悪魔が来た日
俺は家でゲームやアニメを見ていたいだけなのに何故かものすごく邪魔が入る。
騒音問題などではない、いや実際俺には歩く騒音問題だが。
それはこの家に住む悪魔が原因だ。
それは必ず朝昼晩欠かさずやってくる。
今日もまたやってきた。
目覚ましの音に目を覚ます、朝日が照りつけるいい朝だ。こんな日には外に散歩でも行ったら気持ちがいいだろう。そんな事を考えているのは観音寺亮20歳だ。
『だがそんな事はしない!!』
─只今の時刻朝4時 Qこんなに早起きして今日は何か予定があるのかって?
Aそんなものはない!
じゃあ何故こんなに早起きをしてるかって?それはゲームをするためだー!!
「さてさて〜今日はどれを完全攻略してやろうかな〜」
これが俺の生活リズムだ 朝起き→ゲーム→寝るこれ以外にやる事は漫画やラノベを見るくらいだ。
まあそんな俺の楽園(自室)に踏み込んでくる悪魔がこの家には住み着いているのだが。
そんな事を考えていると下からガタゴトと階段を登ってくる音が聞こえた、さぁ今日も登ってきました悪魔が。
ドン!!と大きな音を立てて扉が開いた。
その奥には俺より頭一つ分小さな少女いや悪魔が立っていた。
「今日もいい目覚めだなぁ、こんな日にはお前の泣き顔でも見てスッキリとして一日を始めたいよな?」
そんな物騒な事を当の本人に聞いてくるこいつは悪魔(観音寺小梅)だ。
「うるせえ。お前の声も顔もとにかくうるさい」
「なんだと!?声はともかく、顔がうるさいとはどういうことだ…!!」
「そのまんまだよお前の顔は表情が多すぎる、いい目覚めだと気持ち良さそうな顔をするのか、怒るのかどちらかにしてくれ」
「なにおぉ…もう怒った!今からお前の部屋に水でもぶっかけてやる!
何をこいつは言っているんだ最初から怒ってるくせに。だがそんな反論を返すと次は本当に水を撒かれかねないのでやめにしておこう。さわらぬ神に祟りなしと言うやつだ
「分かったよ、すみませんでした反省しましたので水は撒かないでくださいませ、梅さん」
「おい、この前言ったよな?その梅という呼び方を3回言ったらお前の仕事をなくさせると、あと一回だ」
「クソ……覚えていやがったか案外容量のいい奴め」
「これが学年主席の実力だ差がわかったか?」
そうだこいつは家ではこの性格のくせに学校では性格,成績,容姿完璧のエリートぶってやがる。
「わかりました、今回は俺が悪かったですよ。それでなんで俺の部屋に来たんだ?」
「朝ごはんに決まっているだろう」
そりゃそうですよね。
なぜこいつがご飯を作るのかと疑問に思うかもしれないがこれには深いわけは無くただ単にこいつを俺の親が『引き取ったからだ』
別に奪い取ったとかではなく、2年前の冬俺は家でゲームをやっていたが、俺の親が道を歩いているとダンボールがありそこに拾ってくださいと書かれており、普通なら犬か猫だと思うだろう。
もちろん俺の親もそうだった、親もペットを飼いたがってたし、そもそも冬にこんな外に捨てられてるのを俺の親は見過ごせなかったらしい。
だが中に入っていたのはまさかの小さな女の子だった。
当然俺の親も驚き、少しばかり目を丸くしていたが、すぐに女の子の事を思い出し急いで家に帰ったらしい。
そして話を聞く限りだと女の子の家は家族が全員死んでしまい、親戚の家に引き渡されたが、案の定そこではこき使われご飯もほとんど食べられなかったらしい。そして、その日にその家はお金がほとんどなくなり女の子を捨てたのだと。
俺の親は怒ったがその家に返すのも二の舞いだから俺の母さんが「なら、家に来ればいいんじゃない?」
と言い出し俺も父さんも女の子も皆揃って驚いた。
それはそうだ女の子を家族にするには結構な手続きなどが色々必要だからだ。だが俺の父さんも
「しょうがないなぁ、結構キツイと思うけど頑張るか!!」
乗り気だった
そこからは俺は「後はお母さんたちに任せて!」とのことだったので邪魔にならないようにそそくさと退場したのだ。
そしてここに居るのがその少女小梅甘実だ。
こいつは家事を習い家の手伝いをすると聞かなかったので母さんから習ったらしい。
俺はって?出来るわけないじゃないか。じゃあお前は何をしてるのかって?別にぐうたらタダ飯食ってるわけじゃない。
俺の役目は決まっている、小梅の帰りを待つことだ。
もし読んでくれた方がいたら嬉しいです。
どうもありがとうございました。
もし続きがあるとしたら次からラブコメを少しずつ増やしていきたいです。
それでは失踪していなければまた次で。