マテリアル1
今回はストーリーを進めるのではなく、ちょっとしたこの世界についての紹介パートにしたいと思います。
逐次こういった形で補足説明のようなパートを書いていきたいと思っています。
火、水、風、地。魔法にはこれら四つの属性があり、これらを基礎にそれぞれが細かく派生している。大気中に存在する魔素、エーテルを体内に取り入れ、これを用いることで魔法を使える。以下は魔法の派生図である(左から右の順に難易度が高い)。
【火属性】―(基礎・)発光・強化・熱・煙・爆発・融解 etc.
【水属性】―(基礎・)氷・幻惑 etc.
【風属性】―(基礎・)探知・治癒 etc.
【地属性】―(基礎・)傀儡・磁力
「etc.」とは、まだ今後の研究によって発展の見込みがある、ということを意味している。見ての通り「etc.」のついていない地属性は、デルムンドの学者によってこれ以上発展の見込みがないとされている。
上記の魔法以外にも、「固有魔法」というものがある。属性の区分は可能であるが、習得できるか否かは本人の資質次第、というものだ。おおよその魔法使いが固有魔法の習得を目指して魔導の研究を続けているが、このステージに至るものはこの“エデンヴェルト”でも数えられる程度である。それこそ、つい数年前に風属性から「雷魔法」が編み出されたが、前回の固有魔法が確認されてから百年近く間があった。固有魔法にはこれほどの距離があるということだ。
基本的に一人の魔法使いは一つの属性しか持たない。しかしごく稀に複数の属性を持つ魔法使いもいる。
アストライアは【火・風】の二重属性である。それゆえ、カインに風属性の魔法と、火属性の強化魔法を教えられた。空間魔法については、カインが教えてくれと頼んでも、教えることはなかった。アストライア曰く、空間魔法はどの属性にも区分されないという。現在これしか情報はない。
対してカインは【火・水・風・地】のすべての属性を持つ四大属性という稀有な存在。現在はアストライアからの指南により風属性魔法全般と火属性の強化魔法、他にも幻惑魔法や地属性の基本魔法を使用可能。加えて………属性も持っており、その存在は一度しか確認されておらず、本人にも………属性に関する自覚などはない。