出会い方に問題あり。
まず、僕、竃門 創馬はこの作品タイトルに問題があると考えている。
いや、まずね。自虐ネタ少年とか書かれてますけどね?
僕はそんなんじゃありませんよ?
普通にどこにでもいる高校生ですからね。
別に刀から炎とか水とか出せませんからね。
あの有名作品の主人公と苗字が被ってるからって関係はありませんからね。
まぁ、挨拶はここまでにして、本編へど……。
「………へぇ~、てっきり某主人公と苗字が似てるから、なんか俺もできんじゃね?的な感じで放課後に箒振り回してるかと思ったよ。」
「うぐっ!………せ、先輩早く本編にいきますよ!」
「……はいはい。」
■■■■
物語は大抵『起承転結』で創られている。しかし、僕の今までの人生を振り返るに多分『起結』以外は存在しないと考えた方がいいと思っていた。
某RPGゲームで例えるならば勇者が生まれたら世界は平和でした的な流れである。
しかし、そんな、平凡な高校生活をおくっていたある日のこと僕の目の前に二つの選択肢が現れた。
一つ目、初期の雑魚敵に出てきそうな感じの男達に絡まれて困っている女子を助ける。
二つ目、これから先の出会いに期待して見て見ぬ振りをする。
男達三人はどう考えても自分より年上で力も強そうだ。
まぁ、僕みたいな『もやし』から見ればほとんどの人がそう見えるわけだけど……。
いや、初期の雑魚敵とは言ったけど雑魚敵でも敵としてカウントされるくらいの力はあるわけで、もはや、戦う必要すら無いと認識されている僕では勝ち目などあるわけは無い。
しかし、二つ目を選ぶことは僕には考えられなかった。
なぜかって?それは……
完全に絡まれている女子と目が合ってしまっているからである。
これは見て見ぬ振りをする機会を逃してしまった。
……はい、わかりましたよ!いきますよ!
こうして僕は選択した。
「…あの~、その人困ってるみたいなのでやめた方がいいと……。」
「あぁ!なんだてめぇ!」
おうおうおう、泣くぞこら!怖すぎるわ!この人達。
「え……とあの…、」
「コイツ、ヒーロー面しといて何も言わねぇのかよ。あぁ!いつまでそこに突っ立ってんだよ邪魔だよ!」
そいつらにぶつかられて僕は倒れてしまった。
その時、カバンについていたアニメの推しキャラのストラップが外れて地面に落ちた。
「あ?なんだこれ。これお前の?アニメのストラップとかガキかよ。」
そして、僕の推しのストラップは目の前で無惨にも踏みつけられた。
僕の中で……いや、オレの中でスイッチが入った。
「………おい、テメェら足どけろよ。」
オレはゆっくり立ち上がった。
「あ!なんだ弱いくせにいきがってんじゃねぇぞ。」
「黙れ。お前らはたった今オレより下になったんだよ。」
「あぁ!なに言ってやが…。」
腹に一撃加えるとそいつは痛みでうずくまった。
「やりやがったな!」
残りの2人がかかってくる。
片方の男を蹴り倒しそれを踏み台にしてもう片方に拳をくらわせた。
そして、雑魚敵が全員うずくまったことを確認してからそっと踏まれたストラップを回収した。
ごめん、僕があとで洗ってあげるからね!
そして、カバンにしまった後その場で呆けている女子に話しかけた。
「あ、あの~。大丈夫ですか?」
「…………うん、そうしよう。………君を私の彼氏にしよ~と思うんだけどいいかな~?」
話の内容が全く理解できずどうしたらその言葉がでてくるのかすら不明だったあの日。(まぁ、今でも不明だが……)
今日、僕はナユ先輩……霧雨那唯に出会いに告られた。