序章 神社所有者
はじめまして、妄想野郎です。
文法ミスが多々あるかもしれませんが、勉強してゆきます。
(また、更新は遅めです)
「なんで最近の依頼はこんなに厳しいやつばっかなんだ------ッ!!」
暗い森の中、全力疾走しながら黒い着物に袴を纏った黒髪の男性、五十嵐漸は叫んだ。
太陽が沈みきった暗い人間界の森の中を漸は草や木の小枝を足や腕を駆使して蹴散らしながら走りつつ、後ろを振り向く。
約十数人だろうか。
漸の背後を厳つい体格の男性が鬼の形相で怒鳴る様な奇声を上げて追ってきている。
漸を追う彼らの頭には小さな角の様な突起。
彼らは追いはぎでも盗賊でも山賊でもなくチンピラでもない。
妖怪である。
「待てや人間! ここンとこ何も食ってねぇんだよ!! 待ちやがれ!!」
それは遠回しに俺を喰わせろと言っているのだろうか、と漸はそう思いつつ足を早める。
何故、漸がこんな森の中で複数の妖怪達に追い回されているかというと、一つの理由があった。
漸は妖怪、悪霊退治を兼ねたある職業についており今朝、里の人に妖怪退治を依頼されたのだ。
それに漸は依頼された妖怪の退治に出向いたのだが、予想外だった。
「なんでこんなに妖怪が多いんだよ!?」
妖怪の数が、依頼されていた三体よりも多く、何故か十数人の妖怪が居たのである。
そして漸は苦戦してしまい、現在進行形で撤退中なのだが、
「待てやぁぁぁぁあ!!」
「逃げんなコラ--!!」
「喰わせろやぁぁあ!!」
まるで追尾能力でもあるんじゃないか、と思う程に正確に漸の背中を追って来る。
というか何処のチンピラだ、と呆れた感じで漸は足の回転を遅め、最終的には妖怪に向き合う形で停止した。
「なんだ? 潔く喰われる気になったのか?」
「誰が喰われるか! もう面倒だ、アレを使わせてもらう!!」
漸が叫び、右手を妖怪達へと突き出す。
その夜、一つの森から光の柱が現れたという--。