エピソードⅢ 修行と幹部とギルドマスター
前回に続き読んでくれてありがとうございます!!
不明点や改善点などは教えて応援してくれると嬉しいです!!
能力事件対策組織に研修生として
入社して数日 菜月さんに
「研修生として入社してくれる事を家の人や学校の先生に報告はした?」
そう言われ、私は目を見開いて
「あっ...」
と言うと全てを察した菜月さんが
「まぁ普通はこんな入社とかしないし言ってなかったのはこちらのミスだから 済まない
一応私から親御さんには伝えてあるが親御さんからは本人の口から聞いたら許可する...と言っていた
学校には私から伝えておこう
九音は親御さんに伝えるのと本社に行くから荷物の準備をしておいで」
と言われたので私は頷き、会社を後にした
家に帰ると
「おかえり〜」
とリビングからお母さんの声が聞こえた
私がリビングに行き、能力者に襲われたこと 能力者になったこと 魔力暴走をしないように鍛えるために菜月さん達に着いていくこと やりたい事が見つかったことを伝えると
お母さんが
「貴方が自分からやりたい事ができたなんて最初に電話であっちの人から聞いた時には信じられなかったけど...今のあなたを見てあぁ..本気なんだなってそう思えて良かったわ本社は東京だって聞いてるから荷造り手伝ってあげる」
そうお母さんは言ってくれて私はホッと胸を撫で下ろし二人で荷造りを進めた
荷造りが終わり会社に行くと入口で菜月さんが翔真と二人で待っていた 2人が私を見つけると
「おっきたきた〜」
と翔真が出迎えてくれて
「それじゃあ移動しようか」
と菜月さんが言い、私は少しビビっていると
菜月さんが笑いながら
「今回は空飛んで行かないから安心していいよ」
と教えてくれた
その後菜月さんの部下の人が車で迎えに来てくれたので
私達はそれに乗り込み出発して行った
私は新天地に不安がありつつも期待に胸を躍らせていた。
数時間車での移動で私がうたた寝していたら
「そろそろ着くよ」
と菜月さんが声をかけ起こしてくれた
着いて車の外に出ると
東京は私の住んでた街にあったものよりも大きいビルがそこかしこに建っていて圧倒されていると
「いやぁ〜田舎娘って感じでいいよ〜」
と翔真がよく分からないことを言って鼻の下を伸ばしていたので なんとなく蹴りを入れておく
おぐぅと翔真が腹を抱えていたがすぐに何事も無かったように
「それはそれとして...ようこそ本社へ〜」
と歓迎してくれた
「この後だけど今任務で居ない幹部を除いて顔合わせ その後にちょっと面倒な事があるんだけど...まぁそれは後で説明する」
そういうと菜月さん達は私を会社に案内してくれた
私はそれにビクビクしながら着いていくと
シックな見た目の大きな扉の前で菜月さん達は立ち止まり
「さぁここだよ」
と言って扉を開けて入っていったので意を決して入ると部屋の中には いかにも頼れる感じという雰囲気の
ガタイのいいイケてる男の人と優しそうな顔をしている大柄の男の人が立っていた
思わず私の姿勢が良くなる 少々緊張していると
翔真が
「こんなごつくてむさいヤツらに出迎えられたらそりゃ怖いでしょ〜」
と後ろから私の方に手を置いてリラックスさせてくれるように部屋の2人に言う。
「じゃあお互い自己紹介していこうか」
と菜月さんが言い互いを座らせる
まずイケてる男の人が
