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ピンク・スコーピオン!!  作者: 水柴ロク
11/22

#11 救難信号 

挿絵(By みてみん)



アリーヤ・カルティエは地球に住んでいた、アフリカ系の14歳。比較的、平凡な街に暮らしていた。

宇宙犯罪者であるデッド・オリオンに家と街を破壊され、親であるローザを傷つけられたアリーヤは、デッド・オリオンを倒すべく、コアと共に時空移動マシンでデッド・オリオンの宇宙船ごと別の宇宙へ行き、時空移動マシンを破壊する事で、宇宙と地球の平和を守った。


地球へ帰る手段を無くし、ローザのもとへ帰れなくなったアリーヤは、自身を導く謎の声に疑問を持ちながらも、宇宙船を手に入れ、デッド・オリオンのような組織から宇宙を守り、救う事を決心する。


アリーヤは、デッド・オリオンなどの脅威から、人々や宇宙の平和を守るため、デッド・オリオンに対抗するレジスタンスの手がかりを探る。


これから、彼女を待ち受ける運命は……


レジスタンス組織・クレッセントの本拠地、 オウル・コロニーは惑星バミリオンの近くにある。

クレッセントの総帥・ジーンのもとへ、ある情報が届いた。

「ソドム星という惑星で、地球人5名がデッド・オリオンから逃走したようです」

その知らせを聞いたジーンは、ソドム星と、地球人5名の詳細を調べるよう、部下に命じた。


宇宙船の内部で、アリーヤはスマホのメールを見ていた。

「ピンクの光・指し示す場所に、きみは行くべきだ。そこにきっと、希望があるから。」

アリーヤは、エヴァルドという人物から来たメールを読み返した。その人物からメッセージが来たのはそれきりだ。

アリーヤはローザとエヴァルドという人物に、メッセージを送ったが、返事は来なかった。電話の通信環境が圏外であることは知っていたが、つい衝動に駆られてしまう。

「そりゃ来ないよね、宇宙だもん。3人とも、無事かなぁ……」

アリーヤは、ローザ、コア、そしてエヴァルドという人物が、無事であるかを知りたいようだ。コアとの連絡手段は無い。アリーヤは下を向いた。

「……悲しんだってしょうがない、前を向かなくちゃ!」

スコーピオン号の操縦室へ入ったアリーヤは、前方のモニターの一部が赤く点滅していることに気がついた。

「救難信号?」

アリーヤ達は救難信号が出ている宇宙へ向かった。

「おいおい、またかよ」

マイクが文句を言った。

眼の前の宇宙空間に、何か小さな鉄の塊が浮いている。周りに惑星らしきものは無い。

「救難信号はあの個体から出てる。収容しよう」

アリーヤは宇宙船を操作し、宇宙船下部に収納された2本のアームを使って、鉄の塊を引き寄せた。

……

「助けてくれてありがとう、わたしの名はチャーリーです!」

小さな鉄のかたまりから出てきたのは、言葉を話す宇宙スクワールだった。

宇宙スクワールはチャーリーと名乗る。

チャーリーは、こう説明した。

「先週、家族と共に宇宙旅行をしていたのですが、そこで事故があり、そのままはぐれてしまったんです。」

アリーヤは納得すると、チャーリーにたずねた。

「それで、家はどこなの?」

チャーリーは答えた。

「惑星ブルームにある、小さな家です。もしよろしければ、わたしを家まで案内して頂けないでしょうか……」

「分かった!チャーリーを家まで送るよ」

「何いってんだアリーヤ!そんな事してると、レジスタンスとの合流から遠ざかるぞ」

マイクが口をはさむ。

「でもチャーリーの事を放っておけない。チャーリーの家族も心配してるだろうし。」

「あきれたな。キミには人助けの精神がやどっているようだが、それが行き過ぎている。」

「人情深いと言ってよ。ところでチャーリー、家族さんの名前は?」

アリーヤはチャーリーに訊ねた。


「ウペンド・モヨと言います」

チャーリーの答えにアリーヤは驚いた。アリーヤは以前、ウペンド・モヨに助けてもらった事がある。

「その人なら知ってるよ!惑星ブルームに土地を持ってる人でしょ!」

「そうです!その人が私の家族です!」

「知り合いなのか?」

マイクが口をはさんだ。

「ついこの間、助けてもらったんだ!よーし、そうと決まれば今すぐ行こう!惑星ブルームへ、しゅっぱーつ!!」

アリーヤはスコーピオン号の進路を、惑星ブルームの方角へ向けた。

「ところでチャーリー、お腹すいてる?」

「はい、ペコペコです」

「丁度いいや、食事にしよう!リビングで待ってて!マイクさ、惑星ブルームへの道は知ってる?」

「あぁ」

「しばらく船の操縦、頼むね☆」

アリーヤは調理場へ向かった。


「さて、何を作りましょうか……」



一方、惑星ソドム付近の宇宙空間。


コルテスの部下、ジュリアは、デッド・オリオン基地から逃げ出した、7人の子どもの行方を探すよう命じられていた。

「ジュリア少佐!この星域には、我々以外の生体反応は見当たりません!」

ジュリアの部下が報告をした。

「もっとよく探せ」

「はっ」

彼女の部下は返事をした後、持ち場に戻った。
















「もっと遠くへ逃げるんだ、子どもたち」




ジュリアは小さな声で、そうつぶやいた。




つづく

©2023MizushibaRoku




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