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残念な魔女見習い ~火傷痕コンプレックスからの魔法成り上がり~  作者: かず@神戸トア
女子爵サラ

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トリストフ負傷

≪飛翔≫で、急いでロワイヤンの街付近の国境に戻って来たサラとティアーヌ。

橋の上には帝国の重騎兵の死体が残ったままではあるが、西岸の王国軍の砦もあちこちがかなり傷んでいるのが見え、慌てて司令官たちが居るであろう建物の前に降り立つ。


「サラ・ドラセム、ただいま帰還いたしました。龍の棲む山での帝国兵を殲滅し、王国へ地龍ドレイクや飛竜ワイバーンをけしかけていたものを阻止いたしました」

と形ばかりの報告をした後、何があったのかを司令官であるロワイヤンの代官の息子を問い詰める。

「3日ほど前に、帝国軍が上流でいかだを使って渡河し、奇襲して来たのです。ドラセム殿の独立部隊の魔法攻撃により、結果的には耐えしのげたのですが、部隊の方が重傷を負われてしまいまして。不在の間に申し訳ありません」


一応は切りの良いところまで聞いたサラは負傷兵のところへ駆け付ける。サラの仲間たちが≪回復≫魔法までは使えるのと、特級魔法回復薬もある程度は預けていたため、回復薬を使い切った後の大怪我の者以外は前線復帰しており、残るのは重傷者となっている。

ベッドで寝ていたのはトリストフであった。横に居たカロルが、小声で

「最年少のエルネットをかばって魔法を受けてしまいました。もちろん≪回復≫まではしたのですが、どうも≪呪詛≫もあったようで」

というと、サラは慌てて、天使マルカルロも召喚して回復させると共に、自身でも≪解呪≫≪回復≫などを手当たり次第にかけまくる。

トリストフが目を覚ますと

「どうしてシルビーの伝言では嘘をついたの?」

と問い詰めると、トリストフとカロルは

「申し訳ありません。サラ様も危険な業務をされている中で、ミスをした自分たちのために気をそらされないようにと思いまして」

「そんな・・・仲間が大事に決まっているでしょう!」

と泣きながら叱りつける。


涙を見られないように、他の負傷者の回復を天使マルカルロと手分けするように席を立ち移動していくサラであるが、残ったトリストフとカロルも静かに泣いていた。

また、自分のせいであると思いつめて寝られていなかったエルネットも、トリストフの回復を知り、張りつめていた気が抜けて倒れこみ、仲間たちにベッドに運ばれて静かに眠るのであった。


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