小商隊
いよいよ王都へ出発の朝に。
もう保護者が見送りに来ると、冒険者として舐められるということから、見送りは家を出るまでであった。その店舗兼住宅を出るときにサラは、師匠エミリーから王都で魔道具店をしているという友人への手紙を用意してくれる。名前はカーラであり、母ローラと師匠エミリーの魔術学校の同級生とのことである。
向かう王都はゲレの街のずっと先になり、そこからは王都まで続く魔の森の外側を進んでいくことになる。
先輩冒険者でもあるエミリーからは、
「主要街道なので盗賊はまず出ないが、魔の森からの魔物が間引きしきれずに漏れてくることがあるので注意すること」
とアドバイスをくれていた。助言を意識して、冒険者ギルドでの護衛依頼を確認しても、伯爵領都から王都への商隊護衛はそれなりにあるが、魔物察知や遠隔攻撃手段があることを望まれていたのは、そういう意図なのであろう。また、最近は魔物出現が増えているという噂も教えてくれた。
もちろん銀級4人のパーティーなので、依頼は簡単に受領できたのだが、出発の朝に商隊に顔合わせした際には若い4人に対する心配の顔をされてしまった。
「実力を見てご判断ください」
とリーダーのハリーがそつなく答えている。商人の目からも、4人の装備はそれなりであり、銀級の証明も本物であり、Cランク魔物のロック鳥を従魔にしているので、それ以上は何も言われなかった。
価値がある荷を運んでいるのか、荷馬車は2台のみで商人が乗る馬車が1台の小規模であり、他の冒険者パーティーは居ない旅になる。
しばらく進む中で、ハリーの人当たりの良さで商人と御者とも自然と会話が進み、いつものように御者の手伝いをしたり馬の世話をしたりとしていた。良い機会だからとサラたち3人も馬のお世話を手伝ったり、さらには御者の手綱を預かってみたりしたが、数をこなしているハリーほどは上手くいかず、サラはすべての分野で習熟が速いわけでないことをみて、こっそり安心するハリーであった。




