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密書

サラの内心など分からないまま、説明を続けるロワイヤンの街の代官グーモンス。


「そちらにありますように、帝国第1皇子アウレアス・ジーモント・レーベルクからヴァーヴ伯爵宛の密書になります」

と説明を始める。


皇帝が崩御寸前であり、穏健派の第1皇子アウレアス・ジーモント・レーベルクと武闘派の第2皇子ホルストフ・サーヴィト・レーベルクが揉めている。

昨年王国に侵略をしたのは申し訳ない。それは第2皇子と悪魔教団が結託して進めたことで、本来はもっと大軍で攻め入る話になりかけたが、皇帝の体調不良と第1皇子派の工作で小規模になったという経緯とのこと。


当然第1皇子の自分が皇帝になるつもりであるが、武を尊ぶ帝国において第2皇子の人気も高い。また昨年の敗戦による財政及び景気悪化の不満を、再度王国に攻め入るべきと声高に第2皇子が集めている状況。第2皇子派は帝国でも西部、王国側に集中しており、いつ破裂するか分からない。

もちろん東部中心である第1皇子の方、帝都を含めた地区に攻め入る可能性もある。


いずれにせよ、一触即発の状態であり、警戒を怠らないでいただきたい。自分が皇帝になれば王国とは平和路線で進めて行きたい。



「崩御の報が王都に届くより先に、ロワイヤンの街などのヴァーヴ伯爵領へ再度侵攻があるやもしれません。軍備だけは行いたいと思いますので、そのお許しを頂きたくお願い申し上げます」

と代官グーモンスは説明を終える。


国王は宰相と目配せをし

「もちろん、軍備は怠らないようにしっかりとな。そこにドラセム子爵がおるのは、再度連れて行きたいということか」

「はい、お許しを頂けるのであれば」

「あい分かった。サラ・ドラセム子爵よ、こたびも期待するぞ」

「かしこまりました」

と仕方なく返事をするサラであった。


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