エピソードⅠ 憂鬱な少女の邂逅
この度初投稿です。
至らない点などはご容赦ください。
気になる点などありましたらご指摘のほどお願いします
私の人生において運命が決まる時はいつも閃光のような輝きに包まれる時であった。
「はぁ...最悪だぁ」
季節は既に8月に差しかかろうかという夏休み序盤
私、造隼九音は高校三年生の大事な時期に友人の鈴羽凛と共に基本魔法学の授業の補習に出ていた
...と言っても私は本来補習ではない、なのに何故学校に来ているかというと..私だけ進路希望の調査票が出ていないからだ、そのおかげで担任の葉山渚先生に補習後面談をするからついでに補習にも参加しろと言われたわけだ
「まぁまぁ九音は私と違って成績もいいんだし今日は防御魔法と回復魔法の基礎しかやらないって先生も言ってたし終わった後も九音の事待ってるから...ねっ」
そう言って私を励まそうとする凛だが私は進路の事で頭がいっぱいだった。
大体何が魔法だ、5年前に地球で度々起こった地震の後に能力者と言われる人間が次々に現れるようになったとか、その能力者から身を守る手段として一般の人間にも魔法が使われるようになった..と先生から聞いたがぶっちゃけ騒がれていても実際能力で人を襲う輩など私の周りでも見たことも聞いた事も無い
確かに3年前辺りは能力者が爆増した影響で学校が休校になったり海外ではテロのような行為が起こったことは知っている、だがもう既に法で取り締まっているのだから私はあまり気にしていなかった。
補習を特に問題もなく終わり凛と別れ私は職員室のドアを開けた
「失礼しま〜す」
職員室内に声が響く、辺りを見渡しても渚先生はいなかった。
「わっ!」
そう後ろから声がすると共に肩に手を置かれ思わず
「きゃふっ」
っとなんとも愉快な声が出てしまった..屈辱だ
「ハッハッハ!!今日も相変わらずだな 九音」
と先生は豪快に笑ってみせた
ジッと先生を睨むと先生は「冗談 冗談〜」っと誤魔化す。
「そんな悪ふざけをするためにここに来たわけじゃ無いんですけど」
そういうと先生は肩を竦め
「まぁまぁ、ひとまず会議室で話そうか」
そう言われ、色々と言いたいことはあったがこれ以上何を言っても無駄な気がしたので黙って着いて行った
会議室に着き中へ入ると先生は私に
「まぁ座れ」と言われたので大人しく席に着く
「それで?九音進路の希望は決まったのか?」
と聞かれたので
「いいえ、私はまだ何になりたいか決まってないので」と返した
先生は頭を掻きながら
「お前なぁ もう高校三年生だぞ? やりたいことが決まってないなら大学にでも行っておけばいいんじゃないか?」と私を諭すように言った。
「まぁそれでもいいんですけど」
と適当に返しておく、そもそも私は成績も真ん中で特に優秀な部分も無い特に取り柄も無く特技も無い人間で特に興味あることも無いと無い無い尽しで先生も頭を抱えるレベルなのだ
「まぁ九音 お前の言いたいことはわかったでもお前の進路の問題だから夏休み終わり迄に進路を決めておくこと」っと投げやりに先生は締め
「もう帰っていいぞ」と言われたのでさっさと帰ることにした。
「おっ疲れ様〜九音!!」
凛が元気よく声をかけてきたので
そのまま並んで下校することに
「それで〜?進路は決まりそうなの?」
と凛が尋ねてきたが、私の渋い顔を見て全部を察したらしい
「あらら〜 まぁ九音はいい子だから大丈夫!」
と何が大丈夫なのかよく分からないフォローを受けていると。
「おい」
と後ろから声をかけられた、しがれた男の声のようだった
私は不審者だと思い凛を連れて走って逃げたが男は私たちの前まで飛んで立ち塞がってきて
「俺が誰かわかるか?」
と聞いてきたが見たこともない、凛の方を見ても知らんと言わんばかりの顔をしていてその顔を見て男は
「そうか やっぱりかぁァァ」と絶叫
体が住宅地の塀を超える位まで膨れ上がった
逃げようとしたが足が震えて動かない
凛が急にガクりと倒れた どうやら気絶してしまったようだ
それを見た男はこちらに突進してきた。
私は学校で習っていた防御魔法を咄嗟に展開
男は急にできた障壁にぶつかった
チッと舌打ちをしながら障壁何度もを殴っている
障壁に段々とヒビが入っていき、バキィと轟音
障壁が割れその衝撃で凛と共に吹っ飛ばされた
男はニヤニヤ笑いながらジリジリと距離を詰めてくる
私は咄嗟に凛を守らなきゃと思い凛の前に立ち
「凛には絶対に手を出させない!!」
そういうと男は
「何も出来ないお前が何をするつもりだァァァ」
と拳を振り下ろした。
私は死を覚悟し目を閉じた...が一向に当たった感覚がしない
私は恐る恐る目を開けると光の膜の様なものが男の拳を防いでいる
男はグガァァァォと絶叫しながら
「お前もそんな目をするのかァァ」
と叫ぶその瞬間
ダァンという雷の様な轟音とともに眩い閃光が辺りを包んでいく。
目がチカチカとするなか段々と目が慣れてきて見えた光景は 高身長の女の人が倒れたさっきの男の上で座っていた 女の人はスマホを取りだし
「翔真こっちの仕事は終わったぞ襲われてたのは女子高生2人こっちに応援を送ってくれ」
と話していた
立ち尽くしていた私に女の人が気づいて
「災難だったがよく耐えたな」
と労ってくれた。
私は安堵で地面にへたりこんでしまった
その時急に頭が痛くなる、動悸もしていて私は何が何だかさっぱりだった、かすかに聞こえたのはさっきの女の人の声で
「少し我慢していてくれ」
と聞こえた瞬間私は意識を失った。
目が覚めると私は見覚えのない場所にいた
私が目が覚めた事に気づいた女の人は私に向かって
「ようこそ! 能力事件解決組織へ!!」
と私に言った。
この時私の運命が大きく動いた予感がした。
どうもユキです。
この度はこの真昼の彗星を読んでくださりありがとうございます。
初投稿ということもあり苦心しながら作り上げた本作
また続きもよろしくお願いします!