ゴルガ急報2
アルテーラ国王、第1王子の順に発言する横で、渋い顔をした男が1人。彼が第2王子のジラルド・ジゴーニ・アルテーラなのであろう。
「父上、兄上、海軍の失態であることは認めます。ですので、速やかなる救援を!」
「ジラルド、誰も失態とは言っておらぬ。魔物の襲撃など災害でしかない。ドラセム侯爵、本土から離れた拠点であり、我々では援軍を送るのも簡単ではない。お力をお貸し頂けないか」
「はい、ある程度の場所がわかれば、一度その場所に行った後、皆様を運搬させて頂くことができます」
「う・・・」
「ジラルド、もう軍事機密と言っているときではない。海図をご覧いただけ」
「はい・・・」
王都ゴルガとバスキの街の真ん中あたりを真っ直ぐ南に、ガンドリオから東に、の交差する辺りに島があるらしい。その軍事拠点の島の名前はマウロ。
「今すぐにでも向かったほうがよろしいでしょうか?」
「すまない、頼む」
「わかりました。では援軍のご準備も。どこか、王城の訓練場など広い場所で1箇所に集まって頂けるとありがたいです。まず急ぎであるならば将兵を、その後に物資も追って運びますのでご準備を」
いつものように地図をもとにサラだけが目的地の上空付近に転移して、正確な座標の場所まで≪飛翔≫する中で、マウロ島の悲惨な状況が目に入ってくる。
巨大蛸の吸盤がある足に、島の建物、船が絡められている。何匹の蛸、クラーケンがいるのかも分からない。
取り急ぎ天使、悪魔や精霊を手当たり次第召喚して、蛸だけを狙うように指示をしてゴルガの王城に戻る。




