エピソードⅤ 修行と力と鬼教官
修行編もいよいよ大詰めになってきました。
前回から引き続きありがとうございます。
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綻びから2日経ったある日
「今日から築の修行に入るとするかぁ」
と菜月さんに言われた、綻びからの2日間は巧に教えて貰った制御方法や纏の精度を高めていたのだ
「もう私が教えれるのも今日と明日だしな
なんなら今日築と砲の2つとも身につけてもらっていいくらいだ」
とぼやきつつ、色々な模様が書かれた紙を渡された
「この模様は全部魔力の構築するための陣でそれぞれ効果が違う、この中から3種を作ってもらう」
そう言って私に渡した紙を回収して3種だけまた私に渡した
「これの紙は構築魔法の紙と強化魔法の紙と合成魔法の紙なんだけど、これは九音の能力を活かす為に厳選した」
そう言われたので私は
「そういえば私の能力ってなんなんですか?」
と菜月さんに聞くことにした
「まぁまだ秘密でも良かったんだけど...あの時銃を作ってたしまぁいいかぁ」
と言いながら
「九音の能力は三重能力で簡単に言うと能力が3つあってそれが重なってる状態みたいな感じなんだよね
だから能力の前に魔力操作を身につけることで必要な能力が安定して使えるようになる、ついでに魔力も安定するから魔力暴走を起こすことが無くなるって訳」
そう言って話を続ける
「まず能力だけど1つ目に"改造"まぁ言葉の通りなんでも改造できる能力だな、おそらく見た感じ改造の規模によって魔力消費が変わるっぽい
2つ目に"創造"これもなんでも創造出来るかな、といっても無から創造するのは魔力消費が激しいし何かを媒介にするのが現実的かも媒介の場合は変化させる規模で消費は変わるね
3つ目は"付与"これは恐らく九音の魔力を消費して色々な効果を付与できるっぽい、でも付与できるのはあくまでも強化とか受け手の害にならないものだけっぽいね、害になるものは多分受け手の防衛本能で消されるって感じ?かな」
と詳細に私の能力のことを教えてもらったがひとつ疑問ができた
「あの〜どうして私も自分の能力を知らなかったのに菜月さんは知っているんですか?」
そう質問すると菜月さんはキョトンとしながら
「あれ?九音に私の能力言ってなかったっけ?」
「教えてもらってないですね」
「まじかぁ...じゃあ教えるけど、私の能力は"電脳"電気を操ることが出来る能力でそのオマケに脳が超早いスピードで処理を行ってくれるの」
「と...言うと?」
「ざっくり言うとスーパーコンピュータの200倍位の処理速度があってそれによって様々なものを解析できるんだよ」
「もはや想像もつかないですね...っていうかそれ聞く限りだと解析の方がメインじゃないんですか?」
「あれ?バレた?」
そう言ってケラケラと笑う菜月さん
「もしかして...その解析の結果で築の魔法陣構築を決めたんですね?」
「That's Right!! 構築魔法は創造をする感覚を掴めると思うからね、強化魔法は付与に使えるのもあるけど、本人が戦えるようになって損は無いしね、そして合成魔法は改造と同じで元のものを変化させるって部分で扱いの練習になるから〜」
と嬉しそうににこにこしながら
「まぁとりあえずモノは試しだよ、構築自体は学校でもやってるから大丈夫だと思うよ?」
そう言われたので私は試しに強化魔法を構築してみる、構築というのは数学に近いと個人的に思っていて答えとなる魔法を出すために脳内で途中式を作り組み立てていく様な..感覚と思っていると魔力が急に安定して崩れにくくなった、この感覚は魔法を組み立てれた感覚で後は組み立てた魔力を流すと魔法が発動するといった感じ試しにやってみると私の体に仄かに光る膜が覆っている試しにジャンプしてみると天井に手が着くほどに強化されていた、その後も多少手こずりつつも何とか5時間程で3種類とも使えるようになった
「いやぁそのペースははっきり言って異常だね〜やっぱり能力が3つもある影響なのかな〜」
