第2話「過去問という敵」
その日、私はYouTubeで「ケアマネ試験 合格法」みたいな動画を片っ端から見ていた。
「過去問を制する者が試験を制す!」という声が多く、私は早速ネットで5年分の問題集を購入した。
最初に開いたページ。さっそくこんな問題が載っていた。
【問題】
介護保険制度における要介護認定について、正しいものはどれか。1つ選べ。
1.認定調査は、市町村ごとに独自の基準で行われている。
2.主治医意見書は、指定医師でなくても作成できる。
3.一次判定では、コンピューターによる判定が行われる。
4.認定有効期間は一律6か月である。
「うわっ、なにこれ……わからない」
用語はなんとなく聞いたことがある。でも、どれも正しそうに見えて全滅しそうだ。
とりあえず、選択肢を一つずつ見ていく。
【解説】
1.誤り
→ 認定調査は全国共通の74項目に基づいて実施されており、市町村独自ではない。
2.誤り
→ 主治医意見書は、都道府県が指定した「指定医師」が作成する。
3.正解!
→ 一次判定は、認定調査の結果をコンピューターで評価し、暫定的な介護度を判定するもの。ここが正解。
4.誤り
→ 有効期間は一律ではなく、原則6か月だが、状態により12か月などもあり得る。
「なるほど……選択肢の“全てに目を通す”って大事なんだな」
なんとなく選ばず、一つ一つ理由をつけて「なぜ違うのか」を理解する。
この積み重ねが合格につながるって、みんな言ってたっけ。
【今回の学びポイント】
認定調査は全国共通74項目で行われる
一次判定=コンピューターによる判定
主治医意見書は指定医師のみ作成可
有効期間は一律ではなく、柔軟に設定される