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ピンク・スコーピオン!!  作者: 水柴ロク
18/25

#18 西へ

挿絵(By みてみん)

 オウル・コロニーの街の中。西の方角へと走っていくアリーヤ。

アリーヤのカメラは、相変わらず光を放ち、西の方角を指し示している。アリーヤの後を追う、コア。

「その光は何なんだ?」

「誰かが助けを呼んでる……きっとそうに違いない!」

アリーヤは、裏路地にたどり着いた。そこには、マイクがいた。

「マイク、どうしたの!?」

「たいした事はねえよ、ちょっとケガしただけだ」

マイクは、足に包帯を巻いていた。

そこへ、濡れぞうきんを手にしたフロルがやって来た。

「お仲間ですか。」

「あなたは?」

するとコアが、フロルの顔を分析し、こう言った。

「きみはフロル・ベレゾフスキー。デッド・オリオンにさらわれたうちの一人だね?」

「ああ、あのUFOね。あいつらはいったい、何なんだ?」

そこへマイクが口をはさむ。

「おい、そんな事より、ここから逃げろ!」

マイクは、アリーヤに自分から離れるように言った。

「どうして?何かにおそわれたの?」

「アリーヤ、きみにはきみの、するべきことがある。おれに構うな」


「優しいねぇ、イトウ・マイク」


路地裏の屋上に、フウマと数人の部下が立っている。

「でも、キミタケ様からは逃れられないよ。そこにいる全員ね」

フウマは右手で指をさしながら言った。

「まて、こいつらは関係ないだろ!」

「関係あるよ。イトウ・マイクと関わった時点でね。」

「あなたはマイクの何なの?どういう関係?」

アリーヤの問に、フウマはニヤリとした。

「知る必要は無いよ!」

フウマはアリーヤやマイク達に向けて、手裏剣を投げた。するとアリーヤのカメラがまた、ピンク色に発光し、フウマが投げた手裏剣は空中静止した。

「何ッ!?」

アリーヤがマイクに右手をかざすと、マイクもピンク色の光に包まれ、宙に浮いた。これにはマイクもビックリだ。

「逃げるよ、フロル!コア!」

フロル、コア、そして宙に浮いたマイクを連れたアリーヤは、そのままクレッセント基地の方角へと走って行った。基地へ戻ったアリーヤ、コア、マイク、そしてフロル。ケガをしたマイクは、病室へ寝かされた。

「あの怪しいヤツラの事は、クレッセントの警察部隊に、密かに通報済だ。」

「これでひとまず安心だね!」

「ヤツラを甘く見るな」

マイクが言う。

「どうして?」

「フウマはこの間のエデン・コロニーに来た刺客よりもはるかに強い……レジスタンスの警察じゃ、歯が立たない。」

「じゃあ、どうすればいいの?」

アリーヤが問う。

「アリーヤ、おれを置いて逃げるんだ」

「そんな事はできないよ、マイクは私の仲間だもん!」

するとそこへ、看護士が部屋へ入ってくる。

「ケガを観ますので、皆さん外へ出て下さーい」

アリーヤたちは、看護士の言う通りに部屋を出た。

「優しい仲間だねぇ、アリーヤは……」

「フウマか」

看護士の正体はフウマだった。フウマは棒手裏剣を取り出し、マイクに迫る。

「それじゃ、このコロニーごと、きみを頂いちゃうよ」

「そこまでよ、フウマ!」

フウマの肩に手を置くアリーヤ。

「おい、止めろ、アリーヤ!」

ゆっくりと、アリーヤの方へ振り向くフウマ。

「お嬢さん、誰を相手にしてるか、わかってるの?」

「手裏剣を、床に置いて」

アリーヤはカメラを手に持った。

「さっきのトリックか。あんなものはもう効かないよ。今に、トリックのネタを明かし……」

そう言った瞬間、アリーヤは両手を上にあげた。

「あれ、降参?」

フウマがそう言った瞬間、彼の体は勢い良く跳ね上がり、天井の壁に打ち付けられた。

「なっ、何だ?」

マイクには何が起こっているのかわからない。アリーヤは怒りの表情で、今度は手を下に下げた。フウマの体は地面に叩きつけられた。

「まさか、念力を身に着けたのか?アリーヤ!」

フウマの部下たちも、クレッセント基地の廊下に寝そべっていた。

「こいつらは、何かに押さえつけられてるのか?」

「分からない」

フロルの問いに、謎の人物・バズーカが答えた。

フウマたちの武器は、クレッセント警察部隊によって直ちに押収され、フウマたち自身も、逮捕された。

アリーヤはカメラの治癒能力をマイクに使おうとしたが、カメラはピンク色には光らなかった。

「一旦、休憩が必要かな」

コアが来る。

「イトウ・マイク・リデルに関しては、クレッセントの病院がしばらく入院させるとの事です。」

「どのくらいで治りそう?」

「割と深い傷を負っていますので、しばらく旅をするのはムリでしょう」

「そっかぁ、仕方がないよね。マイクが元気でいてくれれば、それでいいよ……スコーピオン号にも、お医者さんが居ればいいのに……」

アリーヤとコアは、クレッセント基地の食堂で話をしていた。そこへ、フロルがやって来た。

「やあ、アリーヤ!今度、ウチに紅茶を飲みに来ないか?」

「ええっと、フロルだっけ?遠慮するよ」

フロルは残念そうな表情をすると、アリーヤの向いの席に座り、自身の紅茶に大量のスティックシュガーと練乳を入れ、混ぜ始めた。

「所できみ、バズーカってヤツ知ってる?」

「それ、人の名前?」

「ああ。知ってる?」

「知らないかな……名前はコアから聞いたよ?」

すると、また緊急のブザーが鳴り始める。


(緊急事態!緊急事態!ザ・バズーカと名乗る地球人と、もう1名が脱出ポッドを奪い、惑星バミリオンへ向かった模様!)


アリーヤとコアはそれを聞き、フロルの顔を見た。


つづく

©2023MizushibaRoku

 この小説は、2022年1月に、ブログに載せていたものです。キャラクターの名前、内容はそのままです。

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