癌が治療が終わっているのか、全力ではなかったように見えても、ちゃんとスポーツをすることはできていた。
何やら、この発言が決定打になるような気がした。
しかし、隣から師匠がこんなことを言い出したのだ。
「じゃあ、仮に犯人が森松さんだとしても、彼は何故、一切傷をつけずに殺害することができるのだ?」
これも、一種の試練だろうか?と思い証拠として持っていたあるものを取り出す。
「それは、相手を気絶させる武器をつかったからです。こちらが、明智さんが亡くなった風呂の中に入っていたスタンガンです。」
そう言って拾ったスタンガンを取り出すと急にダルクさんが大声を上げた。
「待ってください!!後継くん。そのスタンガンを見せてはもらえませんか?」
「えぇ、構いませんが。」
ダルクさんは警察官という信頼もありますし、今貸して弄られたところでスタンガンがあったという証拠は動かないので、ダルクさんにスタンガンを渡した。
すると、驚きの言葉が返ってきたのだ。
「これは……私が……サンドラさんに差し上げたスタンガンです……」
その言葉に僕は息をのんだ。
いや、でも師匠はその時間はどうしても風呂には向かえないアリバイはある。
「師匠には、その時間に風呂にはいけないアリバイがあります。きっと、ここにいる誰かが持ち出したのでは?」
「その可能性もありますが、これはスイッチで遠隔でも操作できるスタンガンです。それは、サンドラさんもご存知ですよね?」
「はい。知っています。」
遠隔操作……それなら確かに部屋からでも操作することは可能だ。
「サンドラさん、このスイッチはどこにあるのですか?」
「部屋に…あります。」
「では、サンドラさんはこの場所から動かず、岡部さんと迷さん、森松さんがサンドラさんを見張っていてください。他の人はサンドラさんの部屋へ向かいますよ。」
その後、師匠の部屋から、スイッチが見つかった。
まずい、このままでは、最悪の結末になってしまう。急いで案を探さなくては、しかし、戻る最中には、到底案は思いつかず、その時は来てしまった。
何を口に出したら良いか迷っている。どれも師匠を失望させてしまうかもしれない。
すると、隣から師匠が、
「世の中には、目を背けたくなるようなことや、踏み込んではいけないような真実もたくさんある。しかし、それを明かさなくてはいけないのも、探偵という仕事だ。自分の意見に胸を張って言ってこい。」
そう、師匠が小声で囁いてきた。
その言葉を踏まえて、僕も腹を括って今回の事件の全貌を話すしかない。
「では、今回の謎は全て解けましたので、僕が今回の事件の犯人をお伝えします。」
周りからは、期待や不安。たくさんの目が向けられていた。師匠からも期待されているような感じがした。
「その前に、何故犯人が断定できるのか、事件を振り返ってみましょう。」
僕はそう言い、物静かな空気の中全貌を語り出した。
「まず、犯人は明智さんに誘われた時に殺害をしようと決心しました。しかし、犯人はここまで入念な準備をしていましたので事前にネットやクチコミなどで、このホテルのことを調べていたのでしょう。」
「次に、明智さんに連れられて湯船につかりに来ました。すでにその時に、おそらく凶器であるスタンガンを持っていたのでしょう。では、何故そのようなことが言えるのか?というと、凶器を持ち運ぶ時間が、おそらくはその時間しかなかったのでしょう。」
周りが何故かと首を傾げている中、次のことを語らなければいけない。
「次に、犯人は更衣室に戻り、事前に準備を始めました。おそらく、誰もいないことを願い、22時頃に向かったのでしょう。しかし、不幸なことに、そこで迷さんと森松さんのお二人に会ってしまいました。素早くすませる準備だったと思いますが、流石に着替えずに浴場に向かい、すぐに戻ってくるのは疑われると判断したのでしょう。仕方なく、犯人は風呂に入ることにしました。
ここで、犯人は一つ目のミスをしました。」
ミスというところを強調して、から続きを語り出す。
「その後、犯人はタオルと、包み隠していた凶器を持って、塩化ナトリウム風呂に向かいました。そう。明智さんの殺害現場です。
そこで、スタンガンを落とすと、疑われないように、しばらく浴場に滞在してから風呂場を去ったのでしょう。その時、すでにスタンガンの電源は入っていて準備が終わっていたのです。」
隣からは、師匠が一つ一つの言葉に慎重に頷いている。
