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残念な魔女見習い ~火傷痕コンプレックスからの魔法成り上がり~  作者: かず@神戸トア
魔女見習いサラ

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旅立ち準備

もうすぐサラが10歳になりハリーに追いつく時が近づく。

またしばらく3人は草原や洞窟で狩りを続けながら本業や副業の訓練をしていたが、以前にハリーが遠出したときから考えていた旅立ちを実行に移すことを考えている。

そのきっかけがサラの10歳の誕生日である。


そのために情報収集や事前準備を各々行ってきた。


まずは当然、両親や師匠の説得である。

ハリーたちの両親は、宿屋は兄が継ぐ予定であり彼らがいずれ出ていくことを踏まえると、少し若すぎる気もするが了承する。肉の入手など働き手が不足する懸念がありつつ。

エミリーも、ハリーたち兄妹のおかげでサラの性格が改善されたこと、急成長のきっかけを貰えていることと年齢を天秤にかけ、前者を優先して了承する。

ただ保護者3人は相談し、まずは3ヶ月の期限付とすることで、上手く行かなかったときに本人たちが思いつめないようにしてあげた。もし上手く行った場合には自動延長の旨までは伝えていない。


続いて荷物の整理である。

今までは実家などであり、好き勝手に多くの物を所有して保管していた。今後は宿屋や野営になることや日帰りでないことから、持ち歩く荷物の整頓や優先順位付けが必要となる。これは野営経験のあるハリーから残り二人に共有された。

また、冒険者ギルドには街ごとに貸倉庫の仕組みがあり、遠出で野営している間も宿賃を払い続けなくて良いためのものである。ただし生死確認も兼ねているギルド登録が抹消された際にはその貸倉庫も処分されることになる。


そして知り合いへの挨拶である。

サラは人付き合いも少ないが、冒険者ギルドの受付、魔術師委員会、納品先の雑貨屋、そして洞窟の水精霊シルビーなどである。

シルビーからは、祠に来なくても毎晩祈れ、早く召喚まで出来るように成長しろ、と言われつつ、いつでも力を貸すからたくさん精霊魔法を使えと応援された。


そしていよいよ旅立ちの日が近づくのであった。


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