俺達の部活が何をするのか。決まっていなかった件。
この物語は目つきの悪いアニオタ男子高校生、富田琥珀とその他の部員達のラブコメっぽいかもしれない物語である。
「…や、やったね!琥珀ぅ!これで一気に部員が増えたね!よろしく!智江さん!」
「よろしくな。天野さん。」
うちの部活に夜空さんともう1人。
天野さんが入った。
彼女の特徴。
メガネ。身長、普通。体型、普通。
髪の毛、一つ縛り。
全体的に地味なんだが…。
「おぉい。琥珀。ちょっとカモン。」
「んあ?」
虎太郎が2人に聞こえない様に俺に言う。
「あの子。メガネ外したら結構可愛いくね?」
「ったくお前はすぐそういう考えを…。確かに。」
「な!これヤベェだろ美少女2人て!www」
「あぁ。ヤバいな!」
ラブコメの特徴。
周りに美少女が多い。
ラブコメにおいて美少女は必要不可欠。
この状況は…良いっ!
「じゃあ智江ちゃん!君はもうこの部活に入るって事で良いのね?」
コイツ…。もう、ちゃん呼びかよ。
「あ…はい。入部希望です。あの…ちょっと良いですか…?」
「良いよ!どんどん質問して!俺の答えられる範囲で答えるよ!」
「じゃ皆無じゃねーか。」
「琥珀ひどいッ!」
「ありがとうございます…。じゃあお聞きしますね。」
「うん!」
「この部活って何をするんですかね?」
瞬間。
風の音しか聞こえなくなった。
「…………ほぇ?」
そういえばこの部活って、何するんだ?
......................................................................................
「えー。じゃあ今回の部活は、この部活の活動内容を決める話し合いにします!」
「お前…。何のために部活作ったんだよ」
「じゃあ何か案のある人は手をあげてください!」
大丈夫かよ。この部活。
「えっと。じゃあ、はいっ」
「はい!夜空さん!!」
「あのね、智江ちゃんってすごい絵が上手なの!だからマンガとか描くのはどうかな?」
「なるほど!」
「美子さんも絵上手ですよね。」
「描いた絵の写真とか無い!?見てみたい!」
「あ、一応スケッチブック持ってきます。」
天野さんが少し照れながらスケッチブックを渡してくれた。
「すごい!めっちゃ上手じゃん!…あ…。」
そこに描かれていたもの。
…うん。察してみんな!
「美子さん!このシーン良くなかったですか!?」
「あ、わかる!私もそこのシーン良いと思ってたの!私達、気が合うね!絵もやっぱり上手だね!」
…まぁ確かに絵は上手いのだが…。
俺には理解しかねるな…。
「絵は良いとして、誰が内容考えるんだ?絵が上手いだけじゃ作品なんか作れねぇぞ。虎太郎、国語30点だから語彙力とかもねぇし。」
「おぉい!それ言っちゃダメなやつ!
…でも確かに誰が内容を決めよーか。」
「あ、そういえば美子さん小説書いてたことありましたよね?ストーリーとか考えられませんか…?」
「あ、うん。書いてたけど…。私でみんな良いのかな…?」
「すごい夜空さん!小説書いてたんだ!ちなみにココにいる琥珀くんも文章力高いから一緒に考えたら良いんじゃないかな!?琥珀、小学生の夏休みの日記が……ぷはっ!w」
この野郎。俺の過去を…。
「7月25日
今日は家族で祭りに行きました。
先生。祭りに必ず湧く生き物は何かわかりますか?
それはカップルです。
祭りではカップル共がうじゃうじゃ湧きます。僕はこいつらを見ていると手に持っている食べ物をどうしても投げつけたくなってしまうのです。なぜでしょう?僕にもわかりません。
先生も早く結婚して、僕がムカつかない程度にイチャイチャ出来るように頑張ってくださいね。」
これを小5の時に俺が書いたらしい。
今読むと…なるほど。友達が出来ないわけだ。
「マンガとか描くならさ!何か目的が欲しくない?活動するなら本気でやりたいじゃん!」
目的…か…。
「そーだね。なんかあるかな?文化祭とか?」
「単行本作ってそれ売っちゃうのはどうですか?」
「SNSにマンガを投稿して!いいねたくさんもらうとか!」
3人が意見を言い合う。
が…なんだろう。良い案だが何か違う様な気がする。みんなが熱くなれて部員全員が活動出来るもの…。
「夏コミ。」
3人が一斉に俺を見る。
「夏コミに参加するための本をつくったらどうだ?」
「琥珀!それだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
話し合いは続く。
続きます。