#19 スリルを求めて
惑星バミリオン。そこに暮らすバミリオン人は、文明が高度に発達しており、クレッセントをはじめとする地球人のグループとは、比較的友好な関係を築いていた。
そんなバミリオン星へ降り立った2人の少女。バミリオン人の警備隊が、事情を伺いに来た。
「地球人。君たちは誰かね」
身元を問われた2人のうち、車椅子に乗った金髪の少女が答えた。
「ザ・バズーカ、暇人さ!」
一方、オウル・コロニー。
アリーヤはフロルに、質問をいくつかした。
「バズーカって人とはどこで知り合ったの?」
「UFOにさらわれた後さ。さっき、レジスタンスの職員にも言ったけど、さらわれたのは僕だけじゃ無い。合計で200人いる」
200人、と聞いてアリーヤは驚いた。
今度はコアが質問をした。
「どうして200人もいるとわかるんだ?」
「デッド・オリオンってとこのスパイに教わったんだ。」
「スパイ?」
「デッド・オリオンに密かに潜り込んでるスパイらしい。黒髪で、オレンジ色の左目が特徴だ。知らない?」
「その人が、ザ・バズーカとフロル達を助けてくれたの?」
「そうさ。名前は知らないけどね」
すると、アリーヤの通信機にジーンからの通信が来た。
「お話中に失礼、ザ・バズーカが惑星バミリオンへ逃げたのは承知ですね。我々は人手が足りないので、ザ・バズーカを連れ戻す事をあなた方に依頼します」
それを聞いて、アリーヤは戸惑う。
「お言葉ですが、ジーンさん。私やマイク達はザ・バズーカさんたちがどんな人達なのか分かりません。せめて情報があれば、何とかなりそうなのですが……」
「そちらに居るコアを使ってください。コアの記録データには、ザ・バズーカ等の子どもたちのデータもあります。」
こうして、アリーヤ達は惑星バミリオンへと向かう事となった。
コアの操縦で小型宇宙船は、赤みがかった惑星バミリオンへとたどり着いた。
惑星バミリオンの地上に降り立った、アリーヤ、コア。バミリオン人の警備員が、アリーヤ達の下へやってくる。
「地球人、きみはだれかね?」
「私はアリーヤ。地球人2人を、迎えに来ました。」
「ジーン総帥から連絡は来ている。ここへ来た地球人、ザ・バズーカと、ガブリエラを何とかしてくれ。」
パンタロン型のズボンを履いた、バミリオン人の案内人がやって来た。
「バズーカとガブリエラは、我らの王、バミリオン29世と共にバミリオン城に立てこもっている。理由は分からないが、何とかしてくれ」
「分かりました、何とかしましょう!」
コアとアリーヤは、バミリオン城内部へ入る事を許可され、2人は城内へと入っていった。
城の内部に浮かぶ、エレベーター型の大型カプセルに乗り、最上階まで行く、アリーヤ、コア、案内人。その途中の階では、図書館が見えたり、大きな厨房が見えたりした。最上階に着いたアリーヤは、王室のドアが開くと共に、室内へ入った。
そこにはバーチャル映像のチェスのような遊びに興じる、バミリオン王と2人の地球人がいた。
車椅子に乗った金髪の少女が振り向いた。
「久しぶりだな、アリーヤ」
アリーヤは思わず、目を見開いた。
「オレの名はザ・バズーカだ。よろしくな、ダーリン」
アリーヤに対し、“ダーリン”と言ったその人物。次の瞬間、アリーヤが口を開いた。
「違う……あなたの名前は、ザ・バズーカじゃ無い。」
「じゃあ何だってんだ?」
「ブリトニー・スミスよ」
アリーヤは、ブリトニーのもとへ近づき、事情を聞いた。
「どうしてこんな事をしたの?」
「とにかく、オウル・なんとかって所はヒマなんだよ。オレはスリルを求めて、このバミリオン星ってとこのトップになってやろうと、来たんだ」
「王様って、けっこう大変だよ。仕事はいそがしいし。」
バミリオン29世が、二人に言った。コアもアリーヤにたずねる。
「つかぬ事を伺うが、アリーヤとブリトニーはどういう関係なんだ?」
「オレとダーリンは許嫁なんだ」
「ブリトニーはだまってて!あと、ダーリンって呼ばないで!」
アリーヤは、その場にいる皆に、真実を話し始めた。
「私とブリトニーは、4歳からの幼なじみなんです。同じ子ども園に通ってて、その時は、お互い気が合ったし、仲がよかったです……」
「オレは4歳の頃、1人でヒマをつぶしていた。その頃は友達なんてのは、いなかった。ダーリンに声をかけられるまではな。オレたちはすぐに親友になった。それからずっと、ダーリンとオレは親友同士だった」
「今は親友じゃ無い。」
「冷たいこと言うなよ、前にダーリンに濡れ衣を着せた事は謝るからさ、許してくれよ、な?」
「これからもう、悪いことはしないって、断言できる?」
「もちろんさ!許してくれるか?」
アリーヤは目を閉じた。彼女はしばらく、その場に立ちながら、上を向いたり、下を向いたりしていた。
ガブリエラが、ブリトニーに聞いた。
「あいつ何してるの?」
「静かにしろ、考え中なんだよ、アリーヤは」
注意をするブリトニー。やがて、ブリトニーの方へ向き直し、目をひらいたアリーヤは、真剣な表情で、ブリトニーを見た。
「私に濡れ衣を着せた事は、過去の件ですし、許します。1つだけ、条件があります。」
「何だよ」
「あなたがいままで迷惑をかけた人達に、あやまって下さい」
「わかったよ、謝りゃいいんだろ?ごめんよ、バミリオン24世」
「わしは29世じゃよ?」
いつの間にかバミリオン王は、自分の椅子でまったりくつろいでいた。
こうしてアリーヤとコアは、惑星バミリオンからブリトニー(ザ・バズーカ)、そしてガブリエラの2人を、オウル・コロニーへ連れ帰った。
「またこうして会えるとはな!うれしいぜ、アリーヤ!」
「無事で何よりだね」
久々の再会自体には、うれしそうなアリーヤだった。
つづく……
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