誕生☆魔法少女 花子ちゃん!
野々村花子14歳。彼女はちょっぴり天然などこにでもいる普通の女の子。父親の仕事の関係でここ、真木華町へやって来た。
「私ハPIG-55。私ト契約シテ魔法少女ニナッテ下サイ」
そう、新しい部屋で荷物整理をしているときに紛れていた、この豚に出会うまでは。
―――第0章―――
「えっ?私?」
唐突の小豚くんの登場に私は驚きを隠せなかった。しかも小豚くん喋ってるし、そもそも魔法少女とかヤバいでしょ!?
「ハイ、ソウデス。契約内容ヲ確認シテ下サイ」
そう言って差し出してきたのはスマホ?のようなもの。そこには『契約書』が写し出されていた。
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契約書
一、この契約をもって魔法の力を授ける
二、契約者は魔物を倒す義務を負う
三、契約者の様子は神の国で公開される
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ちょっとツッコんでいいですか?
まず一つ目、契約すれば魔法が使えるっていうところ。あり得ない、アリエナイ。まぁ、ここはアニメとかであるから妥協する……?
二つ目、魔物を倒さないといけないってところ。めんどい。しんどい。まぁ、ここも魔法の力には代償があるとかそういうやつなんだろうと納得しておく。自分で納得できるのが怖い。
三つ目、神の国で公開される!?ここ!訳がわからないよ?神の国、なんだそれ?そして公開ってプライバシーもろ筒抜けじゃん。下手な代償より辛くないですか?これでも年ごろの女の子ですよ?そのプライバシーが……。
「デハ、契約書ニ手ヲカザシテ下サイ」
あのぉー。まだ契約するって言ってないんだけど。まぁこういう魔法少女には小さい頃から憧れてたし、チャンスは逃す積もりはないよ?
私は契約書に手をかざした。
ん?特に何も変わってない。
あーもうせっかく気分乗ってきたのに。
よし、こうなったら雰囲気だけでも私の理想に変えてやるんだ!
「あのぉー小豚くん?」
「ワタシの名前ハ『PIG-55』デスガナニカゴザイマシタカ?」
「……ちょっとこっち来て」
「ブヒーっ!!!」
十分後……
「ご主人様、オラこれから頑張ります。だから……」
「うん。トンすけ、これからもよろしく頼むよ」
―――この短い間に二人になにがあったのか、それは二人にしかわからない……?
花「いやぁー魔法少女なんて驚きだよね」
ト「ハム……」
花「契約内容もワケわからないし」
ト「ハム……」
花「聞いてる……?」
ト「ハム……」
花「……」
ト「ハム……」
花「……次回、絶壁☆魔法少女 花子ちゃん!『能力があまりにもビミョーじゃないですか?』」
?「面白い子じゃのう」
花「誰!?」