エピソードⅧ それぞれのposition
前回から読んでいただきありがとうございます。
もし何か気になることなどありましたらご指摘ください。
菜月さんと一緒に外側の能力者の組織に車に乗って移動してる途中、私は菜月さんに気になったことを質問していた
「あの〜今回の任務ってそもそも命運教は何をやったんですか?」
「あぁそれのことか それを説明するにはまず命運教についての噂を説明しないといけないな」
「噂...ですか?」
「そう 最初は皆単なる噂話だと思っていたけれど半年前からどんどんと命運教は信者を増やしながら規模を拡大させて行ったんだ、それで調べてみると教祖の奇跡と聖女の予言で信者を増やしてるらしいんだ」
「奇跡と予言って怪しさしかないじゃないですか」
菜月さんはハッハッハと豪快に笑いながら
「たしかにな私も最初はそう思ったけど部下に探らせたところ今まで予言が外れたことは無いなんならまだ出現してないゲートの位置をピタリと言い当てたりだとか奇跡に至っては一般人に能力を与えるってものなんだ」
「それだけ聞くと本当に神の声でも聞こえてるんじゃないんですか?」
「そうだな、だが規模を拡大し始めた辺りから信者が行方不明になることが相次いだんだ 人によっては悪魔の教団なんて呼ばれてたらしいそれで長尾を向かわせたんだ」
「なんで長尾さんだったんですか?」
「九音は気づかなかったか?あいつの違和感に」
「えっと...?」
「あいつは魔力が無いんだ」
「えっ!?なのに能力者なんですか?」
「実際にはそれすらも分からない私の解析を持ってしても領域型の能力ってことしか分からないんだ」
「だから一般人に紛れさせれるってことなんですねぇ」
「そこで調べてもらったところ、一般人の中でも何かしらの反応を示したやつが地下施設に連れていかれて人体実験をしてるってのが確定になった」
「なるほどですね ところでさっき防衛を今から会う人達に任せるって言ってましたけど菜月さん達よりも強いんですか?」
1ヶ月任務をやってきてわかったことがギルドに所属
している普通の能力者は基礎が全て終わってない人や練度が足りない人などが多く改めて菜月さん達の化け物じみた力を再確認することが出来た
この質問に菜月さんは今まで見たこともないくらい爆笑をして少し経ち菜月さんの笑いも落ち着いた後
「はぁー、はぁー相変わらず面白いね九音 結論から言うと今から会う外側の能力者のリーダーチームの奴らは完全にレベルが違う、相性による部分もあるし勝てない訳でもないけど 基本俺らは負ける方が多いだろうね」
「そんなに反則級の強さをしてるんですか...」
「まぁ能力としてのレベルが違うっていうか能力としての範囲から逸脱してるんだよ」
と話してる間に着いた様だ私は菜月さんについて行くとガラの悪い強面の人たちがゴロゴロいる中で菜月さんはそれを気にせずにズンズン進んでいく、精一杯ついて行くと一際立派な扉の前で菜月さんが足を止め
「九音は向かいの部屋で待っててくれる?」
「分かりました」
「まぁ私も一旦荷物を置きに行くけどな〜」
そう言って向かいの部屋のドアを開け中に入ると中には幼い女の子...中学生位だろうかそれくらいの女の子がソファに寝転びながらスマホをいじっていた
「これって誘拐の現場とかじゃないですよね?」
ヒソヒソと小さな声で菜月さんに尋ねると クスクスと小さく笑うと
「大丈夫、あいつもさっき言ってた最強の1人だから」
そう言われて思わずええっ!?と大きな声が出てしまった
「誰〜五月蝿いんだけど〜」
女の子はムクっと起き上がりこっちを見ると
「あぁ〜菜月ちゃんじゃ〜ん 今日はどうしたん?」
「生憎と仕事だ」
「なーんだ私と遊んでくれるわけじゃなかったんだ、こっちの子は新人の子?」
「そうだ新人の九音、九音こっちの可愛い小動物は桜雫こう見えて17歳のJKだよ」
そう紹介されると雫さんは顔を膨らせながら
「小動物ってなにさ〜まぁ相変わらずなんだけどね菜月ちゃんは」
「まぁそういうなって雫 私があいつと話してる間に九音と遊んであげてくれ」
「菜月ちゃんの頼みだから聞くけど また今度ご飯とか連れてってね〜」
「了解了解」
そういうと菜月さんは部屋を出ていった
菜月さんが部屋を出ていってから30分、私たちは無言が続いていた
「...............」
