初戦のちツインテ
「くそ、想像以上に寒いな、まだ5月だもんな~。」
暗闇にも目が慣れて、明かりを点けずに木々を飛び回る、飛んだ後はしばらく休まなきゃいけないので、一キロ移動するのも時間がかかる。
ここら辺は高い木が多い、下も開けているしここで戦うことにしよう。
敵は<animal human>、それに大量殺人犯だ。普通の熊とは違って人のような声を出せば寄ってくるのではないだろうか。
よし、そうときまればとりえず、
「誰かァァァ‼助けてくれェェェェェェェェ‼」
森が騒がしくなった。今ので森の生き物たちが起きたのだろう、人以上の力を持った人間、
「なら、もう来てもおかしくないよな?」
「ウガァァァァァァァァァァ‼」
ほら、早速来た来た。って、熊かよ⁉なんだただの動物なら・・・・・・は?
背後で轟音が鳴り響く、振り向いた先にあるのは、直径4メートルはあるかとゆう大穴である。
何だこいつ⁉前言撤回、やっぱりただの熊じゃねえ‼だが、なら話は早い。
「そんな着ぐるみ着てねぇで、中身出て来いよ‼俺の中学時代の中二病精神舐めんなよ‼技名なんてこの力を持ってすぐに思いついたわ‼」
「ヴォォォォォォォォォォォォ‼」
熊は大きく腕を振りかざし地面をたたきつけ、その巨体からは想像もできない速さでとんだ石いくつもを飛ばしてくる。僕はそれを翼で上へかわし、
「翼の速さに勝てるわけねぇだろ‼さぁ‼俺の考えた新技くらえぇ‼ウィング・バレット‼翼、硬質最大‼」
技名を叫び、どや顔で必殺技をかまそうとした時だった。
「何よ、その程度で私に傷をつけようとでも考えていたの?やっぱり、あんたは馬鹿ね。」
茶髪のツインテールの少女が前に現れたことに気づいた時には、僕の腹には、パンチを一発入れられていた。
「カハッ‼」
声が出たころには、ものすごい速さの連撃を体中に浴びせられた。骨が所々砕けていることがわかる、この力でこの速さ、勝ち目がないだろ・・・。
「あの世で戦おうと考えたことを後悔なさい。」
「バレット・パンチ‼」
「銃弾好きかよ俺ら‼そんなのくらわねぇよ‼プロテクティングフィーザーズ‼」
最大まで硬質化させた羽を丸めて拳を受け止めようとする。が、
「うるさいわね‼あんただってそうやってすぐ英語使ってんじゃないわよ‼」
懇親の一撃が、僕の羽根へと打ち込まれる羽の外郭は砕け、血が噴き出す。
二人とも力を出し切り、地面に打ち込まれる。でも、でも、でも、こいつを殺さなきゃ、俺が殺される、それだけは避けたい。その思いを胸に、ふらふらしながら立ち上がる。対して彼女は、傷など一つもないので、スッと立ち上がる。
「やっぱりバカ、さっきあんなけんかして、まだ敵だと思っているの?」
「は?逆にどう解釈すればあれで味方と認識できるのかが気になるんだけど。」
「まず第一に、私は理性があるでしょ、その時点でただただ殺しに来ているわけじゃないことぐらい。」
「分かるかぁ‼お前がまず石ころぶん投げてきたんじゃねえか‼怪力女‼」
「あぁ‼今女の子に一番言っちゃいけないこと言ったぁ‼」
「うるせぇ!てめぇなんかちょっと顔がいいだけで他はゴミだ!ゴミ!」
「あら?顔がいいなんて、中々嬉しいこと言ってくれるじゃないの。」
うぜぇぇぇぇ‼何だこいつ!こいつターゲットだろ⁉なんでこんなにリア充てきな喧嘩しなきゃいけねえんだよ!こちとら大けがしてんだぞ!って、ん?傷口が・・・、5年前の病室の時と同じ・・・
「なんだ、中々気が合いそうじゃないか、君たち。」
この声、あの真っ白な上にいるやつ、あいつは、
「ニヤ男‼なんでお前が‼」「キモ男‼さっさと消えなさいよ‼」
「夏帆さん、よくそんな人を認識して2秒でそんなことが言えるね・・・・。」
この女、夏帆って名前なんか、頭部以外はそんなに女性らしい体つきと性格とは見えないが。
「さあ、黒鵜君、初戦はどうだった?」
「その前に私について言わせなさい。」
女がニヤ男の肩に小指のデコピンを入れる。それでもニヤ男は5メートル位吹っ飛んだ、こいつやっぱやべぇわ。
「私の名前は月輪 夏帆今を時めく女子高生よ♡」
「いやいやいや、ひとフッとばしといてそれはねぇだろ、お前はなんなんだ。」
「だから、今を時めく女子高生よ♡」
