進路確認
帰省して落ち着いたので、再度ハリーの実家に集まり、保護者も含めて進路の意思確認をすることになった。
まずハリーが12歳の誕生日を過ぎたので、魔術学校に入るかを決めないといけない。魔法が少しでも使えるのが1,000人に1人と言われるなか、少しでも使えるならば国がお金を出すので魔術学校に入ることを推奨されている。
ハリーは入学の意思が無かったが、両親と最終確定する時期になった。
「サラのお陰で≪水生成≫は出来るようになったが、これ以上伸ばすほど魔法の才能は無さそうだし、冒険をして成長したい」
と意思が変わっていない宣言をする。サラの師匠エミリーは経験者の意味も含めて
「学校には、魔法だけでなく同じ年の友人が幅広くできる利点もある。例えば商人になりたい場合やどこかに仕官したい場合には、貴族や商人も含めて知人友人ができるのは有利だからな。また、魔術学校と違い自費にはなるが騎士学校もある」
と補足はする。ハリーの両親は
「宿屋はこの子たちの兄に継がせる予定なので、好きなことを見つけるためにも幅広い経験をさせてあげたい。冒険者もこの年で銀級ならば向いているのかもしれない」
ハリーは
「魔術学校も騎士学校も行きたいと思えない」
と意思は変わらない。
対して、他の3人は
「お母さんも師匠も行った魔術学校に行きたい」
「サラと一緒に魔術学校に行きたい」
「もう学校にいく年ではないし、あちこちを見てみたい」
という感じである。
サラとリリーが魔術学校に行くにはあと1年あるが、行っている間の2年間についてハリーとカーヤの予定はまだない。
「じゃあ、学校のある王都、見たことが無いなら一度行ってみたら?王都にもダンジョンがあるし」
というエミリーのアドバイスに子供4人は頷いて、王都への夢を膨らませる。