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残念な魔女見習い ~火傷痕コンプレックスからの魔法成り上がり~  作者: かず@神戸トア
女執行人サラ

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転移先確認

転移魔法のことであるので、サラはティアーヌ達だけでなく、師匠エミリーと隣人カーラも呼び、さらに天使マルカルロも交えて、宰相に言われたことを相談する。


今までは転移先の絶対座標について、精霊などの確認目標を設定し、その座標を天使マルカルロに魔術語で教えて貰って居た。

「確かに、宰相のおっしゃるように≪飛翔≫前提であるならば、家屋のある部屋というような精度でなくても、良いのではないかと思うよね」

「モンブールの海賊騒ぎの際に、船上は戦闘中と思われるので、精霊に教えられた座標よりそのまま上空に≪転移≫したこともありましたよね」


「では、理屈上で可能ではないかということですね。となると軍事秘密の地図の管理についても並行して議論が必要かと思います」

ローデットが注意喚起をしてくれる。今までならばサラだけが地図と座標一覧を所有していれば良かったが、ティアーヌたちも≪転移≫できるようになったので、管理能力を問われる可能性がある。

「預かった地図はサラ様だけが見て確認し、あとは天使マルカルロ様に座標のみ覚えて頂くのはいかがでしょうか」

「でもマルカルロ様を召喚できるのはサラ様だけですが」

「転移魔法を覚えた者がマルカルロ様の召喚をさせて貰えるようにならないでしょうか?」

「うむ、それだけ高位の魔法使いならば良いだろう」

ティアーヌ、ミーナ、アルベール、リリアナの4人が天使マルカルロと≪契約≫し≪召喚≫できるようにして貰う。


平原中心の領主の地図をもとに安全のためかなり上空へ≪転移≫すると、だいたいはそれっぽいところに向かうことができたことを確認する。それからは預かった地図それぞれで領都付近に≪転移≫できることを確認し、その旨を宰相に報告する。

「では、各領主とその家臣たちをそれぞれの領都に≪転移≫で帰宅させてくれ」

忙しいはずの領主たちを集めた帰路を≪転移≫で時間短縮させることで、閲兵式で見た軍勢を王家がいつでも領地に送り込むことができることすら暗に実感させる目的もあることを認識する。


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