ストーンゴーレム
開拓地で、≪石壁≫などで石材を用意してストーンゴーレムを作る魔法≪石人≫を発動すると、やはりウッドゴーレムと違って迫力がある。
「これって石像も動くのかな?」
というハリーの言葉を受け、魔の森に入って見つけた魔狼に対して、悪魔ストラデルに≪石化≫魔法を発動して貰う。その狼の石像に、必要な魔石を用意すると狼型のストーンゴーレムが発動し、指示に従って動き出した。
「おおすごいぞ!これってトロールとか大きいのはどうなるのかな?空飛ぶロック鳥やワイバーンは?」
「さすがに石の重みで飛べないと思うけど、試してみようか」
サラとハリーを含む冒険者パーティーで久しぶりに、王都ワーズダンジョンに向かう。
まず22階のロック鳥を≪氷結≫でしとめてから≪石化≫で作成した石像に≪石人≫を行うと、動き出しはしたが飛べはしなかった。
続いて31階のトロールを5体満足の形状でしとめてから≪石化≫で作成した石像を使用すると、こちらは無事に動き出した。ただ使用する魔力は今までより多量であった。
「なぁこれって、開拓地の門に立たせたら威圧になるし、万が一のときには強力なストーンゴーレムになるんじゃないか?」
「普段の邪魔にならないかな?」
「その前提に作っておけばいいんじゃない?それよりワイバーンや、いっそドラゴンとかが門にいるとカッコイイよなぁ」
「もっと邪魔になるし、飛べないから。それに比べたら立たせると平面上の面積は少ないトロールの方が現実的かな?」
大人なティアーヌは少し呆れていたが、ハリーだけでなくミーナたちも悪乗りする。
結局、開拓地にたくさんある門のうち、敷地の外に面する門の外側の両脇にそれぞれ立てることになった。今、開拓地は9区画あり、外向きの門は12、その外側の両脇ということで24体のトロールを5体満足で確保する。
今まで優先順位を下げていた王級悪魔魔法の≪石化≫の習得について、有効活用?の目的ができたため、悪魔ストラデルの指導に基づきサラが習得する。
それぞれのトロール自身から取り出した魔石に≪石人≫の魔法陣を刻んで胸に戻してふさいだ後に≪石化≫で石像にしておき、ストーンゴーレムにする。そして直立姿勢を取らせた後に魔法を解除し、それを魔法の袋を使って、24か所に丁寧において行く。
代官地護衛隊や騎士隊からは賛否両論であったが、護衛隊長のアルバジルが笑っていたので良しとする。