と菜月なんはしみじみと言っている
「それじゃっ締めくくりの基礎特訓最後"砲"の特訓といこうか」
そう言うと菜月さんは壁にあるスイッチを押す
するとトレーニングルームの壁が空きそこからマネキンの様なものが出てくる
「砲の修行は今までの集大成だよ、この的を破壊出来ればその時点で終わり」
菜月さんはそう言いつつお手本を見せてくれた
指を銃のような形で魔力を操作しているのだろう指先に魔力が集まったと思ったら...その瞬間
ドゴォォンと大きな爆発音のような轟音を鳴らし的を跡形もなく消し飛ばした
「まぁこんな感じ?」
「ざっくりしすぎて参考にあんまならないです」
私がそう言うと肩を竦めて
「じゃあ詳しく理論でいこうか、砲自体は操と築がメインで使えればさっきみたいにできるんだよ。
そもそも魔力を外に放出するのは操でもできる
なら操と砲の違いはなんなのかって言うと、操は魔力がずっと繋がってるんだよ、例えると操は体の一部を伸ばすような感覚、対して砲は魔力を集めて一気に魔力の繋がりを絶って放出させることで遠距離に効果的な攻撃ができるんだよ」
なるほど...意外とわかりやすい、私はまず受で身体に流れてる魔力を操と併用して指先に集めていくその時に指を保護する目的で手に纏をしておき集まっていく魔力を築を使って圧縮していく狙いを定めつつ
放出した瞬間、的を菜月さんがガードした
「何するんですか〜これじゃ威力がわかんないし合格にもならないじゃないですか〜」
そう私が抗議すると菜月さんは引きつったような顔で
「いやぁすまんすまん、流石に本社のビルを貫通されるのは困るからね、砲の修行は合格でいいよ」
そう言われ私は腑に落ちることは無かったがとりあえず基礎修行は完了した。
「これはアイツらビビるんじゃないか...?」
そう独り言を話していたので私は気になっていたことを聞くことにした。
「菜月さん、そういえば前にお会いしたギルドマスターの皆さんのこと私何も知らないんですけど...」
そう聞くと菜月さんはハッとした様な感じで
「そういえば要件だけ聞いてさっさと終わらせたんだっけかじゃあ軽く説明するかな、まずギルドって言うのは4つの地方で分けられててね各地方を縄張りにしてるのがアイツらギルドマスターってわけ
まずあの訳の分からんピエロが北海道を縄張りにしてるチームクラウンのマスター化神影
次に態度もデカイデカブツが東北と関東地方を縄張りにしているチームコードのマスター進導律
そしてあのフード被ってた根暗のど陰キャが中部と近畿地方を縄張りにしてるチームサモンのマスター浄念領
最後に白衣を着たマッドサイエンティストが
中国と四国と九州を縄張りにしてるチームレインのマスター薬研地改って感じかな」
ちょいちょい菜月さんからあの人たちえのなんとも言えない様な悪意が乗った説明を聞いている最中
「今菜月の魔力が結構な出力で出たけど何事?!」
と翔真が駆け込んできた。
「ちょうど良かった、明日から菜月の特訓をしてやってくれよ、任せたからな!」
と菜月さんにあしらわれていた
翌日、トレーニングルームに行くと翔真と志波さんが待っていた
「今日から試験日までみっちりと特訓していくつもりだからよろしく〜!!」
と翔真に言われつつ、銃と刀を渡された
「まずはこれを創造してみて!」
と翔真に急かされたので念じるように作っていく
そうすると意外にもすんなりと作れてしまった
翔真はそれを見て
「泰我〜これ打ってみて〜」
そう言って銃を渡す、志波さんが銃を打った瞬間...銃はバラバラになってしまった、刀を再現元と撃ち合って見たところポキンと折れてしまった。
「今日はこれがしっかりと再現出来るまで終わらないからね〜」
「ずっとですか?」
「勿論!!」
そういわれ私はこの鬼教官2人にみっちりと絞られつつ試験日を迎えるのだった
書いてて少し分かりにくい描写があったので補足
ギルドは4つのチームに分かれていて
そのチームのリーダーをギルドマスターと呼称しています