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蚊のように

お久しぶりです。 

遅くなりました。

誰かに読まれることを祈っています。



 目の前から迫ってくるドラゴンライダーに俺は敬意も尊敬の念も持ち合わせてはいない。元々俺の体から出た垢のような存在だ。なのになぜ、武器すらないのに俺に向かってくるんだろう。


 薫の瞳に映るのは体から火花を散らせながらも、突貫してくるドラゴンライダーの姿があった。


 

 (お前とも短い間だったが、いろいろあったな。)



 ドラゴンライダーは、刻一刻と目の前へ迫ってくる。


 薫は万全を期すために体制を整えようと足をずらそうとした。



 「あっ」



 足が思うように動かず体制を崩し尻餅をついた。とっさにあたりを見回した。するとそこには、勇ましく、雄叫びをあげながら近づいてくるドラゴンライダーの姿があった。


 薫はとっさのことで驚き、左手を振りきった。


 鈍い音とともに、左手の中から何かが弾けた音が聞こえてきた。


 手のひらを見ると、そこには手のひらに生じた、口に噛み付かれ今まさに飲みこまれようとしているドラゴンライダーの姿があった。


 呆然と見つめていると、不意に手のひらから生肉の味を感じた。


 (ミディアムかレアの間かな?)


 薫は不意に感じた味を評価しつつ、深呼吸を繰り返し、冷静さを取り戻そうとした。

 

 (こんな時に味の評価とか、俺サイコなのかな? 現実逃避か……)



 冷静さを取り戻したのもつかの間、体中何かが走り、吐き気がこみ上げてくるのがわかった。


 すると、口という口から涎が溢れ出し、まるで全身を駆け回る全身を駆け巡る血管の中を、新幹線が通るそんな痛みに襲われ体の中から逃げ出すかのように、幾多の手が、口から飛び出してきた。


 次第に薫の鼓動が早くなっていき、無数の触手とも見てとれる小さな手が、血管を突き破り、皮膚を突き破り体内より外に出てきた。


 出てきた手は、地面を駆け回り、途中転がっている死骸を食い荒らし、口の中へ取り込んでいく。


 手から手を出現させ、何かを探すように部屋を這いずり回る、そこにはかつて生物であったとも言えないその残骸を食い散らしながら進んでいく。

 もはや部屋に散らばる屍もなく、食い荒らすものもない空間で、手は部屋の壁にぶつけながら何もないその空間で無数の手だけが部屋を覆い尽くしていた。


 もはやこの空間には何もないということに気づいたのか、手の動きは次第に鈍くなりつつあった。


(何だよ! 痛てーよ。こんな体じゃ街も歩けないし、親にも合わせる顔がない。俺の前世は手の触手モンスターだったのかよ。このままじゃ、隔離されるか、特別エリアで一生を過ごすことになる。)


 鈍くなりつつあった手の動きが完全に動きを止めた時、次第に手から蒸気あが立ち上りはじめた。部屋に張り巡らされた手がぶくぶくと膨らみ始め、破裂しながらまた新たな手を出し、また新たな手を出しながら破裂しそれを繰り返し、繰り返し、繰り返し部屋そのものの空間を手の容量で埋め尽くした。

 部屋そのものの空間を、埋め尽くしてもなお、膨張と再生を繰り返しながら部屋の中の密度をあげていった。


 手の膨張と再生の中で薫は意識を失った。

 最後に思ったのは(俺の人生終わった。)



 突如として部屋の空間が広がり、手の塊の中心と思われる場所から、爆発とともに閃光が辺りを照らした。



 赤黒い部屋の中、赤い手の雨の中心に先程と変わらない人形の真紅の瞳を宿した薫の姿があった。




文章に関しましては、これから筆者自身の力をあげていきたいと考えています。


自身が冷静にならない限り、本編でのミスや誤字は気がつき難いんですね。

(文章が読み難いなど、書いている時にはわからないことが多いですね。)

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