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Gott mit uns ~神は我らと共に~  作者: うだつ
敗戦
9/21

諸国の参戦

帝国協定

ドイツ帝国、フランドルワロン、ポーランド、リトアニア、バルト連合公国、ウクライナ、ベラルーシ

非加盟国

スイス、両シチリア王国(降伏)、教皇領(降伏)


第三インターナショナル

イギリス連合、フランスコミューン、イタリア社会主義共和国、イベリア連合

ドイツは苦しんでいた。両翼で強く押され新型兵器の戦車と戦術爆撃機に大苦戦していた。歩兵中心の時代遅れの軍は近代化した赤軍に裏をかかれてしまった。正面での押し込みもフランスの固い要塞に阻まれなかなか突破できなかった。さらに、無類の強さを誇るドイツ帝国が世界に誇る大洋艦隊でさえもイギリス連合のワーカーズネイビーに劣勢となり始めた。赤軍の強力な航空支援だけでなく、ドイツが守らねばならない海の広さも重荷となった。ワーカーズネイビーはほとんどが北海にいるのに対し、大洋艦隊は大西洋、インド洋、太平洋に分散しており、植民地の護衛のためにも帰還させることはできなかった。


ところが、このような状況を跳ね返す出来事が発生する。


7月1日のカナダ自治州とフランス共和国政府、サルディーニャ王国によって構成される協商国と旧二重帝国とイタリア共和国によって構成されるドナウアドリア連邦の参戦である。


本土への帰還を目指す協商国にとって参戦しない手はなかった。彼らは大した軍量ではなかったが、第三インターナショナルにとって西と南に敵が現れたことは衝撃的だった。


そして、ドナウアドリア連邦にとってドイツは先の大戦の友邦であり、経済的にかなりドイツに頼っていたため参戦せざるをえなかった。イタリア共和国にとってはイタリア社会主義共和国はイデオロギー対立もあり、リソルジメントの面でも敵となる建国以来の仮想敵国であったため、参戦要請を快諾した。


オーストリア軍が戦線に到着すると瞬く間に戦況は好転した。破竹の勢いでフランドルワロン内を進撃するフランス軍を食い止めるとスイス側でも活躍しアルプス山脈の険しい地形を生かして粘り強く守った。


最も活躍したのはイタリア戦線であった。イタリア共和国軍中心のドナウアドリア連邦軍はポー川渡河に成功するとボローニャ、ミラノを立て続けに陥落させ、社会主義共和国分断を目指してラスペツィア攻略へ乗り出した。


しかし、バルカンとロシア帝国も黙っていなかった。

旧領回収を目論むルーマニアとロシア帝国は背後から一突きを試みた。第四次バルカン戦争に勝利したルーマニア鉄衛団はトランシルヴァニアの回収を試み、ロシアは最後の旧領であるドイツ東方植民地の回収のために、7月15日ドイツ・オーストリアに宣戦布告した。


第四次バルカン戦争に敗北したブルガリアはルーマニアへの報復を考えた。

ルーマニアのドイツ・オーストリアへの宣戦を受けてブルガリアはルーマニアに報復する好機であると判断し、翌々日参戦した。

これを受けてベオグラード条約機構は再び結集した。ブルガリアの野望を打ち砕くためにセルビアとギリシャは7月20日ドイツ・オーストリア・ブルガリアに宣戦布告した。

オスマン帝国は両者から参戦要請を受けていた。旧友であり、経済的にも頼っているドイツと手を組み宿敵ロシアを打倒するか、ベオグラード条約機構に加盟しブルガリアを回復するか。悩みに悩んだが、瀕死の病人にとって参戦しないという可能性はあり得なかった。世界大戦に参戦しなかったアメリカの状態を見たからである。また、パクス・オトマニカを再び実現するにはこの戦争は千載一遇の好機でもあった。悩みに悩んだ末、ベオグラード条約機構参戦の二週間後にドイツ・オーストリア・ブルガリア側で参戦した。ブルガリアから戦後に大ブルガリア以外の領土を併合してよいという合意がなされたからである。

この戦争は第十三次露土戦争となり、第五次バルカン戦争となった。


諸国の参戦により戦いは世界中に波及した。そして、「世界大戦が再び起こった」という考え方が広まり始めた。World War IIの始まりである。



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