真相
ゴーストタウン。ある2階建ての空き家。
マールが拝借した、動きやすい服装に全員着替える。
適当な廃材で簡素な暖炉を作る。
全員がその暖炉の周りに座っていた。
「にしても、あの堅いやつ!次会ったら、奴のケツの穴をローストしてやる!」
イアが一人怒っていた。
「今後の方針について話したいんだけど。リン、君の事について聞きたいんだがいいかな?」
リン黙って頷く。
「私の生まれは、日本なのですが、父が日本軍人で、母が、一般家庭のイギリス人でした。そして兄のレンと、妹のわたしです。普通に幸せに暮らしてました。4歳までは」
リンの表情が変わる。
「ある日の夜でした。母の叫び声で目が覚めました。下に行くと数人の銃を持った男たちがいました。その男たちの目標は、父の拉致でした。父は、軍の中でも階級が上の人だったので、何か機密情報を持っていたのでしょう。そして乗り込んだ工作員よって、母は射殺され、私たちを逃がすため、父も反抗し射殺されました。お兄ちゃんは、私を物置に隠し、拉致されました……。だけど! あそこで、お兄ちゃんに会って、すごくうれしくて、でも殺されかけて。わたし、わた。あ、あぁ――」
リンの目から涙が溢れだし、嗚咽が漏れ、頭を抱える。
それを、見てマールが、リンを抱きしめる。
「うん、うん。」
マールがリンの頭をさする。
「カっちゃん、少し席開けていい? それとライト借りていい?」
「あぁ。リンを頼む」
「うん」
マールは、廃屋で見つけたライトを持ち、リンをつれて二階に上がっていった。
「さて、奴らの狙いだが、まず奴らは何者だ?」
「レジスタンスです」
エリゼ姫は、口を開く。
「レジスタンスは、未だにこの国に残っている、貴族制度を壊したいと考えています、だから今回のパーティーを狙ったのでしょう」
イアが口を挟む。
「じゃあなんで姫さんのことを、聖杯と言って狙ってきた? 貴族の虐殺目的なら、あの城にでもC4でも仕掛けて吹っ飛ばせよかっただろう?」
「それは、多分これです」
エリゼ姫が首飾りのペンダントから何かを取り出す。
「それは?」
「場所はわかりませんが、どこかの鍵です」
「何の鍵なんだ?」
「核開発に使われた研究室の鍵らしいのですが」
核兵器!?
「私の家系は、軍人の名家でした。その時に極秘で核開発をしていましたが、戦争が終わり必要ではなくなった時、核開発の事をすべて隠蔽しようとしたのです」
「まじかよ!」
「イア、少し静かに。なるほど、戦犯を恐れたのか」
「その通りです」
「なるほどわかった、上に連絡が取りたいが……」
カーゴ端末を操作し本部に繋げようとするが、電波が通じない。
「やはりダメか、衛星電話か、無線機があれば何とかなったのだが、んー……。どうしよう?」
「無線機見たいのなら車の荷台なかったか?」
イアが何か思い出した顔をする
「イア、それ本当か?」
「多分……」
「よし、ハク一緒に確認してもらっていいか?」
「もちろん」