ガーライト王国援軍要請2
教皇は今までのアルメルス神国の対応や態度について謝罪を行い、南西からの魔物の侵攻について説明した上で、ガーライト王国との休戦と、対魔物への援軍の支援の依頼を簡潔に話す。
国王アルミーノの性格を推測し、その方が望まれると考えてである。
「にわかには信じられないな」
「今までの神国の行動に対してはそうでしょうな。私はコルマノン王国の宰相ジョエリー・ヤンクシオです。私たちも、このサラ・ドラセム伯爵が居ないと信じられないところでした」
「ほぉ、銀龍か」
「さすがご存知でしたか。はい、そのサラ・ドラセム伯爵です。私たちがここにいることが証明でもある≪転移≫魔法で、ユノワ大陸の3国の軍隊を派兵し終わっております」
「なんだと」
「ぜひともガーライト王国からも派兵いただき、人類連合軍が魔物を辺境に押し返すことをコルマノン王国は望んでおります」
今までの戦争への賠償や派兵に対する報酬の協議については、いずれの国々も先送りにして、罪のない神国の国民を守ることを優先していることも宰相は告げる。
少し考えた上でアルミーノは返事をする。
「わかった。休戦と派兵については、条件がある」
「賠償と報酬についてはまた別途で・・・」
「わかっている。その話とは別で、サラ・ドラセム伯爵、そなたの力を見せて貰おう」
「え!?」
教皇や宰相を連れてきたら、知り合いが居るわけでもないこの国では用無しと思っていたサラは突然の指名に驚く。
「銀龍とも呼ばれているそなたの噂は、このガーライト王国にも聞こえてきている。さらに、今回は他国の将兵を大量に転移しているという。わしがもう少し若ければ直接戦うのであるが、ちょうど良いのが居るようでな」
あまり良くないことなのであろうと思わされる、ニヤリとした笑顔でサラの顔を見るアルミーノ。




