販売商品
将来、毛皮職人で商人になりたかったリリーと独立を考えていたカーヤは、店舗兼住宅になって張り切っている。店舗側の掃除を率先して行い、皆に何か売れるものが無いかを相談する。
「私は魔法回復薬。高級まで調合できるし」
「うん、それは利益も取れそうだし良いよね。私は毛皮処理がもう少しで中級だから、中級に成ったら毛皮商品かな」
「私は細工が初級未満で、鍛冶は中級手前。もうちょっと頑張って鍛冶で武具屋かな」
「俺の料理はもう少しで中級だけど、何が販売できるかな?鍛冶もまだ初級になっていないし」
「ハリーは保存食とかお弁当にすると良いのかな。でも雑貨屋ほどは種類もないから微妙な品ぞろえになりそうね」
「でも、冒険を続けると店頭に居て売り子をする時間も無いしどうするの?」
「安定した供給、仕入れも必要になるよね」
「うーん、直ぐに店舗を開店する必要もないし、少しずつ考えて準備して行こうか」
引っ越しの挨拶を兼ねて、同じ商店街をまわってみる。その際には、店舗はこれから考えるがしばらくは住むだけと説明しておく。
幸い先ほど話し合った商材を扱っている店舗は商店街には無かったが、住民向けや冒険者向けなど統一性は無い商店街とわかった。
敵情視察、市場価格調査として、王都のあちこちの店舗を見てまわった。仕入れとして薬草、薬瓶の販売店と価格も見ておく。同じ商店街では競合する店舗は無いが、少し離れるとこれらの商品を扱う店舗は当然のようにたくさんあった。
他の店舗との差別化をしないと難しいと考えさせられた。
リリーとカーヤは将来の夢も踏まえて、冒険者ギルドだけでなく商業者ギルドにもこれからは顔を出して、基礎講習などを受講することにする。