「俺の名前は志波泰我これからよろしく」
と落ち着いた感じで自己紹介をし
次に大柄の人が
「俺は久磨巧これからよろしくね」
と自己紹介をする
こっそりと菜月さんが
「2人とも新人の子が来るなんて初の事態で緊張してるだけだから 普段通りやればいいよ」
と私にアドバイスしてくれたので
「私は造隼九音です! これからよろしくお願いします!」
と言うと2人とも
「「元気がいいな」」
と褒めてくれた
巧さんが私に
「俺のことは呼び捨てでいいから 仲良くしようね〜」
と私の緊張をほぐそうとしてくれる
そんな時間がある程度過ぎていくと
コンコンと扉を叩く音がし黒服の男の人が入ってきた
「菜月さん あの方たちが到着致しました」
そういうと菜月さんは
「九音 いまから君にはこの組織の下部組織“ギルド“のトップ達にあってもらう」
と説明してくれた。
すると翔真が
「え〜なんであいつらと会う必要があるの〜?」
とやる気なさげに菜月さんに聞く
そうすると菜月さんもなんとも言えない顔をして
「いきなりこの組織の幹部になる...といっても研修生なんだがそれを下の人間にも説明できる正当な理由がいるとかなんとかで九音に課題を出すとか言ってんだよ」
「あ〜でもまぁあの人たちも下の人に苦労してるんじゃない?」
と巧が2人を宥める
「あの〜ギルドってなんですか?」
と恐る恐る聞いてみると
「ギルドってのは5年前から能力者が現れると共に地球にできる別世界から地球に侵略するために地球に繋がる扉 通称"ゲート“と地球の一般人を人柱として生まれる空間 通称"綻び"この2つを何とかするために能力者を集めてそれにあたるのがギルド、そいつらを管理してギルドで手に負えない仕事や能力で犯罪に走る奴を何とかするのが私達"レイブン"だ」
と菜月さんが説明してくれた
翔真も
「まぁ細かいことはおいおい覚えてきゃいいんだよ
まぁ菜月ちゃんなら大丈夫だよ」
と励ましてくれて
志波さんも
「まぁ菜月が推薦するって事は相当に見所があるからだ だから九音ドシッと構えてりゃいいんだよ」
と私を気ずかってくれた。
菜月さんが諦めたように
「じゃあ九音 行きたくないけど行きますかぁ」
と行ったので二人で部屋を後にする
少し歩いたところにある部屋には談話室と書かれていてそこに二人で入ると4人の男の人が険悪そうな微妙な雰囲気の中で各々が待っていた
陰鬱そうな雰囲気のパーカーのフードまで被っている人 かなりの大柄で半分寝かかっていた人
眼鏡をかけた白衣をいている研究者のようなスマホを弄っている人人
そしてピエロのような白塗りメイクをしてトランプをシャッフルして暇を潰している人がいた
入ってきた2人に気づくと
「遅い」
「だいぶ待った」
「こっちは忙しいんだが」
「待っていましたよ」
と各々が菜月さんに文句を垂れている
菜月さんは面倒そうな顔で
「じゃあ単刀直入に聞こうお前らが用意した九音に課すみなを納得させる課題ってなんだよ」
と言うとピエロのような人が
「簡単ですよ...菜月さんと戦って実力を示してもらいます」
そういうと菜月さんは
「却下だ 場数も違いすぎるし何よりもフェアじゃ無い」
とそういうと扉が開いたので咄嗟に振り向くと
「なら菜月 お前は能力を禁止する そして魔法のみで戦う 修行期間として二週間設ける その間に幹部クラスから修行を積むこれでどうだ?」
