戦士は栄光の死を求め戦う
朝焼け、今日のこの後の戦いで僕の運命は変わると考えると、不安な気持ちが強くなる。
「じゃあ黒鵜君、今回の試験内容は、6時~7時半の間に夏帆さんに一定以上のダメージを与えることだ。」
「了解です。」
「範囲は施設前森林半径3㎞圏内。開始30秒前。」
「15・・・・10・・・・5,4,3,2,1」
「0‼」
『施設前で演習が開始されました。周辺地域を封鎖、及び立ち入りを禁止します』
エリアは円形に設置されていて、夏帆と僕は真逆の位置からのスタートだそうだ。
周りの見えない環境では音を頼りにしろと言われた。
目をつむり、耳を澄まし、夏帆の第一手を考える。以前の戦いからして、あいつはあのデタラメな速さで近付き、連撃を続けて来るはずだ。あいつが周りを注意深く見るか分からないが、トラップを仕掛ける。
まず高い草の多い所へ、円を描くように草を結び続けて簡易的なこけさせるものができた。
「では最後に、夏帆ォォォォォ‼俺はッ・・・・ここだァァァァァァァ!」
感覚を研ぎ澄ませ・・・・どこだ・・・どこからくる。
「そこかぁぁ!」
・・・・・いない?
「そう思ったらまずは避ける体勢をとること」
コイツは空中では基本足技しか使わない。姿勢を低くし、羽を広げて顔を守りつつ後ろに飛んで衝撃を受け流す。
「あなたの命がかかっていても、簡単には勝たすわけにはいかない、本気で行かせてもらうわよ。」
「こちとら弱い奴として死にたくないんでねェェ!」
力を振り絞り空へ飛び立つ。羽は今では25秒飛べるようになった。この試験では戦闘に使える武具を持ち込み許可してもらえる。
「45口径マグナム‼くらいやがれェェェ‼」
といっても試験なのでもちろんゴム弾、だがこの場合当たったら勝利とゆう扱いだ(実際には殺したことになるので)滞空中なら動作は限られる。そこをついていく。
「月ノ輪 夏帆、全身獣化!」
夏帆から強い風が起こる。正直言ってこうなったら通常の力じゃ勝てない。
「俺の本気‼とくと見やがれ‼竹上 黒鵜、腕、羽の獣化!」
手のひらを肥大化させ、巨大な鋭い爪に変化させ、武器とする、そして、羽を4枚に増やす。トンボの羽と同じようなものだ。飛行時間は減るが、飛行速度は格段と増える。アイツがスピードとパワーを強くするのなら、こっちもそこを強くするだけだ。
「ガァァァァァァァァァァァァァァ‼」
熊と化した夏帆は、地面を叩き、1m大で地面を砕き、そこを縦横無尽に飛び回る。どうにかこの飛び方の規則性を
「ヤッ‼・・・ハッ‼・・・考えさせろや(怒)!」
何か、何か決定打を撃たなければ、あ、そうだ、
「どんなに速くたって、圧倒的量には勝てないよなぁ⁉」
「硬質化最大!飛び立て!羽根たちよ!」
寝起きの抜け羽根を思い出した。あんなに簡単に抜けるんだ。硬さを変えられるんだったら自分の意思で毛を抜くなんて朝飯前だ。鉄のように固くなった羽根達は、夏帆を追いかけていく。
これで動きは制限された。後は足場を崩して、夏帆が地面に落下し、羽たちにハチの巣にされる。
纏った熊の姿は崩れ、中腰状態で立っている。
「ありがとな夏帆、戦場で共に戦おッ・・・・・・・⁉」
しまった・・・・・・羽の限界が・・・・。
「ごめんねクロ、あなたの負けよ。」
くそ、このまま着地しても、僕にはもう夏帆にダメージが与えられない・・・・・武器が・・・・ブキガホシイ・・・・。
「じゃあね・・・・。・・・・・・へ?」
「・・・・・・・・?・・・・・・・!」
夏帆の首筋に剣の刃が当てられている。よく見ると夏帆の周りには大量の銃が浮き、夏帆の方を向いている。
「こ・・・・降参よ・・・あなたがこんな力を持っていたなんて知らなかったわ。」
自分でも何が起こっているのかわからない。でも、
『演習が終了致しました。30分後に立ち入り禁止、封鎖を解除します。』
ホイッスルの音とともに、武装をした男達が担架を持って走ってくる。
夏帆の方を向き直ると、夏帆が腰を抜かして座っている。周りの武器は無くなっていた。
「大丈夫か?腰抜かしてるけど。」
「う・・・うん、じゃあ改めて、よろしくね、戦友。」
「ああ。共に、勇ましく、そしてかっこよく死のうぜ。」
握手をかわす。その手は震え、細く、女の子の手でも、大きな、戦士の手を感じた。
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同刻 沖縄 米軍基地
「トルノ少佐、入室致します!」
「入りたまえ。」
30代ほどの金髪男性が60代ほどの白髪の老父のいる部屋へ入る。金髪の方はビシッと敬礼を市し、
「通達いたします!先ほど、ハワイ島近海にて空母1隻、駆逐艦2隻が轟沈したとの伝達が入りました!」
「何?奴らが船を三隻だと?あの化け物が?馬鹿力にしても機械ではないのだぞ、何かの間違いではないのか?」
「いえ、先程、軽巡洋艦一隻がノーフォーク海軍造船所に一隻のみで帰還し、報告をしたと。」
「その艦の状況は?」
「乗員の三分の一が死亡、艦自体は船主が破損し小破した状態で帰還したとのことです。」
「戦況に何か変化は?」
「依然、押されております。」
「くそ、この雑種どもめ。」
バトルシーンは書いててたのしい✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