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薬草採取


街から離れた森にある湖畔の草むらで、子熊のような塊が動いている。良く見ると四足歩行ではなく二本足である。足元まで覆う毛皮地のローブをまとった子供である。

ここは知る人ぞ知る薬草の自生地。

採取ナイフで茎や根本を傷つけないように大きな葉のみを選んで採取し、背負袋に束ねて納めている。


彼女の名前はサラ。

ローブのフード部分からのぞき見える顔は、まだ10歳に満たなく幼いながらに、美少女と言えるほどつくりは整っているが、左半分は銀髪で隠れている。

先程までは、うっそうとした岩場の湧き水近くで、別の薬草を採取していた。こちらは根が必要であり、根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、また群生地を取りつくさないために適度な間隔を空けながら採取していた。


彼女は魔女見習い。

この世界で魔法を使えるのは1,000人に1人と限られており、様々な薬の錬金術的な調合も師匠の魔女が行っており、見習いの彼女は師匠に教わった通りに薬草採取をしているのである。一人で採取を行えるための、薬草の生息地、他の草との見分け方、どの部位に効能があるのか、継続して採取できるための丁寧な採取方法などである。

魔法を使える者は、魔術師、魔導師など様々な呼び名があるが、総称して魔法使い、さらに女性の場合は魔女と呼ばれている。攻撃魔法などを使用する戦闘が得意な魔法使い、薬の調合や魔道具の作成が得意な魔法使い、怪我や病気を回復させるのが得意な魔法使い、研究を行う学者魔法使い、はたまた生活が少し便利になる程度の魔法しか使えない魔法使い等、それらを含めても1,000人に1人しか魔法を使えないのである。


今日は師匠の指示による薬草採取のついでに、指示以上の数を確保しての小遣い稼ぎをたくらんでいた。多めに確保できた際には、師匠に渡してご褒美を貰う以外に、ギルドや商店に販売する等の選択肢がある。

師匠指示の倍ほどを確保できた上に、指示外の珍しい華も採取できており、また日も傾いてきたため、そろそろ街に戻ろうかと考えたそのとき、遠くで何かが動いた気がした。


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