月輪は両手を顔の前でピースにする。これだけみれば女子高生っぽい
「ってそうじゃねぇよ‼お前はなぜここにいるのかとかについてだよ!」
「もう、そんなにぷんぷんしてると君の黒髪が白くなっちゃうぞ♡」
最初の冷静な感じの少女はどこへ行ったんだ。てか早く説明しろ。
「そうだなぁ、私が<animal human>ってことはわかるでしょ。じゃあ君が知りたいのは君は僕を殺す対象と言われていたのに、こんなにフレンドリーでプリティーな女の子だったことについてでいいかな?」
「微妙に違うけどまあいいや、そうだ。あと黒鵜でいい。」
「じゃあクロだね、私の事は夏帆って呼んで。じゃあこうなった経緯を説明するよ。」
「私は8年前にこの力を手に入れて、それでキモ男のところに引き取られたんだけど、1か月前にキモ男に新しい子が来たよ、って言われたから、じゃあ戦いましょうか、ってことに。」
「いやなんでだよ‼どうしてそうゆう考えになる‼普通に会えよ‼戦闘狂かこの野郎‼」
「まあ、でもあらかたわかったでしょ?」
「まあ、ものすごいざっくりだったけど。」
ニヤ男がムクッと起き上がり、デコピンくらった肩をおさえながら口を開いた。
「まあ、何はともあれ、帰ろうか。」
「てか、夏帆お前最初の時はツンデレ系かと思ったのに・・・キャラ定まってねぇなぁ・・・。」
「まあ最初はいい印象をあたえないとね。」
「数秒後に崩れているんですがそれは。」
「アハハ・・・・。」
夏帆は引きつった笑いを見せる。正直言って前のキャラのほうが僕は好きだったのだが。
「じゃあ、みんな、今日はお疲れさま、自分の部屋でしっかり休んでね。」
「なーんか忘れてないっすかぁ?」
「まあ、それは明日にするよ、今日は疲れているでしょ?」
なんだよ、終わったら言うとか言っといて。
「ここのことについては粗方わかるが、僕の事ってのは今後の僕への扱いってことか・・・?」
ベットに横たわり、窓からのぞく月を眺めながら考え込む。
あいつは今回の仕事は僕を安全か判断するものだと言っていた。これだったら僕は安全と判断されたと思うけど、どちらかというと夏帆の方が危険生物と判断されそうなんだが・・・・・・。(ニヤ男殴ってたし)
ん?てゆうかあいつ、<animal human>になったのは8年前っつてたっけな・・・・。
どうゆうことだ?<animal human>の始まりは5年前じゃないのか?
ベットから起き上がり、夏帆の所に向かう・・・・・って、僕あいつどこにいるのか知らねぇや。
*
「歌川さん、ちょっと聞きたいんですけど。」
まあ、僕と親しくて夏帆について知ってそうなのこいつしかいないしな。
「なんだい?こんなに朝早くから、そんなに君の事とここの事を知りたいのかい?」
「それもあるんですが、あの、夏帆ってどこにいますか?」
「夏帆さん?あの人は今高校に行っていると思うけど」
は?高校?コウコウッテナンダッケ?僕そんなとこ行っていないなぁ・・・・。
しばらく沈黙が続く。
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇ‼なんであいつ学校とか言っちゃてるんですか⁉」
「そりゃあ彼女が高校生だからに決まっているじゃないか。」
「いや僕も高校生なんですけど⁉」
「あ、じゃあ話すと面倒だから紙に書いて渡すよ。しばらくしたら渡すから。」
くそ、あいつに聞くだけ無駄だったか。解決するどころか、余計に謎は深まった。
なぜあいつだけ高校に通っているのだろう、何かの潜入?でもあいつはスパイではない、どちらかと言えば生物兵器だ。
てゆうか僕だけがここに閉じ込められているのが気に食わない。
グチグチ言いながら、寝てる間にまき散らした羽根を掃除する。
「こればかりは無意識だから直しようがないんだよなぁ・・・・・ん?」
羽根に混じって、形の違う黒い塊が落ちてる。形は銃のような形だが、銃口はいびつだし、歪みまくっている。しかもなんか羽がくっついてる。軽く30枚ほどの中に落ちていた。
「こんなもん知らねぇぞ・・・・。」
ため息をつきながら、羽と一緒の袋に突っ込んだ。
このときは、コレについて、特に考えることはなかった。
自分が、ナニモノであるのかも。
ちなみに私は黒髪ロング派です。