告白の続き
「…………うん、そうしよう。………君を私の彼氏にしよ~と思うんだけどいいかな~?」
謎の許可を求められ返す言葉が無くなってしまった今日この頃皆様はどうお過ごしでしょうか。
僕の頭の中は絶賛オーバーヒートしております。
「あ、忘れてた。私は霧雨那由高校3年生高校は……制服でわかると思うけど君と同じだね、よろしく~。」
霧雨那由さん、茶髪のふわっとしたロングヘアと性格をそのまんま反映させたようなおっとりとした見た目、身長は160くらいかな………僕が170だからそのくらいだと思う。
「君は?」
「あ、はい、僕は竃門創馬です。高校2年です。」
「へぇ~、そうま君って言うんだ……うんうん、じゃあ、ソウって呼ぶね。」
いきなり、名前を短縮され呼び捨てにされたこと少し驚いたが何故かこの人なら仕方ないと思えてしまう。
「……で、ナ、ナユ先輩、さっきのは……。」
「うん?…………あぁ、ソウをもやしって言ったこと?」
「違いますよ!てか言ってませんよね!さっきの会話にそんな部分ありませんよね!」
いくら僕でも初対面でもやし扱いされたのは初めてだ。まぁ、間違ってないからいいんだけど。
「はは……ごめんごめん、わかってるさっきの告白のことでしょ?」
「……は、はい」
「……で?いいかな?」
「はい?」
「………私は君の許可待ちです。」
うん?話がかみ合わないななぜだろう。
「ナユ先輩、僕はなぜ初対面で告白されたのかを聴きたいんですが?」
「………告白した理由?………う~ん、そうだな~。……もやしだから?」
「なんですか!その理由は!」
「………ごめんごめん、冗談冗談……」
はぁ、なんだこの人凄く疲れ……
「……もやしのとこ以外。」
最早、呆れを通り越して尊敬してしまいそうだ、初対面の相手のことをとことん馬鹿にしてくる。
「………で、告白した理由は簡単、ソウがイケメンに見えたからです。以下略。」
うん、以下略の部分がとてつもなく気になるけどこれ以上ツッコむと話が前に進まなくなる。
「イケメンに見えたって、それだけで……。」
「………それだけ?」
あ、ヤバいこれは失礼なことを言ったかもしれない。
「すみま……」
「………確かにそうかも知れない………。」
「うん、じゃあ、この話はおしま………。」
完全に呆れて帰ろうとした瞬間……ナユ先輩は少し微笑みながら当たり前のように告げた。
「……でも、イケメンは総合評価だから。ソウを好きになったことに変わりは無いよ。」
皆さん、確かに僕だっておかしいと思いますよ。初対面、それもさっき会ったばかりの相手に告白するのはおかしいことだと思いますよ。けど、僕には綺麗で可愛い先輩に正面から告白されてもなお、それが正しいと言えるほど自分の常識に自信はありませんでした。
「………わ、わかりましたよ、付き合いましょう。」
この日、薄暗い裏路にて多分最短ではないかとおもえるほどの速さで僕とナユ先輩はお互いのことを知りそして彼氏彼女として付き合い始めた。
展開の速さなら負けない気がする今日この頃。
ハチミツって美味しいですよね?