「...............」
無言の間に限界がきて
「あの〜雫さん?1つお聞きしたいことがあるんですけど〜」
雫さんがクスクス笑いながら
「もっと楽でいいのに九音ちゃんのが年上っぽいしね」
たしかに私のが1歳年上なのでこれはもっとフランクでいいということだろうか...ならお言葉に甘えさせてもらうことにした
「それで?私に聞きたいことって?」
「ええっと...菜月さんってどういう人なんですかね」
そういうと雫ちゃんはアハハっと可愛らしく笑うと
「確かに今の菜月ちゃんしか知らないなら無理もないかもね、あれは仕事モードだからね〜」
「なんというか掴みどころのない人って言うか...」
「まぁ確かにね、せっかくだから菜月ちゃんのこととかいっぱい話してあげるよ」
「ぜひよろしくお願いします!」
「じゃあまず私たちの事から話そうか、私たちは外側の能力者なんて呼ばれてるけどぶっちゃけこれは政府からしたら厄介者の証みたいなものなんだよね私たちの説明はされた?」
「なんとなくは...確かギルドに所属していない人達の集まりだとかなんとか」
そういうと雫ちゃんはなんとも言えない顔をしつつ
「まぁそれでも間違いじゃ無いんだけど、それは九音ちゃんに偏見とかを持って欲しくないってことなんだと思うかな」
そう言いつつ雫ちゃんは話を続ける
「私達は政府が定めた能力者がゲートに入る上でのルールを破って活動してるんだ」
「それはなにか理由があるんですか?」
ぶっちゃけて言うとギルドに所属してるだけで1部病院などの機関が無料になったりなど旨みが多いイメージだったので疑問が残る
「簡単だよ、ルールが気に入らないから」
そう聞いて私は菜月さんから習ったルールを思い出してみる 確か
・ゲートには申請をして入らなければいけない
・ゲート内で獲得したものは全てギルドに提供しなければいけない
・提供したものに応じて報酬金とは別に報酬を出す
だったっけか
「色々な施設が無料で使える旨みを捨ててでもルールに背くメリットがあるんですか?」
「うん、じゃあ九音ちゃんに考えて欲しいんだけど、この世界で取れる素材とゲートで取れる素材はどっちのが武器に加工する場合強いと思う?」
「そりゃあ勿論ゲートじゃないですか」
「だよね、だけどギルドの場合その素材をギルドに提供したあと武器に加工するのに手続きやらをして追加でギルドに金を払わないと加工して貰えないし、提供分が加工代で取られるからその分の稼ぎは少なくなるし、命を張って戦ってるのにこれじゃあ割に合わないし」
「そう言われると確かに...」
ゲートで取れる素材を提供するルールが無ければ取ってきた能力者が自分で加工してくれる人を探す方が金もかからないし他の用途でも使える
「でしょ?そんなこんなでゲートで取れる素材目当ての人や単純にギルドに着くのが気に入らない人、後は私みたいにギルドでいざこざがあった人なんかがいる集まりなんだよ」
「そんな側面があったんですね...」
「まぁでもギルド自体も必要だとは思うけどね、ってそんな事はどうでも良くてそんな政府からしたら面白くない存在だけれど皮肉なことにゲートの解決した数がギルドよりも多い だからこそ黙認されているからギルドのルールの外側にいる能力者の集まりってことで外側の能力者ってわけね」
「なるほど...ちなみに強さってどのくらいなんですか?」
「バラバラだった能力者達が私たちの強さを見て集まって来たんだよ、それでいつの間にか組織化してるたくらいかな〜」
「そんなに強いんですか?」
正直雫ちゃんの魔力量でいうと私よりも多くなさそうなのが纏ってる魔力で予測がつく
「うん、私達のチームEXCEEDは他の能力者にある限界値を越えて能力が進化した奴らの集まったチームなんだよ」
そう雫ちゃんが言うがいまいちピンと来ない
「まぁ詳しいことは菜月ちゃんに聞いたらいいよ」
そう言って様々な話を雫ちゃんとして2時間が経過した頃、菜月さんと本部に戻り明日に向けて準備していた
命運教との決戦に備え私は早めに寝ることにした
・・・
無線で他の幹部に菜月さんが呼びかける
「さぁお前ら突入だぁ!!!」
ここから命運教との決戦が始まる...
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