朝ごはんと策略
小梅は家事ができる。
そして特に上手いのが料理だ。
何でも作れる。本当に何でもだ。
材料さえあれば三段くらいのケーキだって作れるくらいには上手い。
そんな料理を俺は楽しみにしている。
そう、この日もそうだ。
そんな事を頭の中で説明すること30秒一回のリビングについた。
リビングの机にはもうすでに朝ごはんが並んであり美味しそうな匂いがしている。
「おお…今日はオムレツか」
「ちゃんと切ったらトロトロになるやつだから味わって食べてよね。それ難しいから」
「おお!いやぁそれにしても本当にいつもありがたいな、こんな料理が毎日食べれるなんて、これが俺の楽園」
「そんなに褒めなくても別にちゃんと毎日作ってあげるわよ」
少し照れた様子で言いながら席に座る小梅。
「じゃあそろそろ食べるか!」
最初に大好物のオムレツを食べ、そしてご飯を食うのが俺の食事だ。そしてそれを繰り返していたらもうなくなってしまった。
「はー、美味かった。」
「じゃあお兄ちゃん、お皿は洗っておいてね」
「了解した」
小梅はそう言うと玄関へ向かった。
「おっと、美味すぎて忘れかけていた」
危ない危ないなあいつの料理は記憶を消すほど美味いから忘れかけていたぞ。
「おーい、小梅」
「何?お兄ちゃん」
「入学おめでとうだ」
「ありがと」
そう言うと小梅は少し嬉しそうに笑った。
今日は小梅の入学式だ、今日から高校生となり、兄としては早いなと、思い少し嬉しく思う。
「あ、そうだお兄ちゃん入学祝いに今日ご飯奢ってよ」
「ん、いいぞ」
─たまにはこいつにも優しくしてやらんとな。飯で喜ぶなら少しは奮発してやる。
「わーい、ありがとうお兄ちゃんじゃあ特上寿司頼んでおいてね!」
「おう、任せとけ…え?」
─特上?え?寿司の特上を俺が奢るのか?まあ、いいともう言ってしまっているので取り消しは出来そうにない。
「お…おう!任せとけよ!俺の気分は今いいからな」
「さっすがー、じゃあリビングの机にあったチラシの寿司にしておいてね!」
そう言い残して小梅はそそくさと出て行った。
「リビングの上のチラシね、どんなのだろう」
リビングに戻り、机の上にあったチラシを見た。
「1、10、100、1000、10000、30000、そんな値段が俺の目に飛び込んできた」
そういえばあいつ朝からチラシを見てはニヤニヤしていたな。
「あいつ…まさかこの為に俺の機嫌を良くしていたのか?」
─あいつはチラシを見てから俺の好きなオムレツを作ったりあまり俺に小言を言わなかったりしていたが、そういうことか。
「やはり悪魔だ」
その日俺の財布から30000が飛んだ。そして決意した、俺はもうあいつに踊らされてやらないと。
この小説では悪魔っぽさを出したいんですがなんだか、小悪魔っぽくなってしまってきています。
けど現実だと悪魔ですね。
次はどんな感じにしようか迷っています。
ではまた次回、ありがとうございました。