第5話「主治医意見書って何?」
「主治医意見書って、実際どこで使われるの?」
岡田さんのノートを読みながら、私は素直な疑問を口にした。
「それ、最初めちゃくちゃ混乱したやつよ。認定調査のあとに主治医が書くんだけど、内容は専門的だし、普段関わらないから想像しにくいのよね」
岡田さんはそう言いながら、タブレットを取り出して1枚のPDFを見せてくれた。
「これが実物の主治医意見書のイメージ。ほら、疾病名、認知症の有無、予後の見込みとか、結構項目が多いのよ」
「へぇ……これって、どこに提出されるんですか?」
「市町村。要介護認定の審査資料になるの。認定調査の“特記事項”と一緒に、二次判定の材料として使われるのよ」
私は改めて問題集を開いた。
【令和元年度 介護支援分野・問題9】
主治医意見書に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。1つ選べ。
1.主治医意見書は、介護認定審査会で一次判定の材料として使用される。
2.主治医意見書の作成は、かかりつけの医師であれば誰でもよい。
3.主治医意見書は、介護支援専門員が代筆して提出することができる。
4.主治医意見書は、要介護認定等における二次判定の材料として使用される。
これは……わかったかもしれない。今なら選べる。
【解説】
1.誤り
→ 一次判定は、認定調査のコンピューター判定のみ。主治医意見書は使われない。
2.誤り
→ 作成できるのは、**都道府県が指定した医師(指定医)**に限られる。誰でもいいわけではない。
3.誤り
→ 意見書は医師本人が作成しなければならない。ケアマネが代筆するのはNG。
4.正解!
→ 主治医意見書は二次判定に使用される。専門職(医師・看護師・介護福祉士など)からなる介護認定審査会で用いられる重要資料。
「よし、当たった……!」
正解したことも嬉しかったが、"なんとなく"ではなく、理由を理解して選べたことが、今までとは違う実感だった。
【今回の学びポイント】
主治医意見書は二次判定の材料として使われる
作成できるのは**都道府県の指定を受けた医師(指定医)**のみ
一次判定では使用されない
意見書は医師自身が作成する必要がある(代筆NG)