ミスリル短剣発注
≪鉄人≫の研究がある程度は満足できるところまで出来たので、気になっていたハリーへのミスリル武器の話を考える。このようなときには物知りのローデットやティアーヌが頼りになる。
「いつも頑張ってくれているハリーへ、欲しがっているミスリル武器をあげたいのだけど」
「確かに奴隷でもないのにいつもご一緒であり、従士長としても活躍されていますので、他者も妬まないと思います。ただ・・・」
「そうですよね。ミスリル武器は伝説級の物であり、材料だけでも大変なので」
「それに、メイン武器としては大きさを変えられる≪炎≫の魔剣がございますので」
「じゃあやっぱりミスリル短剣ぐらいが現実的なのかな」
「それぐらいであれば、王城や貴族のパーティーなど大きな武器の持ち込みが出来ない場合でも身につけられますし良いのではないかと」
「それと万が一のために≪帰還≫リターンの魔道具にすることもおすすめします」
サラはハリーに見つからないようにドワーフ村に転移して、ミスリル短剣を発注する。以前にアルテーラ王国第3王子ダニエーレが発注したときに、材料よりも魔力不足であるということであったので、自身が魔力提供も行う前提である。
「ほう、サラ様がハリー様へミスリル短剣を。精一杯頑張らせて頂きます」
ドワーフ村長たちが何やらニヤついている感じがするのは気になるが、材料費や委託費としてミスリル貨をしっかり提供する。≪帰還≫の魔法陣を刻むことも注意として伝えつつ、以前に見せて貰った奉納されている短剣のように、拵えもしっかりしたものをと頼むと、頑張るが1ヶ月ほど期間が欲しいとのこと。
サラはハリーに見つからないように、ときどき魔力提供にドワーフ村に来ることになった。
そして1ヶ月が経ち、鍛冶や装飾としては完成した短剣を受け取った後、≪帰還≫リターンの付与になる。
隣家カーラの紹介された錬金術師と、知識・魔法の女神ミネルバの眷属天使マルカルロに教わりながら、サラ自身が魔法陣と魔石を刻んで完成となる。




