水魔法
久しぶりにハリーが参加し色々と持ち帰られるようになった3人は、その成果を前のように、肉と毛皮はハリーとリリー、魔石、角兎の角、猪の牙は等分で端数はサラで分配した。
ハリーは持ち帰った肉での簡単な料理を両親に教えて貰うようお願いした。
翌日は洞窟に向かうことにした。リリー以上にハリーは水魔法の属性変換に苦労すると想定され、水蛇の触媒を確保するために、である。ハリーが居ない間は蝙蝠の数が面倒で洞窟には行っていなかったので、水属性の触媒の手持ちが増えていなかったのである。
洞窟には念のため松明も持参したが、今回はハリーの盾の表面に光魔法≪灯り≫を灯すことにした。空中に浮かべて移動に合わせて連れ歩くまでの熟練が出来ていないことと、挑発で呼びつけた敵が眩しさで動きが鈍ることも期待して、である。
これによりサラの左手が空くため、両手に短剣を持つことで殲滅力を少しでも上げて効率化したい。
無事に最奥の泉までたどり着いた3人は昼食休憩をし、それからハリーの水魔法訓練を開始する。エミリーにお願いして発動体の杖をもう1本借りてきている。
リリーと同様に、武技が使えるようになり体内の魔力を剣に込めることまではできるのと、サラの実演によるイメージがあることから、水属性への変換に注力する。
リリーも横で≪水生成≫の訓練を開始するが、
「なんかいつもと感じが違う」
というのでサラもやってみると、どうも水属性への魔力変換が効率良すぎの感じがする。
ハリーに水属性の触媒を使いながらの魔力変換を試させると、なぜかリリーと同じ3回目の挑戦で感覚をつかむことができ、それから先は触媒が無くても生成できるようになった。
「やったぜ!リリー、ほら見てみろ!俺にもできたぞ」
とはしゃぐ。とは言うものの、リリーが小指の半分ほど、ハリーはさらにその半分ほどの水量しか生成できていない。
「当たり前でしょ」
どこからともなく声が聞こえてきた。