和服を着た私より少し大きい160cmくらいの女の人が提案をしてきた、菜月さんは大分嫌そうな顔をして
「誰だ?寄りにもよってこいつを連れてくるなんて」
そういうとピエロの人が
「私です 菜月さんにごねられたら面倒だと思いまして」
とケラケラと愉快そうに笑いながら言った
私は菜月さんに
「この女の人は誰ですか?」
と聞くと菜月さんは
「この組織レイブンを支持してる組織のトップ
素晴らしき青空の会 会長川竹夢奈だ」
と教えてくれた
すると夢奈さんは
「これで文句は無いだろう?」
と菜月さんを煽るように言ってきていた
菜月さんは「わかった、だけど1つ条件だこの場にいる全員が試験官として同席すること」
そういうとこの場にいた全員が多少面倒そうな顔をしつつも了承してこの場はお開きになった
「さぁってと 明日から二週間能力の制御や魔力操作の修行だ だから社宅に案内するから今日はゆっくり休んで」
そう言ってそそくさと部屋を出ていったので
慌てて着いていく
そして本社から歩いて数分 しっかりとしたアパートに案内された
「ここが社宅 向かいにコンビニがあるから晩御飯は悪いけどそこでお願い」
と菜月さんは言って部屋の鍵をくれた
アパートとは言っても部屋数が少なく人部屋がそこそこ広かったので初の一人暮らしに胸を躍らせつつ
荷物の荷解きをおこない、区切りをつけコンビニでご飯を買って食べ 歯磨きして寝ることにした
明日からの修行に期待と不安を抱え眠りについた
翌日本社に行くと 菜月さんにトレーニングルームに案内された
「今日から1週間私が基礎を教える」
そう言ってまず魔力創作の基礎を教えてくれた
「基礎修行は5段階あって
まず魔力を感知する受
自分の魔力を操作する操
自身に魔力を纏わせる纏
魔力を構築する築
魔力を放出する砲
のがある今日から1週間でこれらをマスターする」
そう菜月さんは言う
「まぁ最近は学校でも魔法の授業とかもあって
受と築はすぐにできるだろう まず私が九音に魔力を流す それを感じ取れたら受はクリア」
そう言って私の手を掴む。
段々と手が暖かくなっていきそれが体に巡っていくのを感じる、巡ったものが反対の手から戻っていく
「これが魔力を感じるってことなんですね」
「そう それにしても九音は筋がいい
いくら授業で魔力を扱っているからって最初は細かく魔力の流れが分からない人が多いからね」
菜月さんはそう言って私の頭をポンポンと撫でる
少し恥ずかしさもありつつ撫でられていると
「じゃあ次は操の訓練だ」
菜月さんはそういうと私から20mほど離れたところに空き缶を置いた
「九音は魔力暴走を起こす前あの能力者の攻撃を光の膜みたいなので防いだでしょ?」
と聞かれたのではいと返す
「それは無意識的に魔力が放出されたことによって起こったものだよ つまり放出した事無い普通の人よりも操作するのが簡単ってことだよ 試しに魔力を伸ばすイメージでやってごらん?」
そう言ってやることを進める
試しに手を伸ばすように魔力を操作しようとしてみる
自分の手が伸びていくようなぐにゃぐにゃとした不思議な感覚があったが
5mを超えたか位のところで急に操作しずらくなっていく7mを超える前に魔力が途切れてしまった。
「はぁはぁはぁ」
身体中から汗が吹き出し息が上がる まさか魔力を操作するだけでここまで疲れるとは...
