エリナちゃんとの会話は「愛の確認の様な本当の気持ちを交わすものだった」
また、続きを小分けにして書き下ろしました。
エリナちゃん奪還からの帰還までの道のりでの
2人の会話が中心です・・・。
帰り際、俺はエリナちゃんの手を取りながら彼女に
なんとなく自分の気持ちなり考えなりをそっと伝える為に
色々とお話をした・・・。
光の輪の中を通り抜けながら2人でぎゅっと手をつなぎ、
まるで「永遠の様に」慈しみながら・・・並んで歩いた。
「あの時さ・・・。正直。エリナちゃんの本心が分からなかったんだ。
だから・・・ほんと正直・・・怖かった・・・んだ。強がってたけどね。」
エリナちゃんはそんな結兎の横顔を見つめながら聞き返す様に尋ねた。
「あの時・・・・・・?」
「君に・・・「ずっと大嫌いでした」とか「弱いユイト様は嫌いです」とか
「男の子の癖に女の子の格好をしていて気持ち悪いなって思ってましたわ」とか
色々な・・・言葉がショックで・・・心が折れてた・・・。ほんとに悲しかったんだ。」
「・・・あの時は・・・・・私は・・・何を自分でも・・・言っているのか
分からないでいました・・・今となっては。何故あの様な結兎くんを
「傷つける」言葉ばかりを紡いでしまっていたのか・・・。ごめんなさい・・・。」
エリナちゃんは涙を目にいっぱい浮かべて誠心誠意謝った。
「エリナちゃんを責めてるんじゃないよ?!俺の・・・自信のなさが、
情けない俺には響いて・・・苦しかった・・・。好きだったから・・・。
大好きだったから・・・苦しくて死にそうだった・・・。ほんとは・・・。」
結兎はエリナちゃんの手をぎゅっと強く握りしめてしまう・・・。
「あんなの・・・全部・・・嘘です・・・!!私が・・・
今までどれだけ・・・!!結兎くんの事を憧れて好きだったかなんて
理解できないかもしれないけれど・・・あの時に言った言葉は全てが
裏腹で本音とは違います!!・・・寧ろ逆で・・・「大好き」だったんです。
「憧れで」・・・「尊敬していて」・・・「いつも優しい素敵な貴方が・・・
私は・・・「大好きでした」・・・。また・・・涙が出てしまいそうで・・・
ごめんなさいです・・・。貴方の優しさが好き・・・でした・・・ずっと。」
顔を赤く紅潮させながら恥ずかしがるように自分の本音を曝け出す。
その言葉を聞いた瞬間に・・・。
結兎は・・・はにかむように笑った・・・。
「うん・・・。嬉しいよ・・・。ありがとう・・・。
ああもう!!恥ずかしくて言えないけども!!
君に出会えてそれだけで奇跡だったと・・・感謝してるんだ今。
君の本心が今ようやく聞けて・・・安心した・・・。
ありがとうね・・・・・。俺も・・・・・。ずっと大好きだった。」
「結兎くん・・・!!私の事・・・嫌いにならないんですの・・・?
あんな酷い私を・・・許してくれるの・・・?「好き」って・・・
仰ってくださるの・・・?・・・本当に・・・。ありがとう・・・。」
エリナちゃんはまたうっらと涙を浮かべながら結兎の腕に手をまわした。
恋人の様だった・・・。いや、その時の2人は紛れもなく「恋人」であった。
光の柱の抜け道はまるで光り輝くイルミネーションの様で・・・。
ロマンチックさを際立たせていた・・・・・・・。
「エリナちゃんに出会えて・・・俺は幸せだから!!
君にまた・・・何か傷つくことを言われても笑って許すよ?」
結兎は・・・女々しさもなく余裕に満ち満ちた素敵な男の子・・・。
「王子様」そのものだった・・・・・・・。
「私・・・本当は・・・魔法少女に憧れてたんですが・・・。
でも・・・今は・・・そんなのに自分がなれなくても・・・
いいやって・・・思うんですの・・・。今は、貴方に・・・
「恋してる」から・・・・・・・・。」
一瞬ハッとした2人は気まずい空気になり、相手の顔も見れない程に
赤面してそれから黙り込んでしまう・・・。
その先に・・・「永遠の時間」の終わりの様に・・・。
光の道しるべの様な明るい日差しの様なものが辺りを照らした。
ゴールにたどり着いた・・・・・。
そう・・・「帰ってきたのだ」。
出口の先に出ると2人を待ち構える様に・・・。
リクとキリ、アキトの3人がいた。待ってくれていたのだ。
「お帰りなさいませ・・・・・・。お勤め無事に済ませましたわね?」
リクが穏やかに・・・静かに包み込む様に語り掛けた。
「ただいまっ!!!」
結兎は満面の笑顔で彼女の手を引っ張り、
「エリナちゃん!!無事に連れて帰れたよ?!」と
小6の男子の無邪気な笑顔で・・・晴れ晴れとした空気に
その場が優しく包まれた・・・・・・。
2人はお互いを責めることもせずに本音で
お互いの気持ちを再確認した。
遠回りをした感情がようやく1つに合わさる様に
クロスして優しく言葉を交わす・・・。