「その後、犯人は風呂場から出るとすぐに娯楽室に向かいました。これはおそらく、その時間帯のアリバイを作ることが目的でしょう。その後、まんまと塩化ナトリウム風呂に入りにいった明智さんはそこで感電し、気絶したところで呼吸ができず、溺死したのでしょう。」
ここにきて、急に言葉を言うのが苦しくなる。
しかし、ここで言わなければ師匠のようになることはできないだろう。
「その後、犯人は部屋でスタンガンのスイッチを切り、就寝に入り、翌朝に集められた。」
「つまり、弟子は、俺が犯人だと思っているのか。」
僕が一番言いにくいことを師匠が言い切り、それに対して時間がかかったものの目をそらして頷いた。
「しかし、弟子よ。その推理には穴があるぞ。なぜ、スタンガンのような人に当てて感電させなければいけないようなものを遠隔で当てることが出来るのだ?」
皆の、視線が師匠から僕に集まってくる。物凄い圧力だ。
だが、ここで食い下がっては師匠の弟子を語ることはできないだろう。
「皆さんは、塩化ナトリウム水溶液の性質をご存知でしょうか?塩化ナトリウム水溶液はその性質によって、ものすごく電気を通しやすいです。スタンガンから発した電気が風呂中に流れていたら、入った瞬間に痺れてしまいます。おそらく、そこで明智さんはパニックになったか、気絶してしまったのでしょう。その結果があの溺死です……」
言ってしまった……ここまできては、僕の思い違いですと言うことはできない。
師匠の否定を待っていると、隣から拍手が聞こえてきたのだ。
拍手は普段はとても感激させられるものなのだが、今回の拍手は、まるで地獄への入り口のように思えた。
「見事だ。弟子よ。そう。俺が明智を殺した犯人だ!!ダルクさん、警察署まで連れていってくれ。そして、弟子よ…………よく成長したな。」
そう言い、師匠は僕の頭を撫でてから今までに見せたことのない笑顔で笑うとダルクさんの後についていき、車の扉が閉まると同時に師匠の姿は見えなくなってしまった。
「師匠!!なんで……なんで……そんなことをしたんですか……」
それは、決して師匠には届かない虚しくも儚い無力な一般人の叫びであった。
その後、ダルクさんから聞いた話は、師匠の動機は、明智さんが裁判官の殺人事件の裁判で、彼は、師匠が加害者として裁判上に出された女性を決定的な濡れ衣を着せられたという証拠を掲示したのにもかかわらず、被害者側遺族に金をつぎ込まれて有罪にされた。
そのことを何度も報告したのだが、一方的に否定をされた。その後、その女性は獄中にて死亡したという。
その、人の命を金で見殺しにした明智のことを許せなかったのだと言う。
しかし、師匠は10年の懲役を受け、牢獄に2年いるうちに不治の病によって死んでしまったらしい。
後から知ったことだが、師匠はすでに5年前から師匠自身の寿命が短いことを知っていたらしく、おそらく、自分に推理を任せたのも、僕がこれから、探偵としてやっていけるかと見定めるためで、犯人として、僕から別れたのも、犯罪者になることで、少しでも僕の悲しみを軽減させるためだったのかもしれない。
「サンドラ師匠。この写真はなんですか?」
「だから、サンドラ師匠と呼ぶな。僕の名前は、宝田 後継。もとい、サンドラ アレクII世だ。」
「だって、言いにくいんですもん。」
そんな弟子の文句をよそに、今までの自分を振り返ってみる。
過去に、師匠に助けられてから、辛い別れもあったが、師匠の跡を継いで、ちゃんと師匠の職場もちゃんと、あの頃から変化していない。
周りからは犯罪者の名前を使うのはどうかと言われているが、僕はちっとも気にしていない。むしろ気にかける方がおかしいとも思える。
今でも、この場所にはいつでも、突然ふらっと師匠が戻ってきても良いように、部屋の片隅には師匠が使っていた机や椅子などは置いてある。
サンドラ アレクII世はふと、窓から青藍の澄み切った空を見上げた。
今回の舞台は皆さん大好き大嫌いである日本の何処か1980~2010年のどっかで起きた出来事です。
今回は推理ものという事で偏差値40の私が頑張って挑戦してみたのですが、本当にこんなことが出来るんですかね?一応ネットとかで調べてから書いてみたんですけど……
ということで、今回の話でこのシリーズの方向性が見えてきたと思いますので、まだ興味を持ってくれるのでしたら、次回いつ投稿か分かりませんがよろしくお願いします。