「お疲れ様九音 初めてであそこまではなかなかいいペースだよ あれよりもっと伸ばそうと思うとイメージの精度をあげる必要があるかな 精度が上がっているとどんどん伸ばす距離が伸びるからね」
と菜月さんは労ってくれた
「試しにお手本を見せようか」
そう言って菜月さんは私の右手を握る、空いている手で私がやったように魔力を伸ばしていく
私の操作と違いブレがほとんど無くぐにゃぐにゃもしてないなんというか 舗装された道路のように整った操作を感じた。
「このイメージを忘れないで」
そう菜月さんは言って更に魔力を伸ばしあっという間に空き缶に届き空き缶を持ち上げた
「今日のところはここまで 明日もう一度やってみようか、お疲れ様 早く寝て体と魔力を回復されるんだよ」
朝早く来たはずなのにいつの間にか日が傾くかと言う時間になっていた
私は菜月さんに挨拶をして本社を後にする
今までになかった達成感とチャレンジ精神を感じつつ今日は早めに寝ることにした
翌日トレーニングルームに早めに来て操の個人練習をしてみた
昨日の感覚があるからかある程度スムーズに伸びていく途中操作しずらくなったこともあったが落ち着いてゆっくりと進めていくと何とか空き缶についた...が
空き缶に触れた時に空き缶がぐちゃぐちゃに潰れてしまった
「おはよぉ〜 今日も早いね〜」
と言いながら菜月さんがトレーニングルームにきて
潰れた空き缶を見て目を見開く
「九音...これってもしかして操作した伸びた魔力で触れた?」
と聞かれたのではいと答える
すると菜月さんは少し考えるような神妙な面持ちでいて、少しの間があいて菜月さんが話した
「操は本来ならこれでクリアでいいだけれども九音の場合威力の操作もいりそうだね」
菜月さんはそう言うと空き缶を大量に持ってきた
「これで魔力の威力操作をしよう 魔力を缶に込めていく 強過ぎると缶が壊れるから慎重にね今日はこれをずっとやるよ、私はちょっと任務があるから出てるね」
そう言って缶を渡されたので試しにやってくる
昨日の操作したくらいの強さで満たそうとする
だが魔力が缶に少し入った程度で破裂してしまった
まだまだ缶は沢山あるので次々にイメージしつつやってみたがやはり少し入れると破裂してしまう
頭を捻っていると翔真が様子を見に来た
「やっほ〜ってもう操の修行なんだ!早いじゃん!」
と元気づけてくれる、翔真なら感覚を知っているかもと思い試しに聞いてみる
「今空き缶に魔力を満たす訓練をしてるんですけど少し入れるとすぐに破裂しちゃって...」
缶に魔力を込めたものを見せながら言う
そういうと翔真は少し考えた後に
「なるほど...わかったよ」
そう翔真がいうと2種類の大きさの違うバケツを持ってきた
「今の九音ちゃんの魔力を体内から出してるのがバケツだとして今がこれ」
とかなりの大きさのバケツを見せる
「そして缶に入る限界がこれ」
と幼稚園児が砂遊びする時に使う程度の大きさのバケツを見せる
「二つの入る量の差が分かりやすいでしょ?
魔力を外に出すのは簡単に言うと蛇口を捻るようなものなんだよ、今の九音ちゃんは大きいバケツがすぐ満杯になる位の量を小さいバケツに入れようとしてる訳だから直ぐに破裂しちゃうんだよ、だからイメージで蛇口をほとんど閉めた時のようなチョロチョロとした水で満たしていく慣れてきたら段々と蛇口を開けてくみたいな感じでやればやりやすいんじゃないかな?」
そう言われ まさに目からウロコだった
まさか魔力の操作以前に元から耐えられないとは思わなかった。
「ありがとうございます!!」
と力強く感謝を伝えると翔真は笑いながら
「役に立てたなら良かったよ、頑張って!!」
そう言って外に出て行った
翔真の助言を元にやって見ると最初の方がもどかしいほどの溜まるスピードだったが何個か失敗した後やっと1つ満たすことが出来たその後も失敗しながらやっと安定してできるようになった、その後も幾つか作っていると菜月さんが戻ってきて
「おっ出来てるじゃんなら最後にもう一度魔力を伸ばして見ようか」
そう言われたので試しにやってみると朝よりもスムーズに綺麗に伸びていくあっという間に缶に魔力が着いてそのまま持ち上げることが出来た
「やったぁ! できた〜」
とテンションが上がりつつはしゃいでいると
パチパチパチと拍手をしつつ菜月さんが
「流石に驚いた まさか2日で2段階まで終わるとは...
過去最高の記録だよ 今日はゆっくり休んで
明日は一旦休み、また社会見学をしに行くよ」
そう言われたので了承し帰路についた、
私の能力者生活はまだまだこれからと
力を込め決意を新たにするだった。
読んでくれてありがとうございます
修行編もここからなので次回もよろしくお願いします