初仕事
やっと通信兵らしい仕事ができる。
カーゴと荷台を確認すると。ぼろ着れに包まれた通信機があった。
「ハク、動きそうか?」
「ええ大丈夫そうかな」
見た感じ、据え置き型の無線機だ。
「とりあえず車のバッテリーから電気を繋いでみますか」
車のボンネットを開けバッテリーに繋げる。
「お、生きてる生きてる」
ダイヤルを回し軍用チャンネルの周波数にする。
「カーゴ、そこのヘッドホン取ってくれ」
「これか」
「そう、それ」
カーゴからヘッドホンを受け取り、アダプターに繋げる。
耳元から、ザザー音がする。しっかり受信している証拠だ。
付属マイクを取りだし、横付けされているボタンを押すと送信モードになるみたいだ。
「じゃあ、やってみる」
「あぁ、頼む」
ボタンを押し送信モードにする。
「こちら作戦行動中の日本所属第3番隊特殊機動小隊。緊急事態により支援を求む」
返事が返ってこない。
もう一度試してみる。
「こちら作戦行動中の3番隊特殊機動小隊。緊急事態により支援を求む」
ん?
私は目を瞑る
「こっ・・・ら。・・ぐん・・・・。き・・・こえ」
私は無線機の周波数を調節する。
「こちら平和維持軍本部、応答せよ」
よし。
私は小さくガッツポーズをする。
「こちら作戦行動中の日本所属第3番隊特殊機動小隊。緊急事態により支援を求む」
「こちら本部、承知しました。第3番隊特集機動小隊隊長のカーゴフレイ軍曹と変われますか?」
「了解カーゴ変わってくれ」
「あぁ、ありがとうハク。こちらカーゴフレイ軍曹。姫は無事。全員無傷です。敵の追手が来る可能性あり。座標は53.093489.-3.84106。了解。ではこちら」
その時だった。無線機から煙がでる。
バン!っと破裂音を立てる無線機はガラクタと化した。
「やっぱり、車のバッテリーだと無理があったかな……」
私は無線機の中身を空けてみると導線などが焼けこげていた。
「まぁ、とりあえず座標まで送れたんだ。ここに援護が来るまで待とう」
俺は無線機を軽く叩く。
「ありがとな」