神国交渉2
アルメルス神国の南西の城壁が魔物に破られ、辺境都市ロージアンのまわりを魔物が取り囲んでいることの報告を、サラから聞いたコルマノン王国宰相。
「ドラセム伯爵、よくぞ知らせてくれた。それで教えて欲しいのだが、ロージアンは自力でその魔物たちを撃退できそうなのか?」
「あの冒険者たちだけでは、撃退どころかいつまで持ちこたえられるか。魔物たちは、単なる氾濫と違い、軍隊のように統率されている感じでした。さらにはダークエルフの魔法部隊も存在するようでした」
「なんと!」
少し考え込んだ宰相は、しばし待つようにと言い残し、どこかへ行ってしまった。
「おそらく、国王陛下や騎士団長、魔術師団長たちに相談に行かれたのかと。すぐに呼ばれると思いますよ」
ローデットがサラに教えてくれた通り、少しすれば別室に呼ばれる。その場にいたのは、宰相以外にまさに国王、王国騎士団長、王国魔術師団長など王国の指導者たちであった。
入室した途端、跪いて指示を待つサラとローデット。
「ドラセム伯爵、そのような時間は無い。すぐに立ち上がり、テーブルに着いてかの国の現状を話すのだ」
国王の言葉に従い、辺境都市ロージアンの状況、それより南西の山間の城壁を越えた、さらに南西で見た魔物の軍隊のことなど、そして広大な大地に村か集落などが点在していたことなどを報告する。
「由々しき事態であるな。実質的に、人型魔物の国ということか。なぜ神国はそれを黙っていたのか」
「魔物を押し出して建国した自分たちの立ち位置が揺らぐのを懸念したのでしょう。張りぼてで見栄をはる国ですので」
「それで対策が遅れていてはいつか破綻するであろうに」
「そのため、冒険者たちを≪魅了≫で支配してまで防衛していたのでしょう。もしや、ユノワ大陸の我々コルマノン王国やレーベルク帝国に侵出しようとしたのは逃げ出し先を確保しようとしたのかも・・・」
「素直に支援を他国に要請できない見栄、プライドか。それで国民、信者の危険を放置するとは許せん」




