アメリカ内戦
合衆国政府は苦心していた。
新興国アメリカは世界の頂点を目指して急激な成長を遂げていたはずだった。
しかし、モンロー主義を貫き通して第一次世界大戦に参戦しなかったことにより国際的立場を失った。
欧州が軍需により好景気に沸いていた中アメリカは孤独に暮らしていた。
気がつけばアメリカは墜ち、戦間期のイデオロギー対立に飲まれていった。
1936年8月頃、アメリカの中でも労働者階級の人々が多く暮らす五大湖周辺の工業地帯で革命が発生しサンディカリズム・アメリカを名乗って内戦状態に突入した。一方、南部アメリカでは合衆国政府を信用しない過激派が再び独立を宣言し、アメリカ連合国が復活した。しかし、合衆国政府はこれを認めなかったためこちらも戦争状態となり合衆国政府は極右勢力と極左勢力に南北で挟まれる形となった。
この混乱に乗じてカナダ自治州がニューイングランド地方を占領した。そして、ハワイ王国が復活した。
この混乱に乗じて勢力を伸ばそうとしたのが大日本帝国である。
ロッキー山脈以西はアメリカの中でもかなり文化的に異なるものであったため、日本政府はここに目をつけ権威民主主義アメリカ西岸国を誕生させた。さらに、グアムを占領した。合衆国政府は完全に挟まれ崩壊の一途を辿った。
10月にワシントンDCがサンディカリストの手により陥落させられ合衆国政府は中部のカンザスシティに臨時首都を建てた。
しかし、サンディカリストと連合国はイデオロギーが正反対であるため真っ向から対立し直ちに戦争状態に突入した。合衆国政府はこの戦争によりわずかながらに延命されることとなる。
12月にカンザスシティが連合国の手によって陥落すると合衆国政府首脳陣の多くが捕まり処刑された。これにより事実上合衆国政府は崩壊したが、アメリカ内戦は終わらなかった。サンディカリストと連合国の激しい戦争に突入し戦いはさらに泥沼化していった。
サンディカリズム・アメリカは英仏から、連合国はドイツから支援を受けアメリカ内戦は代理戦争の様子を見せ始めていた。