再登城
王城からの指示通りにハリーとローデットを連れて登城するサラ。
待合で待っていると、ヴァーヴ伯爵も来る。
「先日ぶりであるな。久しぶりの王都で少しはゆっくりできたかな」
「はい、ありがとうございます。お陰様で仲間たちとゆっくりできました」
等の会話をしている間に、そろって謁見室に呼ばれる。
サラはヴァーヴ伯爵の後ろについて移動する。謁見の間でも、伯爵の少し後ろで跪く。
「マクシアン・ド・ヴァーヴ伯爵、サラ・ドラセム子爵、昨年に引き続き、レーベルク帝国からの侵略に対する防衛及びその他関連事項について、著しい貢献を認める。よって、ヴァーヴ伯爵は侯爵、ドラセム子爵は伯爵とする。この度は大儀であった。これからも励むように」
「ありがたき幸せ」
「ありがたき幸せに存じます」
と2人への陞爵の沙汰であった。
「さて、ヴァーヴ侯爵は領地をそのままであるが、ドラセム伯爵は成人もしたことであるし、宮廷魔術師にでもなると良いのだが?のう、王国魔術師団長ブロワール・レデリクス」
「は、ドラセム伯爵の活躍を拝聴するに、宮廷魔術師全体の引き上げが期待されます」
「そうであるよな。ただ、伯爵は冒険者としてまだまだ外で学びたいことが多いらしい。将来の道としては考えておくようにな」
「はは、かしこまりました」
「それとは別に、領地も望まぬらしいな。ワイバーンの従魔を育てるだけの土地が欲しいだけと。そこで、王家直轄地と言いつつ開発が進んでいない魔の森の端を自由にする許可を与えよう。王都から北東の王領内の魔の森には自由に囲いを作って自分の土地としてよい。ただし魔物の襲撃は自分で対処するようにな」
「はは、ありがたき幸せに存じます」




