結婚披露パーティー2
官僚や王都の神官達の挨拶に混ざって、アッズーラとチェッリーナの姉妹がやってくる。
「お二人は代官地のマース神殿に残られるのですよね?」
「何をおっしゃいますか。サラ様について行きますよ」
「えー」
「帝国で姉妹ともに助けられたときから決めていることです。神国への帰省もさせて頂いて、お礼は返しきれていません」
「ちなみに、新しい領都にもマース神殿があることは伺っておりますので」
「わかりました。代官地、神国、いずれへでも行きたい、帰りたいときには遠慮なく言ってくださいね」
さらにくだけて師匠エミリーや王都での隣人カーラがやってくる。
「サラのお母さんローラにもこの姿を見せてあげたかったわね」
「ハリー君、サラを幸せにしなかったらローラのかわりに私たちが許さないからね」
サラが母代わりになってくれていた師匠エミリーへの感謝も含めて言葉に詰まり涙がこぼれそうなところへ割り込んでくる者がいる。
「あれー、美人達が揃っているね。花嫁が晴れ舞台で泣いてはダメだよ」
「あなた、また性懲りも無くまた割り込んできて!」
「サラ様、この方はお知り合いなのですか?」
「ローデット、前から話をしている龍牙兵などの、あの魔法に詳しい怪しい人物。うちのパーティーにも現れて美人とばかり話をするのよ」
「サラ様、この方は第3王子のロドルセル・マルスタン・コルマノン様ですよ」
「おや、宰相たちも居なくなったし、わかる人が居ないと思って出てきたのに。さすがはドラセム侯爵家。そうだよ、もし親父の冗談?期待通りに行ったら、今日のサラの隣に座っていたかもしれない第3王子だよ」
ハリーがハンサムを難しい表情をしながら、サラ達と共に頭を下げる。
「嫌だなー、そんな他人行儀が嫌だからいつものように振る舞ってよ。特にカーラはお店でも特別扱いしないでね。今まで通りの常連扱いでね」
「・・・」
「しょうがないな、正体もバレたみたいだしお邪魔者は去るね。サラ、ハリーくんお幸せにね。これからも魔法談義、よろしくね」




